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西川side
『・・・よし!いってきまーす!』 ガチャ
お母さん「頑張ってねー」
(うー・・・朝だから風が冷たいなー)
(でも日はあったかい!)
雀のさえずりと暖かい朝日が私を包む。誰もいない景色が綺麗で心地いい。
(早起き苦手だけど、この景色は好き!)
私は小走りで学校に向かった。
『ん!日向ー!おはよ!』
日向「おー!西川!おはよう!!」
(朝から元気すぎるー・・・!)
『早いねー、!朝練?』
日向「そー!田中さんに鍵もらった!!」
体育館に着くと、扉の前に鍵を指している日向がたっていた。ちょっと嬉しい。
『じゃーレシーブ練習付き合おうか?』
日向「まじ?!ありがと!!」
明るく笑いながら体育館に入っていく日向に追いついて後ろから呼び止める。
『日向!』 日向「ん?」
『今日は練習試合、頑張ろうね!』
日向「おう!絶対勝つ!!」
ニコニコで答える日向。眩しい。
(そう!今日は青葉城西との練習試合!)
(どうやら強いらしいけど・・・)
『・・・うん!絶対勝つ!!』
私は気合を入れて日向の背中を追いかけた。
澤村「全員集合ー!」
「「はーい!」」
澤村わさんに呼びかけられ、体育館の真ん中に集まる。正面には青城の方々。
(ひゃー、あのパーマの人大きい!)
(って、タイミングミスらないように!)
「「「お願いしまーす!!」」」
(ひっ、声が大きい・・・人のこと言えないか)
大きな礼をして散っていく青城の方々を、私はじっと観察する。
『・・・・・・んー、』
(あの人、エースかな。なんとなくだけど)
私は肌が黒くてツンツン黒髪頭の人がエースだと予想した。ムキムキだし。
(それにしてもみんな大きい・・・)
すると一人の人と目が合う。
(わ、あの人も大きい・・・!1年生かな?)
センター分けの眠そうな顔の人。少しの間眺められたかと思うとこちらに寄ってくる。
??「こんちは。」
『え、え?!こ、こんにちは、??』
??「マネージャーさんですか?」
『あ、はい!一応・・・』
近くに来るとより大きく見えるその人のジャージを見ると、そこには国見と書いていた。
『・・・く、国見さんですか?』
『あっすみません!気持ち悪いですね!💦』
焦っていると国見さんはくすっと笑う。
国見「いや、嬉しい。」
国見「1年生ですよね?俺も1年です。」
『そ、そうなんですね!』
『どうかしたんですか、?!』
国見「あー・・・特に何も無いんだけど、仲良くして欲しいなーって」
『ん?も、もちろんいいですけど・・・』
国見「ていうかタメにしようよ。」
『わ、分かった!』
国見「あとで連絡先交換して欲しい。」
『ん、うん!いいよー!』
(いや全然いいけど!!要る?!?!)
『今日は頑張ろうね!敵だけど!』
国見「うん。笑 かっこいいとこ見せるね。」
そう言ってなんか髪がすごい人の元へ歩いていった国見さん。
(なんか、勢いが凄かったけど・・・)
(も、モテそうだなー今の人!)
(顔も綺麗だし!背高いし!絶対モテる!)
久しぶりに面白い人と会ったと余韻に浸りながら、私も烏野の方へ戻った。
(練習試合後に飛びます)
疲れた体を癒すべく、体育館を出て直ぐにあるベンチに座っている私。
するとさっきの国見さんが話しかけてきた。
国見「お疲れ様。」
『ん!国見さんこそおつかれー!』
国見「烏野、強いね。10番とか」
『でしょ!あの子は強いよ!』
『なんたって私が育ててますからー!』
国見「ふーん笑 ゆりさんバレーやるの?」
『や、やる!なんで名前・・・』
国見「中学の頃の知り合いに聞いた。ゆりさん随分好かれてんね。笑」
『そ、そうかな・・・?いい人だとは思うけど』
国見「まあ、俺が貰うから。」
『? どういう?』 国見「いや。なんでも」
案外話しやすい感じではあるけど、考えていることがよく分からない国見さん。
国見「あ、連絡先、交換してよ。」
『あ、うん!・・・はいどうぞ!』
国見「はいどうも。」
(いやほんとに・・・要る??私の連絡先)
そんなことを考えていると、国見さんが私の顔を見ていることに気づく。
『・・・?何かついてる、?!』
国見「いや?これから仲良くしてね。」
国見「今度遊び行こ。」
『おっけー!楽しみにしてる!』
国見「ん。笑」
そう言って国見さんとはお別れし、体育館に戻ろうと入ると何かにぶつかってしまった。
??「ん!」 『ぶべっ!』
(ななにこれ、?!大きな壁?!)
