不真面目な先輩3
『蓮も飯一緒食おうぜ!』
「えっえ…?」
「あたしもさんせーい!」
「俺もっ!一緒に食おうぜ蓮。あ、俺松田 輝!」
「あたし南瀬 美亜!よろしく〜!」
_なんということだ…。
「ぁ、えと…よろしくお願いします…。」
期待の眼差しで見つめてくる先輩方。断られるわけもなかった。
『なぁ、ごめんな?いきなり。』
突然、加賀見先輩が小声でそう言ってきた。自覚があるようでなにより。
「いえ、特に気にしてませんよ。」
_いいえすごく気にしてました。
「それに、俺丁度今日飯食う相手もいなかったですし。」
…流石に先輩に 俺いつも1人で飯食ってます とは言えなかった。
『そっか!蓮は今日はぼっちだったんだ?』
_。。。
流石にストレートすぎませんか先輩?
「まぁ…はい、そうです、ね…。」
先輩のストレートをもろに受けた俺は、無事ボロボロ。
ほんとなんなんだこの人は…気遣い出来るのかと感心してたら、突然変なことをする。
_でも…不思議と、そんな先輩の隣は、居心地がいい。
初めてだ…こういうの。
『あー…授業だる〜い。めんどくさ〜い。部活して帰りた〜い。』
「あはは!渚そればっかじゃん。」
『だってめんどくさいんだもん!ぶっちゃけお前らもそうだろ?』
「あたり前田のクラッカー♪」
『なぁ、蓮は?』
「っ、は、はい?」
やばい、弁当黙々と食べていたから何も聞いてなかった。
『もしかして集中して食ってた?美味かった〜?』
「え、ぇと…すみません、話聞いてなくて…。」
『いいよ全然!、いきなり2年の中に放り込まれて、まだ慣れないだろ。』
いや放り込んだのあんたですけどね。
『えっとねー…蓮勉強好き?』
「は、はい…まぁ、やってて楽しいですよ。」
『ま』
「じ」
「で?」
「?、はい…。」
『まじか蓮!、確かに頭良さそうだしな〜。』
「ねぇ渚。蓮ってこの見た目と性格でサッカー部なんでしょ?凄いギャップ萌え〜!」
「また変な子拾ったのかと思ったけど、すごい子拾ったね〜。」
「ひ、拾った…?」
『あー…気にすんなっ。それよりさ、蓮ってじゃあやっぱ勉強とか出来る?』
「ま、まぁ…得意ではありますけど…。」
問題を解くのは楽しい。時間を忘れて、夢中になれる。
その時間だけは、誰にも邪魔されない、俺が俺に集中出来る時間。
『まじか!じゃあ今度勉強教えてもらお〜!』
「ぇ。」
「ちょ、渚ったら…蓮、ズバッと言っていいんだよ!、こいつ馬鹿だから!」
「…。」
「れ、蓮…?」
『ぁ、わり…怒った?』
ズバッと、言う…。
不思議と、加賀見先輩になら、いける気がする…いや、すごい失礼かも。
「…先輩。」
『は、はい…。』
「先輩、さすがに限度ってモノがあるんですよ。」
『はい…すみません…。』
「…はぁ、先輩、俺は_」
ゴクりと、先輩方が息を飲んだような気がする。
いや、そんなに身構えなくていいんですけど…逆に不安になる。
「先輩、俺は…」
『はい…』
「高2の問題はまだ学習していないので分かりません。」
『っ、ぇ?』
「…ぷはっ!」
「???」
困惑する加賀美先輩、吹いたように笑う松田先輩と南瀬先輩。
え…何故?
「ぇ…いやだって、高1になったばかりの生徒が高2の問題スラスラ解けるわけないでしょう。」
『ぁ…う、うん。確かにそうだな…。』
「あはは!どんまい渚!」
『ぃやぁ…まぁでも、よかった。説教とかされなくて。』
「するわけないでしょう…。」
『いやだって、なんかすげぇ怖かったんだもん。あーびっくりした〜。』
『てか、なんか力抜けたわ。肩借りる。』
「…へ?」
_ポスッ…
フワッと、不思議と安心する匂いが首元に集まる。
_え…いや、どういう状況?
なんか…すごく恥ずかしい…。
「あの…先輩?」
『んー?』
「いや、あの…くすぐったい、です…。」
『でも、お前の肩すげー安心するよ、なんか。』
「ッ!?」
_いや、そう言われましても…!
一気に顔に熱が集まるのが分かる。多分、今の俺は真っ赤だろう。
「あはは!なにこれ傑作〜!」
「蓮すげー真っ赤。」
いや…だって、これは仕方ないでしょう…。
てか、ホントくすぐったい…。
せ、先輩…!///
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