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「う~ん…聞けば聞くほど不思議だね」
「はい…俺も夢だったみたいで、話してて信じられないです」
「聞いてみてどう、阿部ちゃんと繋がりそう?」
「無理矢理なら繋がるかも」
「……は?」
「無理矢理って…」
「あのね」
だてさんは手にしたホットティーで喉を湿らせてから、俺達ではなく正面を見詰めたままポツポツと語り出す。
「今から話す事は仮定の話で。…目黒が捕らわれていた闇に阿部は捕まえられている…って考えられる、かな」
「闇、に…あの真っ暗な所に阿部ちゃんがいる…」
「おいっ…~あんまり不安にさせるような事言うなよ」
「だから仮定でって言ったでしょ。たまたま阿部の体調不良が重なったのかもしれないし」
「だとしても…、…どっちにしても不安になるのはしょうがないか」
「阿部が目を覚ましてくれない限りね」
「検査結果が出ないと仮定の域を出ないって事っすね」
「あ~、此処でお茶してたんだぁ。俺もなんか飲も」
どんより曇る空気を一瞬で晴らす明朗な口調。弾かれたように跳ね上げた目に映ったのは、薄暗さに浮かぶ綺麗なピンク色…。
「…佐久間くん」
「佐久間?…なんで此処に」
「なんでってお言葉じゃん。阿部ちゃん病室に移ったよって知らせに来たのに」
「っ!~…それで結果は!?飲みもん買ってねぇで教えろよ!」
「翔太怖~い。……結果はね、まだちゃんと出てないんだけど…眠ってるだけの可能性が高いらしい」
「寝てる…だけ?」
いきり立つ翔太くんにまったく物怖じせず、佐久間くんは自販機に寄り掛かって笑顔なくそう告げた。漏れた言葉は誰のだったのか分からない。多分、三人とも思う事は同じだったから。
詰め寄った側の翔太くんの顔がゆっくり下を向く。握った拳が震えているのが見えて俺も立ち上がり、一緒に震える肩にそっと掌を添える。
カシュ。短い開栓音。伏し目がちに佐久間くんが缶を傾ける姿を眺めつつ、俺は手の中の空のそれを握り潰した。
重苦しい沈黙を破ったのは、背後からの冷静な一声。
「佐久間も知恵を貸して。闇に捕らわれるってシチュエーション、アニメとかでない?」
問われて丸くなる佐久間くんの薄茶の瞳。首を傾げて上空を見ながら逡巡し、しかし僅かで察したらしく紡ぎ返す。
「ん?闇ぃ?……いっぱいあるけど、それって蓮の話のヤツ?」
「そう。阿部が眠っているだけなら、俺の仮定が成り立つかも」
「ふぅん…なるほどね。蓮と入れ代わりに闇ん中入っちゃって、それで阿部ちゃん目覚まさないんだ」
「なるほどねって…なに普通に会話してんの?お前らエスパー?」
「入れ代わり…?阿部ちゃん、まさか俺の代わりに…っ」
「ターンマ、自分責めんな蓮。蓮はひとっつも悪くねぇから」
「うん、佐久間の言う通り。目黒が望んでなった訳じゃないんだから、そこは気にしないの」
「……はい。ありがとう、ございます」
「ん。ってなるとぉ…阿部ちゃん自ら闇に誘われちゃったかな」
「ふふふ、阿部らしいね。でも、だとしたら厄介かも」
「だーねぇ…蓮の愛の力に賭けるっきゃない?」
「阿部ちゃんへの愛なら誰にも負ける気ありません」
「待って待って待って!俺だけ置いてけぼりなんだけど!?せ・つ・め・い!してっ!」
天然を全員にスルーされたばかりか放られっぱなしの翔太くんがついに叫んだ。だだっ広いロビーによく通る声が反響しまくり、俺は咄嗟に人差し指を耳に突っ込む。
「翔太、ここ病院。もうちょっと静かにしようね」
「考えるな、感じろ!だって、翔太」
「あ、それだとしょっぴー明後日の方向に行っちゃうんで。ちゃんと説明した方がいいかも」
「お前らさぁ…~揃いも揃ってなんなの?」
「……照、見ぃ付けた。」
「ふっか…、…叱りに来たの?」
「んなワケねーじゃん。一緒に反省会しに来たんだよ」
「ん……ん。しないとだな、反省」
座るでもなくぼうと佇む岩本へ、数歩手前から深澤が声を掛ける。振り返った顔は後悔の色を孕んだ苦々しさで歪んでいた。深澤は両肩を竦め、のんびりとした口調を心掛けて近付いて行く。
賑やかな此方側とは対称的な作りのもう一方で、俺も、誰も、二人以外知る術がない静かな反省会が始まっていた。
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💙状態です…。一体どうしたら目を覚ますんでしょう…
どうなるんだろう…続き楽しみにしてます✨✨
ゆぴ
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