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#🐢投稿
エイムねこ@Cat🍅💚
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みどりいろと忘夢
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クマみす
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朝
「…………」
俺はベッドの上で、ぼんやりと天井を見ていた。
今日は日曜日。
大学はないし、バイトも昼からだ。
つまり、あと二時間くらいは寝ていられる。
「……最高」
そう呟いて、もう一度目を閉じようとした。
「らだお」
「…」
「らだお」
「……んー?」
「起きて」
「あと五分……」
「腹減った」
「…」
目を開けた。
「お前、それ起こす理由として定着させるつもり?」
「うん」
「やめて?」
ベッドの横には、みどりが立っていた。
いつも通り、
……のはずだった。
「…………?」
俺はみどりを見つめる。
「お前さ」
「ン?」
「なんか……元気なくない?」
「……ホント?」
「うん」
いつもなら朝から「腹減った」と騒いでいる。なのに今日は、妙に大人しい。
「……腹減った?」
「ちょっと」
「ちょっと!?」
俺は思わず起き上がった。
「お前が『ちょっと』って言うの、初めて聞いたぞ」
「そう?」
「そうだよ」
みどりは小さくくしゃみをした。
「くしゅん」
「…」
「…」
「風邪?」
「分からない」
俺はみどりの額に手を当てた。
「熱……は分からんな」
そもそもドラゴンの平熱なんて知らない。
「どうしよう」
「どうしようって……」
俺はスマホを見る。
検索する。
『ドラゴン 風邪』
当然、まともな情報は出てこなかった。
「役に立たねぇ……」
「病院?」
「……それも無理だろ」
受付で、
「このドラゴン、風邪っぽいんです」
なんて言えるわけがない。
俺はしばらく考えた。
「……とりあえず、今日は休んどけ」
「うん」
「飯、食えそう?」
「……肉なら」
「病人が肉を要求するな」
「食べたい」
「元気じゃねぇか」
昼
みどりはソファで寝ていた。
俺はその隣でスマホをいじっている。
「…………」
静かだ。
いつもならテレビやゲームの音。
「腹減った」の無限ループ。
それが今日はない。
「……なんか変な感じだな」
俺はみどりを見る。
小さな身体が、静かに上下している。
すると、みどりの身体から、ほんの少しだけ光が漏れた。
「…………?」
緑色の淡い光が一瞬だけ、身体の周りを包む。
「……今の何?」
みどりは眠ったまま。
光はすぐに消えた。
「…」
俺は黙ってみどりを見つめた。
気のせいだったのかもしれない。
そう思うことにした。
夕方
コンコン。
玄関をノックする音がした。
「ん?」
俺がドアを開ける。
「よ」
「恭也」
「お、らだ男。暇?」
「いや、今ちょっと――」
恭也が部屋の中を覗く。
「……みどりは?」
「寝てます」
「寝てんの?」
「今日ちょっと具合悪いみたいで」
「マジで?」
恭也が靴を脱ぐ。
「大丈夫か?」
「たぶん」
恭也はみどりのそばに座る。
「おーい、みどり」
「…」
「寝てるか」
「うん」
「珍しいな」
「ですよね」
恭也は少し考える。
「……何か食わせたん?」
「肉」
「病人に?」
「本人が要求したんで」
「それはもう元気じゃん」
「俺もそう思った」
すると。
「……う」
みどりが目を開けた。
「恭也」
「おう」
「ゲーム」
「今日は休みな」
「…………」
「なんで悲しそうなんだよ」
夜
みどりはすっかり元気になっていた。
「腹減った」
「復活したな」
「肉」
「お前なぁ……」
俺は冷蔵庫を開ける。
「今日は特別な」
肉を取り出す。
「やった」
みどりが嬉しそうに笑う。
その様子を見て、俺も少し安心した。
「……よかった」
「なにが?」
「いや、なんでもない」
「らだお」
「ん?」
「ありがとう」
「…」
「心配してくれた?」
「……まあ」
「嬉しい」
「…」
なんとなく気恥ずかしくなって、俺は目を逸らした。
「ほら、食え」
「うん」
みどりが肉を食べ始める。
「……うまい」
「そうか」
「うん」
いつもの光景。いつもの会話。
だけど、俺は今日、見てしまった。
あの光。
あれは一体なんだったのか。
聞こうと思った。
けれど。
「らだお」
「ん?」
「明日も肉?」
「明日は普通の飯」
「…………」
「なんでそんな顔するんだよ」
「肉がいい」
「却下」
「…」
「その顔やめろ」
「肉」
「しつこい!!」
結局。
俺は何も聞けなかった。
――そしてその夜。
俺が眠ったあと。
みどりは一人、窓の外を見ていた。
「…………」
月明かりが、緑色の身体を照らす。
その瞳に、一瞬だけ――
淡い光が宿った。
「……ここ、どこだっけ」
小さな声が、部屋の中に消える。
「…………」
みどりは首を傾げた。
そして。
「まあ、いいか」
布団に潜り込む。
「明日も肉あるかな」
コメント
1件
第7話、読んだよ!みどりが風邪ひいて静かだと、ほんとに「いつもと違う」感じが伝わってきてちょっと切なかったな。でも「肉なら食べたい」って言い出すところでらしさ全開で笑った(笑) 恭也が来て安心感出るのもいいね。そしてラストの「ここ、どこだっけ」…あの淡い光も含めて、みどりの謎が気になりすぎる。次回が待ち遠しいです🔥