テラーノベル
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『世界を喰うウサギ』サイト-19の中央管制室。世界を滅ぼす最悪のバグが臨界点を突破した、その瞬間だった。バチィィィン!という激しい音と共に、世界からすべての音が消え去った。蛍光灯の光が空中で静止し、粉砕された防弾ガラスの破片がふわふわと宙に浮いたまま止まっている。物理の法則が崩壊し、この世界の時間が完全にカチコチに凍りついてしまったのだ。アイの意識だけは動いていたが、指一本動かすこともできない。(ああ、世界が消滅してしまう……)冷たい絶望が部屋を支配した、その時だった。カサッ。誰も動けないはずの部屋の中で、小さな白い影が動いた。真っ白でふわふわのウサギ、ウォルターだった。ウォルターは時間が止まった空間を平気な顔でトコトコと散歩し、アイの目の前に現れた。そして、ウォルターはピクピクと鼻を動かし、アイの体を消滅させようとしていた「不気味なピンク色の霧の塊」を見つめた。これこそが、宇宙に存在する高度な文明を強制消去する、最悪のバグそのものだった。ウォルターはちいさなお口を開けると、その世界を滅ぼすバグの塊を、カチリと直接齧った。サクサク、サクサク。信じられないことに、宇宙を崩壊させるほどの最悪のエラーコードは、ウォルターにとってはただの美味しいキャベツか何かのようだった。ウォルターが小さな口を一生懸命に動かしてムシャムシャと食べ進めるたびに、世界を覆っていた絶望のピンク色の霧が、どんどんウサギのお腹の中に吸い込まれて消えていく。バグの核心部分をウォルターがペロリと完食した、その瞬間だった。パキィィィン!凍りついていた世界の時間が、一気に溶け出して動き出した。宙に浮いていたガラスが床に落ち、鳴り響いていたアラームの音が静かに消えていく。外の空には、いつもの穏やかな青空が戻っていた。「はぁっ、はぁ……! 世界が、戻った……?」アイは床に膝をつき、激しく息を吸い込んだ。足元を見ると、ウォルターが満足そうにお口をモグモグさせながら、アイの足に体をすり寄せていた。宇宙を滅ぼす元をすべて平らげたというのに、お腹が膨れるわけでもなく、ただの可愛い白ウサギのままだ。「プニィ!」自動ドアの隙間からオレンジ色の999が飛び出してきて、大喜びでアイの胸元に抱きついた。遅れてチチチと音を立ててやってきたアイポッドたちも、大きな一つ目を輝かせてウォルターの周りでダンスを踊り始める。「ふふ、まさか世界を滅ぼすアノマリーが、ウサギのおやつになっちゃうなんてね」アイは涙を流して笑いながら、世界を救った大食いチャンピオンのウォルターをそっと抱き上げた。どんなに恐ろしい宇宙の法則であっても、財団の可愛い食いしん坊の前には、ただの美味しいご飯に過ぎなかったのだ。アイは腕の中の温かいぬくもりを感じながら、今日も可愛い仲間たちと一緒に、世界の平和をお腹いっぱいに守っていくのだった。
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コメント
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読んだよ!第10話!時間が止まった世界で、ウォルターがまさかのバグを「おやつ」として食べちゃう展開、痺れたわ…✨ あの絶望的なピンクの霧がウサギの胃袋に消えていくギャップがめちゃくちゃ面白かった!アイの「世界が戻った…?」からの涙、そして仲間たちが集まってくる温かさ。塔を登る話じゃなくても、こういう一話完結の美味しいエピソード、大好きだよ。大食いウサギに世界救われるって、最高に可愛いじゃんか🍊🔥