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シクロさんが自分たちに近づいてきた。
手に、禍々しい鎌を持っていた。彼女に共鳴するように、時折刃が怪しげに光っている。鎌の頂点には、キラリと輝く赤紫色の宝石が付いていた。
「あの方々、は…もういなくなって仕舞われましたか?」
俺をちらりと見た後、カユに話しかける。
「えぇ、まあ取り敢えず……あの方が」
と、先生は先程の女子を紹介した。
シクロさんがそちらを振り返ってなお、その女子は4枚の羽をぱたつかせたまま、微動だにしない。
それからシクロさんは、距離を近づけて、ふわりと感謝の言葉を述べた。
それを受け、彼女はなにか言葉を返していた。
それからシクロさんは、俺を含めた皆に向き直る。
「皆さん、こちらに来てください、
学園から出る道をご案内致しますので。」
少しのざわめき。俺は素直に従って、シクロさんの元へ翔んでいった。それに次いで、少し時間のたって落ち着いたらしい女子2人組。その後もぼちぼちと続いていった。
俺は、先程の女子に話しかけてみる。
「さっきの回し蹴り、凄かったよね。
…….なんか習ってたの?」
「独学」
「え凄くない?」
「皆さーん、着いてきてくださーい」
シクロさんの指示で学園から出るまでの間、先程の女子としばらく会話をした。
名前は、アロル・ルーラ。日本へ長期留学中だったとの事。先程の回し蹴りはストレス発散の為にやってた独学のもので、趣味…らしい。
その後、他の趣味である音楽の話が捗りすぎて友達になった。
死んでからも友達って出来るもんなんだな…。
そんなこんなで、俺たちはまた、蒼い空の元へ戻ってきた。保育園のお迎えのように神や死神が皆を連れていく。
アロルが従っている死神が小学校低学年くらいの年齢だったのには、流石に驚いた。
古風な服装をしていて、片目が前髪で隠され、幼いのも相まって中性的な見た目だ。しかもシクロさんと知り合いのようだった。
なんかママ友みたいだな、と思ってしまった。
そんなこんなで、もちろん俺とシクロさんだけが残った。
「あの、これから何するんですか?」
「少し授業は足りないんですが、学園は卒業、ということになったので、今あなたは天使か悪魔になっています」
そんな適当でいいんですか……。
「まあ、変化といえば魔力くらいなので、
溜まるまで雑談でもしますか?
魔法を見ないと種の断定もできませんし」
はぁ、と生返事を返したのち、シクロさんは足りなかった授業の知識を埋めてくれた。
この天界では、本名を元に「異名」を作り、それで呼びあっているらしい。シクロ、という名も異名のようで、本名は「天昇 黒音」というようだ。
その話のついでに、シクロさんは俺にも異名をつけてくれた。
「リウ」、と。
次回へ続く