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#ご本人関係×
非常階段へと続く非常扉から青い顔をして出て来たのは俺の気になる人。
最近少し元気がない気がしていたから心配していた。
それが仕事の所為なのかプライベートな悩みなのか分からないまま、笑顔が一番魅力的なはずの翔太は困ったように笑った。その笑顔は気のせいか幾分くすんで見える。
「あべちゃん…」
「こんなところにいたの。そろそろ集合時間だよ」
「わかってる。ちょっと頭痛くて…」
「大丈夫?」
「ん、、、へいき」
「翔太?」
翔太の口が何か言いたそうに開いたのを俺は見逃さなかった。
それでも翔太は苦しそうに顔を歪めて、無理に笑う。
「あべちゃん。先行ってて。すぐ行くから」
「ホントに大丈夫?」
「…っ!!大丈夫だって!しつこいなぁ笑」
翔太に背中を押されて、後ろ髪を引かれるような思いで俺はその場を後にした。
ーーーー
少し時間が遡る。
「ほら、翔太。これ、土産」
「ん、、、ありがと」
目の前でふっかが翔太にお土産を渡す。
プライベートで照と沖縄へ行ったらしいことは、数日前の二人の会話から知っていた。それを聞いた翔太の目線が少し陰っていたことを今更ながら思い出す。
しかし、ふっかは少し浮かれているのか、そんな翔太の様子には気づかず、さっさと次の康二の方へと向かって行く。
翔太は貰った土産を、自分のバッグに無造作に突っ込むと、小さく息を吐いてから、気配を消して何気なく楽屋を出て行った。
そんな翔太を目で追う。
夫婦、夫婦と長年揶揄されてきたシンメのコンビの関係性に変化があったように感じたのは、この日のちょっとした違和感からだった。 二人の距離感が旅行に行く以前より、かなり親密に感じたのだ。
それからまた二、三日後、当のいわふかに呼ばれみんなで集まり、感情をあまり表に出さないように努める照と、照れ臭さを隠そうとしないふっかによって、メンバーだけに二人の交際が正式に発表された。
「んー、まぁ、なんだ、俺たちは変わんねぇから」
「もちろん俺たちのことでグループには迷惑かけない。約束する」
ふっかの柔らかい表情と、照にしては珍しく緊張したような対比が印象的な祝福の輪の中、俺の胸にはほんの少しの陰が差していた。
翔太を想って。
ーーーー
いつから翔太のことを好きになったのか、そんなことは分からなかった。
ただ自覚して、前へ進もうと考え始めたのはごく最近のこと。
変わらない関係性がいつまでも続くだろうという確信めいた予感の中で、このままでいいのかという葛藤が生まれたのは、皮肉なことにいわふかが付き合いだしたおかげだった。
いわふかを見て、翔太が苦しそうにする。
翔太が悲しんでいることが悲しかった。
我慢していることが苦しかった。
照が?
ふっかが?
どちらかわからないけれど、翔太の胸の中にいるどちらかが本当に羨ましく、正直、憎かった。
ーーーー
「にゃはは。照、よかったな!」
「ん、、、まぁ。てか、佐久間、酔ってる?」
顔を真っ赤にして、3杯目のビールをあおる佐久間は、ひときわデカい声で照を祝福すると、満面の笑みでその広い背中を叩く。
ある日のグループ仕事の後、いわふかを囲んでみんなで祝杯を上げることになって、珍しく9人が揃った。
普段は飲まないメンバーも、お祝いだからと全員がアルコールを口にした。俺はうまいこと翔太の隣に陣取って、その顔色を窺う。
「翔太、あんまり無理しない方がいいよ」
「んぅ?無理って、何がぁ?」
すっかり赤らんだ顔でへらへらと嘯く翔太が、見ていてとても痛々しいけれど、隠しているつもりの恋心には触れない。
「あべちゃん、うるさいよ」
それでも何かと世話を焼き続けていると、翔太は、一瞬、潤んだような目つきで俺を睨みつけ、2杯目のレモンサワーを持ち上げ、一気にそれをあおった。
「ふー、酒がうまい」
「そんなに飲んで、帰れるの?」
「タクるから、へーきへーき」
翔太は白い肌を真っ赤にして、熱い体を仰ぐように手のひらをひらひらさせた。そのどれもが綺麗で、儚くて、優美だった。
そして解散の時。
いわふかは示し合わせたように二人仲良く帰って行き、送ろうとした俺を制して、足元が覚束ない翔太は一人、笑いながらタクシーに乗り込んで去って行った。
「元気ないね、しょっぴー」
めめの静かな、しかし、確信めいたような言葉に耳を奪われる。
「……………」
「じゃ、俺、こっちだから」
「あ、うん、お疲れ」
その時のめめの言葉の意味も、意図も、俺にはまるでわかっていなかった。
コメント
7件
🖤💙の予感…🤔
これは、、!💙ぴに救いが……?!
