コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
正直、楽との学校生活は、これまでとは比べ物にならないくらい楽しかった。
一日中、楽と共に過ごす日々で気づいたことがある。
俺は多分、楽が好きだ。
好きというのは恋愛の好きで、一度も恋愛をしたことが無い俺にとって、初恋になる。
人から好意を向けられることが多かったので、恋にはすぐ気がついた。
恋したならば、告白すればいい。
さすがの俺でもそこまでは分かるのだが…。
楽が鈍すぎて話にもならない。
例えば、
「楽、好きだよ」
思いっきり告白をしてみても
「俺もレイのこと好きだよ!」
と、軽く受けとってしまう。
自分の感情に気がついてからかれこれ、10回ほどは告白したと思うが、楽には毎回あしらわれている。
頭を抱える日々だ。
こんな関係に終止符を打つ、ある日が来た。
その日も、楽と過ごしていた。
「楽、なんだか顔色が悪くない?大丈夫?」
「ん?俺元気だよ。 」
そう言う楽の顔は火照って見えて、熱があるように思う。
そうしたら案の定、ふらりと楽が倒れてしまった。
この時、初めて自分の運動神経に感謝する。ギリギリのところで受け止めた楽を抱えて保健室まで運んだ。
「失礼します…」
保健室の中は誰もおらず、静かな空間が広がる。
楽をベットへと寝かせた。
寝ている楽の顔が可愛い。
寝込みを襲ってやろうか、と思ったがそんなことで楽からの信用が無くなってしまっては困るので、おでこに一つ、軽くキスをした。
「楽、おやすみ。ずっと楽だけを愛してるから。いつかは俺に振り向いてね」
そう言って保健室を後にした。