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グリルタ
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第23話読みました!カンナの父親が「これが初めてでもなけりゃ一度や二度でもねえ」って笑ってるところ、親子の信頼関係が見えてグッときた。そして晶子が「カンナ!」って泣きながら抱きつくシーンはもうね、ずっと我慢してたものが溢れ出た感じで胸熱でした。逃げるのやめて内部進学を決めた晶子の成長、ちゃんとカンナの強さに触発されたんだなって納得。両親たちの慌てぶりも含めて、あたたかい話でした!🔥
晶子がカンナを自宅に連れ帰ると、晶子の両親は大騒ぎになった。母親は救急箱を取り出し、カンナの手当を始めた。晶子はバスルームからお湯を入れた洗面器を運び、濡らしたタオルでカンナの顔の血を拭き取った。
晶子の父親はカンナの自宅に電話をかけた。状況を説明し、救急車を呼ぶべきかどうか相談しているようだった。受話器を置くとカンナに言った。
「カンナちゃん、とりあえずお父さんがこちらへ来てくれるそうだ」
カンナの手当が一通り終わった頃、壁のインターホンが鳴った。マンションのエントランスにいるカンナの父親の顔がモニターに映り、晶子の父親が迎えに行った。
玄関のドアが開き、口ひげが特徴的なカンナの父親がリビングに入って来た。彼は晶子の母親にぺこりと頭を下げて言った。
「すいませんね、奥さん。うちの娘がご面倒かけちまったようで」
「とんでもありません!」
晶子の母親は大声を上げた。
「うちの晶子のせいで、大事なお嬢さんにケガをさせてしまって、お詫びのしようもありません」
床に正座して晶子の母親は深々と頭を下げた。後からリビングに入って来た晶子の父親も、床にひざをついて頭を下げた。
「本当に申し訳ありません! お嬢さんの治療費は、私どもが責任を持って負担させていただきますので」
「いやいや、そんなにかしこまらねえで下さいよ」
カンナの父親は笑ってさえいた。ソファに座っているカンナの側に立つ。
「どこやったんだ。傷口見せてみろ」
カンナが額に張ってあるガーゼをずらして見せる。数秒顔を近づけて見つめたカンナの父親はむしろ安心したように声を上げた。
「ああ、これなら大したこたねえ。晶子ちゃんもお二人も心配しないで下さいよ。こいつがこの程度の傷作って来た事なんて、これが初めてでもなけりゃ、一度や二度でもねえんですよ。それより、カンナ」
そう言う父親にカンナが視線を上げて訊く。
「何だよ、父ちゃん」
「晶子ちゃんは無事だったのか? その、いろんな意味でだ。ほれ、年頃の女の子だから、そういうアレとかよ」
「ああ、指一本触れさせちゃいねえよ。晶子はあたいのあこがれのお嬢様なんだかんな」
「そうか、守ったんだな。よし、それでこそ俺の娘だ。よくやった!」
「カンナ!」
突然晶子が大声を上げて泣き出し、カンナに抱きついた。カンナに告げたい事は山ほどあった。なのに、一つも言葉にならなかった。晶子はカンナの名を呼び続けながら、カンナに抱きついてしばらく泣きじゃくっていた。
「なんだよ、晶子。泣くことねえだろ。こんなケガすぐ治るって」
「だって、だって、カンナ、カンナ、カンナ!」
晶子が落ち着いたところで、カンナは父親に連れられて帰って行った。二人を見送り、リビングに戻ったところで、晶子は両親に突然言った。
「お父さん、お母さん、あたしやっぱり今の学校で内部進学する。このまま高等部に行く」
両親は目を見合わせてきょとんとして顔になった。父親が慎重な口調で訊く。
「そりゃ、そうして欲しいが。晶子はそれでいいんだな?」
晶子がうなずく。母親がそれでも不安だという口調でさらに訊く。
「気が変わったって事? 後悔しないよね?」
晶子はまたうなずいて、こう言葉を続けた。
「カンナ見てて思った。あたし結局、目の前のつらい事から逃げようとしてただけだったんだなって」