テラーノベル
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《チーノおはよ》
ぴこんッとmineの通知音で目が覚める
《起きるの早ない?》
まだ寝ぼけたままの状態でそう送るとすぐにメッセージが帰ってきた
《今日オカン居らんねんお前ん家で朝メシ食っていい?》
《いいけど、たいしたもんないで》
《食えるもんはあるんやろ?まあとりあえず行くわ》
そんな短いやり取りで朝を一緒に過ごすことになった
五分もしないうちにインターホンが鳴る
玄関の鍵を開けると制服姿のショッピが立っていた
sy「ふは、まだ寝起きやんけ」
ci「ショッピのmineで起きたんやもん」
sy「まあまだ時間はあるんだしゆっくりでええよ」
そう言って頭をぽんと撫でられる
ci「……うん…」
明らかに距離が近くなってるそう身にもって実感した
sy「チーノ、冷蔵庫開けてええか」
ci「うん、別にやましいものないし好きにしてええで」
sy「…ほな目玉焼きでも作ろかな」
ci「あ、俺も手伝う」
まだパジャマのままだけど。
なにか役に立ちたくて、ショッピの隣に立った
sy「割り入れるだけやけど、火傷せんように気をつけてな」
ショッピは俺が卵を割るのを注意深く見守っていた
無事にふたつとも綺麗に割れると、熱いフライパンのそこに熱されて徐々に白くなっていくのが見えた
ci「俺だって目玉焼きくらいは作れるんやぞ」
sy「せやな、チーノが作れるの、なんか意外やったわ」
ci「なんやそれ!俺だって料理の一つや二つくらいは…」
作れるんだぞ、そう言おうとした時に不意に動かした右手がちょうどフライパンに当たってしまった
ci「あつっ…」
sy「チーノ大丈夫か?」
フライパンに触れた部分を氷で冷やすと徐々に火傷部分の傷が浮き上がってきた
sy「チーノ手貸して」
そう言われて、手を取られるといつの間にかそこにあった救急箱の中から薬を塗ってガーゼを貼ってくれた
sy「火元には気をつけなあかんやろ」
ci「うん…ごめん」
sy「反省してるんやったらええよ、目玉焼きも上手に出来てるやんか」
ci「ほんまや」
綺麗に出来上がった目玉焼きをふたつの白い皿に盛ると、トーストと一緒に食べた
sy「ん…目玉焼き美味しい」
ショッピが1口食べると、俺の顔を見てそう言った
ci「ほんま?作ってよかった…」
…
朝ごはんを食べ終わると、少し時間に余裕があったのでふたりでソファでごろごろした
sy「ぁ、この俳優さん結婚したんや」
朝のニュース番組のスタジオで、結婚したんです!とサプライズ報告する様子が映し出された
へえ!どんな方と?素敵ですね!色んな声がスタジオを包んだ
ci「へぇ…しかもこんな可愛い女優さんとなぁ」
名前を出された女優は誰でも知ってる顔面国宝の名俳優だった
sy「…チーノは将来結婚したい?」
スマホをいじっていたショッピが不意にそう聞く
ci「願望はないかな、いい人がおったらって感じ」
sy「俺より先に結婚せんといてな」
ci「んふふ、なんで?寂しいん?」
冗談交じりにそう聞くと、崩していた姿勢を元に戻して顔を近づけてきた
金曜日の夜みたいに、唇同士が触れ合う
sy「うん、寂しい」
ci「……今のキス必要あった?」
sy「あったよ?チーノがわかってくれへんかなあと思って。なあもっかいしていい?」
既に頬に手を添えられている
何回もされたからか、もうキスも受け入れられるようになっていた
ci「…い、いいよ?」
sy「かわいい」
ショッピの柔らかい表情が見えたかとおもうと、あの時みたいに深くて気持ちいキスをされた
ci「ぁ…♡♡んっ、♡♡んんっ♡は、ぁ”んっ…♡♡ふ…♡♡んぅ♡♡♡」
自然と甘い息が漏れる恥ずかしいという感情も忘れるくらいに気持ちよかった
何度も角度を変えて絡み合って、お互いの唾を飲み込む
ci「ぁ”…っ♡♡あぅ…♡♡ん、ん…っ♡♡♡」
絡み合っていた舌が離れるとはぁ、はぁと乱れた息がテレビの音と一緒に部屋に垂れ流しになった
sy「…チーノめっちゃかわいかった」
ci「ぅ、うるさい……」
sy「もうキスもできるようになったな、舌絡めんの上手やったよ♡」
ニチャァと趣味悪そうな笑顔でそういう
ci「も、やめてってば……」
目を合わせるのも顔を見られるのも恥ずかしくて手で顔を隠すと、もっと見せてとどんどん近づいてくる
sy「かわいい、もっと見たい、見せて」
ci「…恥ずかしいから……あと遅刻するし…」
sy「ちょっとくらいいよ」
迫ってくるショッピを押し退けるとソファから立った
ci「だめなの!もう、はよ行くぞ…」
sy「はいはい」
玄関から出ると、冷たい風が体を包んだ
ci「今日弁当あるん?」
sy「そういや無いな…金ないけどしゃーないから購買行くか」
黒いマフラーの隙間から漏れた白い息が溶けた
ci「ゲーセンで金溶かしすぎやで」
ショッピは暇さえあればゲーセンだったり、俺の家に遊びに来る
ゲーセンは特に金が無くても負けず嫌いのショッピは懲りずに何回も金を注ぎ込むため、キリがない
sy「まあ、あんだけ頑張ってとってもぬいぐるみあんま要らんし」
ci「……意味ないやんそれ」
