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あ、、、
あしたあさってとうこうふかなかのうせいたかいんで、
にわ投稿しちゃいます!
朝のホームルームが終わると、教室はいつもの騒がしさに戻った。
椅子の音、笑い声、ページをめくる音。
いるまは机に肘をついて、窓の外を見ていた。
空はすっかり明るくなっている。
ぼーっとしていると、隣の席から声がした。
「なあ、いるま。」
「……なに。」
顔を向けると、そこにはやっぱり らん がいた。
朝からずっと元気な顔。
「今日さ、放課後ヒマ?」
いきなりの質問。
いるまは少しだけ眉をひそめた。
「別に。」
「じゃあさ、一緒に帰んね?」
軽い調子で言う。
まるで、前からそうしていたみたいに。
いるまは一瞬だけ言葉に詰まった。
(なんで俺と…)
普通、らんみたいなタイプは
もっと明るいやつらと一緒に帰る。
わざわざ、いるまを誘う理由が分からない。
「……なんで。」
思ったまま聞いた。
らんは一瞬きょとんとしたあと、笑った。
「なんでって?」
「いや…」
「友だちじゃん。」
あっさりした答えだった。
その言葉に、いるまは少しだけ黙る。
友だち。
その言葉は、どこか遠い感じがした。
(俺と、友だち…?)
でも否定するのも、変な気がした。
「……別にいいけど。」
小さく言う。
すると、らんの顔がぱっと明るくなった。
「よっしゃ!」
その反応に、いるまは少しだけ驚いた。
(そんな喜ぶことかよ…)
授業はあっという間に過ぎていった。
でも、いるまは少しだけ落ち着かなかった。
放課後。
誰かと一緒に帰るなんて、久しぶりだったからだ。
チャイムが鳴る。
「終わったー!」
「帰ろ!」
教室が一気に動き出す。
その中で、らんはすぐに立ち上がった。
「いるま、帰るぞ!」
「……声でか。」
小さく言いながら、鞄を持つ。
二人は一緒に教室を出た。
廊下には帰る生徒たちがたくさんいる。
階段を降りながら、らんが話しかけてきた。
「いるまってさ。」
「ん?」
「放課後いつも何してんの?」
「別に。」
「家帰るだけ?」
「……まあ。」
らんは少しだけ考える顔をした。
「そっか。」
そして、少し笑う。
「じゃあ今日からは、たまに一緒に帰ろうぜ。」
その言葉に、いるまは少しだけ足を止めた。
「……なんでそんなに。」
「ん?」
「俺と話したがるわけ。」
らんは一瞬黙った。
それから、少しだけ困ったように笑う。
「なんとなく。」
「は?」
「なんかさ。」
らんは前を見ながら言った。
「いるま、放っとけない感じするんだよ。」
その言葉に、いるまの胸が小さく揺れた。
(放っとけない…?)
そんなふうに言われたことは、ほとんどない。
むしろ逆だった。
「近づくな」
「面倒くさい」
そう言われることのほうが多かった。
だから——
らんの言葉は、少し不思議だった。
校門を出る。
夕方の空はオレンジ色に染まっていた。
しばらく二人で歩く。
沈黙。
でも、不思議と気まずくはなかった。
すると、らんがふと思い出したように言った。
「あ、そうだ。」
「?」
「あとで電話していい?」
「は?」
「ちょっと相談したいことあって。」
「……俺に?」
「うん。」
らんは軽く笑った。
「俺の友だちにさ、いるまのこと話したら、めっちゃ気になってたんだよ。」
その言葉に、いるまは少し驚く。
「……なんで。」
「さあ?」
らんは肩をすくめた。
「でもさ、いいやつらなんだ。」
そう言って、少しだけ真剣な顔になる。
「いつか紹介するよ。」
その言葉を聞きながら、いるまは夕焼けの空を見上げた。
(友だち…増えるとか、ないだろ。)
そう思っていた。
そのときは、まだ。
この出会いが——
自分の世界を大きく変えるなんて、思ってもいなかった。