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#管理社会
エコ

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チタコロ
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#鬱展開
Mist-404
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コメント
1件
わ、エコさん新作お疲れさまです!「ノワール」と「クチキ」の出会い、一気に引き込まれました。監視社会の管理と廃棄対象っていう設定がもう最高にそそる…。ノワールの「心を求めて彷徨う」って一文にグッときました。球体の頭部に空洞の目、ビジュアルも強いですね。クチキの「まずは生きて出なけりゃ」の台詞が熱いし、アイリス-09の威圧感もゾクゾクします。この先、どうなるのかめっちゃ気になる…!続き楽しみにしてます🔥
『エンプティ・シェル:禁忌の箱と顔なしの人形』
第1話:路地裏の目撃者
『シグマ・コア』——すべてが人工知能によって無駄なく管理され、均質化された近未来の巨大都市。
その完璧な世界の足元には、システムから見捨てられた暗い路地裏が網の目のように広がっていた。
退廃的な影が落ちる路地裏の片隅に、一体の存在が佇んでいた。
頭部は、滑らかな球体。
人の目があるべき場所には、ぽっかりと暗いふたつの空洞が穿たれている。
あちこちに包帯のような布を巻きつけ、簡素な服を纏ったその体は、人でもアンドロイドでもない。何者にもなれなかった不良品——不完全な『人形』。
その人形の名は、ノワール。
思考の読めないふたつの空洞で、今日もただ静かに、シグマ・コアの無機質な街並みを見つめていた。心を求めて、彷徨うように。
そこへ、一人の男が足音を殺して現れた。
長めのコートを羽織り、深く帽子をかぶった学者、クチキだった。
「……誰?」
ノワールは静かに首を傾げた。空洞の奥から、かすかな問いが漏れる。
「……私はクチキだ。君は人形の『ノワール』だね?」
それは、終わりの始まりでもあった。
「私を……知っているの?」
「ああ。ずっと君を探していた」
クチキがコートのポケットに手を伸ばした、その時だった。
頭上から、羽虫が羽ばたくような不快な高周波音が路地裏の狭い空に降り注ぐ。
影を撒き散らしながら降下してきたのは、黒い金属の多脚円盤——シグマ・コアの自律型監視ドローン**『アイリス-09』**だった。
ギィン、と機体が駆動音を立て、中央の光学レンズが不気味な赤い光を放つ。
『警告。未登録個体および指定警戒人物を検知。治安維持法第12条に基づき照会を開始する』
冷たい合成音声が狭い路地裏に響き渡り、アイリス-09から照射された赤いスキャン光線が、ノワールの球体の頭部と、クチキの姿を逃さず舐めるように照らし出した。
『対象:不完全個体「ノワール」。処理ステータス:廃棄対象。直ちに停止せよ』
「チッ……アイリスの目をごまかすのは、一筋縄じゃいかないか」
クチキは苦々しく呟くと、迷わずノワールの華奢な手首を掴んだ。
包帯越しに伝わるその感触は、驚くほど冷たく、そして儚いほどに軽かった。
「走れるか、ノワール?」
「走る……? なぜ……?」
「あのアイリス-09に捕まれば、君は『解体・廃棄』、私は『再教育』だ。……心を求めるなら、まずはここから生きて出なけりゃ話にならない!」
赤く染まる路地裏を蹴って、二人は走り出した。
頭上でアイリス-09の赤いレンズが急角度でふたりを追い、警告音が路地裏の壁に反響する。
シグマ・コアの完璧な統制の隙間から、世界を揺るがす二人の旅が、いま幕を開けたのだった。