そんな会話をして学校に着くと、女の視線がすぐこちらに向いた
「ショッピくんおはよ…!」
「おはよ!昨日出された課題むずくなかった~!?」
近づくな、と睨まれている気がしてしれっとショッピの隣を後にしようとする
sy「チーノ、まだ」
腕を強引に引っ張られるとぴったり肩と肩がくっつく
ci「なんやねん…!早く荷物置きたいねんけど」
女子の視線が怖くて無理やり離れようとすると、ショッピのSOSを求める目と目があった
ci「あ、ぁー……ショッピお腹痛いんやったけ保健室行こか」
sy「う、アイタタ……」
「だ、大丈夫?私が連れてくよ!」
ci「ええから!こいつの体重たいし」
すかさずショッピの肩を持とうとする女子の手を払い除けて逃げるように保健室へ向かった
わざとらしいショッピのド下手な演技のせいでだいぶ胡散臭くなってしまった
sy「1時間目の体育回避〜…」
少し硬いベッドにショッピが横たわると俺もそこに座った
ci「よお悪知恵働くなホンマに」
sy「チーノが2人きりになりたいって言うから仕方なくしただけ」
セーターを引っ張られて強引にショッピの元に引き寄せられると、また朝のようななんだかいやらしいムードになった
ci「…セーター伸びるんやけど」
sy「俺がブレザー貸したるよ」
余裕が無い俺に比べて余裕そうにニヤニヤ笑うショッピを見ていると、なんだかもっと余裕がなくなりそうで目を逸らした
ci「その顔、きらい」
sy「でも顔赤いやん、本当はドキドキしてるんちゃう」
ci「……してへん」
sy「チーノ」
冷たい手が熱い頬に触れて少し気持ちよかった
そのまま蕩けるくらいに濃厚なキスをされるともっと気持ちよくて、ショッピのブレザーの裾を無意識に握っていた
ci「…ぁ、♡んっ、♡♡♡んん…♡♡ん”っ、♡」
sy「……かわいい、ほんまにかわいい」
そのままベッドに倒れ込みそうになる
ci「……ゃ…やだ、♡」
sy「…大丈夫やって、先生もおれへんし」
ci「そういう問題やなくて…っ」
sy「…なにがいやなん?」
顎を掴まれて逃げられずにしょっぴの目に囚われる
ci「……始めて、やし…その、友達ってこういうことせーへんやん…!ともだちなのにおかしいで…」
緊張して震えた声でそう言うとしょっぴはすぐに柔らかい表情になった
sy「なんでそんなに可愛いの」
俺の胸に顔を埋めてそう言う
ci「…な、かわいいって…!」
sy「チーノと俺は友達やからセックスなんて出来ひんもんな」
ci「そら当たり前やろ…何バカなこと言ってんねん」
sy「でも夜だけならシてくれるんやろ?」
ci「…それは…その……」
どストレートに話をしてくるしょっぴに動揺して恥ずかしくて言葉を詰まらせる
sy「…まあ、眠いし今は一 緒に寝よや、お楽しみはあとに取っとかんとなぁ」
頭をクシャクシャに撫でられた後においで、と言わんばかりにベッドの端に身を寄せて布団を広げる
顔が熱い理由も悟られたくなくて、顔が見られないならいいやと黙って布団に潜り込んだ
ci「…おなか、触んないでよ…」
sy「ええやんおれチーノのおなか触るの好きやねん」
そう言って腹の肉を摘んだり撫でたりしてくる
腹を一定のリズムでとんとんと撫でられるのが気持ちよくて、うとうとしそうになるとしょっぴの暖かいからだで包まれる
sy「…チーノ、好き」
ぽやぽやした頭ではそんな簡単な言葉も聞き取ることが出来ずそのまま意識を閉ざした
…
ci「……よ。」
sy「…今日はおまえの方が早かったな」
ci「……まあ、うん」
ジャージのポケットの中にはいった熱いカイロを揉みながらそう言った俺の隣にしょっぴが座る
sy「緊張してんの?」
頬に手を添えられるとキスされるんだ、と目を瞑るとそのままほっぺを摘まれた
ci「…な、なに…!」
sy「期待した?」
ci「してへんけど」
sy「ほんと?」
ci「…すこしだけ、した…かも」
上手い具合に絆されて、でも悔しくなかった
sy「んふふ…かわいい」
しょっぴの服の匂いが心地よくて抱き締められるとぎこちないが、俺も腕をしょっぴの体に回す
sy「甘えるの下手やな」
ci「…べつに、甘えてるとかじゃないし」
しょっぴの肩に顔を埋め込むような体制になると、しょっぴは俺の髪の毛を優しく撫でた
sy「んふふ、撫でられるの好きやなぁ…」
ci「ん……」
心地よくてきゅっと目を瞑る
温かさはまだ消えなくてずっとこの感覚が残ってほしかった
ふーっ、としょっぴの息が耳にかかると身体がぴくりと震えた
sy「…くすぐったい?きもちいい?」
ci「……ど、どっちも…」
sy「いやじゃない…よな?」
恥ずかしくて、コクっと頷くとしょっぴの胸に顔を埋めた
ci「……いやじゃないよ」
次回お楽しみにしててって感じ‼️
国宝は小説も安定に面白い😌
小説と映画が好きです……
おすすめがあればぜひ教えてくだ🈂️
‼️‼️コメントもよろしくね‼️‼️
活力になるのでよろ😉
コメント
3件
もう好き。チーノ可愛い。ショッピ安定の有能。最高。
神作ありがとうございます! ちのさんかわいい…!
今回も最高です!! sypci神ですわ 照れてるciさんが可愛すぎる…!!