コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ジーク(上手く…話がまとまらない…なんて言えば…分かりやすいだろうか…)
マリア「ジーク君は、赦されたいから一緒に居たいの?それとも心配だからそばに居たいの?」
ジーク「…もう…分からない…。心配なのも、本当で、でもアリィにもう俺は必要ないのも分かってて…」
カイオス「…それは自分で判断したのか?それともアリィに言われたのか?」
ジーク「…言われたわけじゃない…」
カイオス「ならアリィはまだお前に居て欲しいと思ってるんじゃないか。そう思い悩む必要はないと思うし、ただ少し休憩するだけだ。」
マリア「まぁ感情の整理はゆっくりすればいいんじゃないかしら。今は少しだけ休憩しましょう。」
ジーク「休憩って言ったって…」
マリア「ジーク君、いつも通りできてたことが急に出来なくなったことってある?」
ジーク「…1回だけ…立ち方と歩き方が分からなくなったことなら…。…それから…アリィが急に変わって…。」
カイオス「どうしても不安なら、俺達大人に頼りな。1日くらい代わりに見れる。お前より子育ての経験は豊富だぞ。」
ジーク「え…。」
カイオス「?」
ジーク「い、意外で…子供がいたのが…」
カイオス「子供というか…血は繋がってないが、主にベツを育てたのは俺だな。」
コンコンと扉を叩く音が聞こえる。カイオスは部屋の外に出て外の者と会話する。
マリア「カイオスの提案結構いいと思うんだけどどう?」
ジーク「…それなら…。」
マリア「じゃあ決まりね!」
カイオス「マリア。」
マリア「どうしたの?」
カイオス「俺はアカネ達と一緒に釣りしてくるから抜けるな。」
マリア「ええ分かったわ。行ってらっしゃい。」
ジーク(…休めって言ったって…)
マリア「さてと…たまには自分の為に時間を使いましょう?もし君がいけないことだと思うなら…」
マリアはジークをそっと抱きしめる。
マリア「私が赦してあげるわ。君は悪くない。でも、何も出来ない自分が悔しくて自分を憎んでしまうのも、私は痛いほど分かる。だから、君が”自分”を許せないなら私が赦してあげるわ。もちろんアリィちゃんには内緒ね。」
ジーク(あぁ…ずっと…この言葉が欲しかったんだ…。)
アカネ「また1匹釣れました!」
カイオス「ここは生簀じゃないのになんでそんなに釣れるんだ…?」
アリィ「入れ食いってやつだね。いいなぁ…。」
カイオス「アリィは釣れたか?」
アリィ「ううん…あっ!引っかかってる感覚がする!」
カイオス「釣りは本来気長に待つものだからな。竿を持ち上げるように引っ張るんだ。」
アリィ「ちょっ…これ!全然行けそうにない!うぐぐぐ!」
カイオス「そんな生命力があるのか…?」
アカネ「…これ引っかかってますね。」
カイオス「あ、ほんとだ。俺も目が悪くなったかな。」
アリィ「…忘れてぇ…!」
カイオス「大陸を釣ろうとしたのはお前が初めてだな。」
アリィ「からかわないでよぉ…うう…。やっぱり私、釣り向いてないのかなぁ。」
カイオス「まぁ楽しみは減るが、食料補給の為だけなら竿を固定して、動いたら釣るでもアリだと思うがな。」
アリィ「なるほど…」
カイオス「にしてもなんで釣りを教えてだなんて急に…。」
アリィ「魚って栄養豊富でしょ?魚が釣れたら多少ジークのプレッシャーも減るかなって。…なんだかジークって狩りの時のめり込みすぎる傾向があるみたいで。」
アカネ「また釣れました!」
カイオス「よかったな。ただこの量は流石に俺一人じゃ食べきれないぞ。俺の1週間の食事メニューが魚に変わる前に腐る。」
アカネ「大丈夫です!今日のお家での晩御飯にもします!」
カイオス「ならいいか。それならまだまだ足りないな。好きなだけやっていいが生態を破壊するレベルはダメだからな。」
アカネ「はい!カイオスさんも今日は一緒に食べましょう!」
カイオス「ああ。アリィ達が明日で帰るしな。このまま別れるのは失礼だな。俺も何か良さそうな食材を持ってこよう。」
アリィ「もう軽いお祭りだね。」
カイオス「当たり前だ。不本意ではあるが、お前達が居なければあの悪魔で、イニディア村に死者を出すことになっていた。当然の対応だ。…それにアカネが無事に戻ってこれた祝いを兼ねてもいいだろう。」
カイオスはそう言うと、アカネの頭を撫でる。
カイオス「…なんかふわふわになってる…。」
アカネ「?」
アリィ「パーツアップグレードしたらしいよ。」
カイオス「あぁそういうことか…。マリアはいつも突然思いついて行動するからな…。お前達はこれからどこに行くんだ?」
アリィ「元々の本来の目的地に行こうと思ってるよ。ここから1番近くの町、トルカ町に行く予定。」
カイオス「トルカ町か…。」
アリィ「うん。何か気をつけた方がいい?」
カイオス「いいや。トルカ町には無いな。ただ1つ危険な国を思い出した。」
アリィ「?」
カイオス「もう滅びた国だが、ヴェファーナ国には立ち入るなよ。悪魔が住んでるからな。」
アリィ「忠告してくれてありがとう。でも滅びた国ってなんか気になる…。」
カイオス「好奇心で死なないよう、教えてやるが別に大した話じゃない。ただ戦争に負けて滅んだんだ。」
アリィ「…戦争かぁ。」
アカネ「起こしちゃダメですよ。」
アリィ「起こさないよ!?もう…。なんだと思ってるの私の事…。…でもここに来て安心したな。」
アカネ「安心?」
アリィ「うん。私、ずっと実は本当に自分が悪魔なんじゃと思ってたんだ。…私以外に、魔法が使えるヒトが居るなんて今まで知らなくってさ。でもマリアから同じようなヒトが居たって聞いて、不謹慎だけど…本当に心の底から安心したんだ。ここに来てよかった。」
アカネ「気に入って貰えて良かったです。僕もここが好きなので。…僕たちは味方ですからね。」
アカネはそう言うと、アリィの片手をきゅっと握る。
アリィ「あははっ、嬉しいこと言ってくれるね。…でも私だけじゃないなら余計気になることがあるんだ。…私達は、何者なのか。魔法って何か。他の人に出来なくて、私達に出来る。その違いは何?魔法を使うのには条件が付くものなのかとか、1度考え出したら止まらなくって。…いつか生きてる私以外の魔法を使える人にもっと出会えれば、何か分かる気がするんだ。…本当はノアに聞ければ良かったんだけど…どこに行ったんだか…。」
カイオス(フェニックスが今まで観測できた、アヴィニア人以外は計”3”人…。俺達ですら、まだその理由について分かっていない。俺達はアヴィニア人の為に尽くそうとしても、肝心のアヴィニア人については知らないことばかりだ。)
カイオス「…あの件さえ無ければ役に立てたかもしれないんだがな…。」
アリィ「あの件?」
カイオス「昔、フェニックスには魔法やアヴィニア人に対しての多くの資料があったんだがな。俺は比較的新参だから理由は知らないが、そのほとんどを紛失しちまったらしい。そこからすぐメンバーの殆どが入れ替わった。」
アリィ「そっか…。それなら仕方ないね。」
アカネ「あの…集中してるとこ悪いんですが…魚引っかかってますよ。」
アリィ「えっ?あっ!ほんとだ!ちょ、強い強い!持ってかれる〜!!」
アカネ&カイオス「魚に釣られてる…」