テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「なんというか、面白い眼鏡です。この中だけでも数人居るんですね。」
「慣れたら、楽になりますよ。私は、赤ん坊の時からずっと見えていて、実家の仏壇前にはいつも祖父母とペットがいました。」
「僕には、理解出来ない悩みですよね。今もいるんですか?」
「はい、最近自宅の方に来まして、『早く結婚して成仏させてくれ。』って。」
この人、少し怖い。女性が怖い僕にとって、家族以上ギャル未満の、所だ。ギャルみたいな、グイグイくる系は本当に相手したくない。
え?『今まで、普通にはなせてるじゃないか?』って?仕事って思ってれば、会話はできる。『会話は』
「ちなみに、ちょっとした疑問なんですが、家に居て変な事とか起こりませんか?さっきからずっと、若い女性の霊が隣に居るんですよ。」
「そんな、冗談言わないで下さいよ。」
僕は、隣を見た。 居る。居た。誰だ、まさか家のノックの正体なのか?
「どうやら、図星の様ですね。」
「ええ、自宅が事故物件で毎日同じ時間帯に、どこかしらのドアを叩くんです。」
「ほ〜、今度見に行きましょうか?お祓いぐらいはできますよ。」
「え?あ、え、ちょ、え、あ、どどどどどどどうしよう…」
「どうしたんです?そんなに、パニクちゃって。そんなに私が、家に行くのが、は・ず・か・し・しいんですか♡」
レアルさんは、僕の耳元で囁いた。女の子、怖い。
「ですが、咲良君がそのままで良いと言うのなら、強制はしませんが…」
「け、検討しておきます。」
「やっぱり、あの頃から変わんないなぁ君は。」
「何か、言いました?」
「いえ何も?」
「そうですか。あ、もうそろそろ到着しますね。」
この時僕は、ここから始まるレアルさんとの取材が、恐怖に包まれた物とは考えていなかった。