テラーノベル
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「って、顔真っ赤ですよ!ホントに大丈夫ですか!?」
「えへへ…じぇんじぇん、平気よぉ……」
「いやいや!全然平気じゃない顔してますって……っ!」
「なんれ!?も~!佐藤くんは、心配性なんだからぁ~」
「ほら言ったじゃないですか!お酒弱いのに、俺なんかのために無茶して……!」
「こーはいのこと、まもるのは…しぇんぱいの役目なの!私は全然へーきだからさぁ……」
「あーーーーもうっ!とにかく水、水飲んでください!」
「ふふっ、佐藤くんの慌ててる顔、おもしろ~い……」
「……楽しんでるのは先輩だけです!って先輩、聞いてます!?先輩……!」
さすがにキャパシティを超えて無理をしすぎたのだろう。
佐藤くんの声がだんだんと遠くなり、急速に強烈な眠気が襲ってきた。
瞼が鉛のように重くなっていく。
「なんか…急に、眠くなっちゃった、かも…」
抗うことのできない意識の闇に引っ張られ、私はそのまま座卓の上へと倒れ込んだ。
「え!?ちょっ、先輩、しっかりしてください!!先輩っ!」
最後に聞こえたのは、私の肩を必死に揺する
佐藤くんの焦燥に駆られた声だった。
◆◇◆◇
「───ん、──ちゃん」
(……ん?誰かが、私を呼んでる……?)
「ねえ、さっちゃんってば。起きて」
耳元で、低くて心地よい声が響いている。
肩を揺さぶられている感覚に、私は重い瞼をゆっくりと押し上げた。
ぼやけた視界が少しずつ焦点を結び、そこに映し出されたのは───
「…か、叶人、くん……?」
すぐ至近距離で、酷く心配そうな
そしてどこか冷徹な光を孕んだ瞳で私を見下ろしている叶人くんの顔だった。
「起きた…大丈夫?気分は悪くない?」
「あれ?私、どうして…ここ、どこ……?」
辺りを見回すと、いつの間にか居酒屋の座敷の照明は落とされ、静まり返っている。
「王様ゲームの途中で、無理して飲んで、そのまま倒れて寝ちゃったんだよ。覚えてない?」
「…えっ!?う…ごめん……っ。みんなは?」
「もう全員帰ったよ。残ってるのは、俺とさっちゃんだけ」
「…うそっ!?いま何時!?終電は!?」
自分の大失態に血の気が引き、慌てて飛び起きようとした瞬間
激しい目眩が襲って世界がクラリと反転した。
「っと、危ない。急に動いちゃダメだって」
倒れそうになった私の身体を、強い力で受け止めてくれたのは
驚くほど温かくて、大きい頑丈な腕だった。
気付けば私は、彼の広い胸の中にすっぽりと抱き寄せられている。
「少し落ち着いてから帰ろう。ね?」
「…ぅ、うん、ありがと……」
抱きしめられたまま動けずにいると
叶人くんは呆れたような眼差しで私を見つめてきた。
「それにしても、王様ゲームであんな無茶な飲み方するなんて、本当にさっちゃんらしいね」
#TL
瀬名 紫陽花
14,533
#BL
多 動 症 .
30
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