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54 - 「昼の闇」❤️💙

♥

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2025年04月30日

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昼間とは思えないほど、空は重たく、灰色の雲が空を覆っていた。

雨は遠慮なく窓を叩きつけ、室内にまで湿った空気を引き込んでくる。

明かりもつけず、薄暗い部屋にぽつりと浮かぶ二つの影。

ソファの上で、重なる身体。

濡れたような息が、重なり、混じり合う。


「……雨、すごいな」


涼太の指が、俺の髪を梳く。

指先から伝わる熱に、身を震わせながら、うっすら笑った。


「……ん。雨音のおかげで、外に聞こえないからいいじゃん」


そう言って首筋に唇を寄せ、ぬるく肌を這う。

ちゅ…くちゅ、とやわらかく響く音。

それは雨か、それとも身体の奥から漏れる熱い音か。

雨のせいで、どこか閉じ込められたような部屋。

外の世界なんてどうでもいいと思えるほど、二人だけの温度に満たされていく。


「なぁ、照明……つける?」

「いらない。……」


目を閉じても、唇の熱、肌を滑る指の軌跡、ゆっくりと混じり合う音がはっきりとわかる。


ぴちゃっ、ぴちゃっ——


濡れたような音が、静かに繰り返される。

それは、雨か。

それとも、ふたりが互いを欲しがる、湿った音か。

もう、どちらでもよかった。

ただ、この薄闇の中で。

他の誰にも見せない、誰にも邪魔されない、この時間に溺れたかった。

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