見上げるとそこには青城のエースの人となんか今日途中から来てた人。
『わっ!すすすすみません!!』
『そ、それでは!!』
(たた他校の人にぶつかってしまった・・・)
焦った私は急いで謝り逃げようとするが、後ろから腕を掴まれた。
(ん・・・?殺される・・・??)
ジャージに書いてあるのは岩泉と及川。
及川「ちょっと待って!」
及川「烏野のマネージャーの子だよね?」
『え、あはい・・・』
及川「かわいいね〜!連絡先とか交換してくれない?」
『・・・え、連絡先ですか、??』
(・・・やばい、チャラ男に捕まってしまった)
及川「こんなかわいい子がいるならもっと早くこればよかったなー」
『え、あの、えと・・・』 岩泉「おいクソ川」
絵に書いたようなチャラ男に混乱していると、隣の人が口を開く。
岩泉「怖がってんだ、やめろ。」
岩泉「すまん、いきなり怖いよな。守ってやるからこっち来い。」
そう言って反対側から私の腕を引く。
(え・・・これどういう状況ですか?!?!)
高身長男子に両側から取り合われる状況は初めてで、より混乱する。
及川「ちょっと岩ちゃん?!嫉妬ですか?!」
岩泉「うるせぇクソ及川」
『え、えと?れ、連絡先交換すればこの状況解けますか、??』
及川「え!交換してくれるのー?♡」
『ま、まあ・・・はい』
ウキウキでスマホを出す及川さんを見て、岩泉さんもスマホを出す。
(な、なぜ隣の人も出してるの、?!)
岩泉「1年生、だよな?」
『は、はい!西川と申します!』
岩泉「ん、西川。こいつはろくな奴じゃねぇから、いざって時は俺に助け呼べよ。」
そう言ってスマホを差し出された。
(れ、連絡先・・・交換していいってことかな)
(いや別に求めてはなのだけど・・・)
『あ、ありがとうございます、!』
(・・・でもまあ、こっちの人は優しそう?)
意外と怖そうな見た目の人が優しく、軽く驚いていると後ろから声がした。
月島「ちょっと西川、何してんの。」
『あ!月島くん!えーと今ね・・・』
月島「いや、やっぱ説明しなくていい。大体分かったから。」
私の言葉を止め間に入る月島くん。
月島「・・・ナンパですか?やめてください。」
声も低いし、きっと怖い顔してる。
及川「は?いや違うけど?!」
岩泉「いやナンパの類いだろ」
(あ、ナンパだったのか・・・)
月島「あなた方3年生ですよね。こんなことして恥ずかしくないんですか?」
(ていうかまずい、なんかまずい、)
『あの、つき』
及川「はあ?!だからナンパじゃ・・・」
『つっ、月島くん!!』
私は勘違いを止めようと思いのほか大きな声を出してしまった。
月島「・・・びっくりした、なに」
『ご、ごめん!』
『でもナンパとかじゃなくて・・・いやナンパかもしれないけど!』
『わ、私無理やりされてないから、!』
しどろもどろになりながら真実を伝えると、月島くんは普通の顔に戻る。
月島「・・・あっそ。なら良いけど。」
そう言うと踵を返して私の腰に手を当てた。
(・・・え?なに??)
月島「じゃ、すみませんでした。さよなら。」
及川「ちょっ、おい!」
月島「何ぼーっとしてんの。行くよ」
月島くんは及川さんを無視しそのままスタスタと歩き始めて結構進んだところで止まる。
『あの、月島くん・・・?』
月島「君、そんな簡単に連絡先渡す人?」
『え、えーと』
月島「何でもいいけど、警戒心ぐらいは持った方がいいじゃない?」
月島「心配させないでよ」
(し、心配してくれてたんだ・・・優しい)
『は、はい・・・すみませんでした・・・』
ちょっとバカにしているような感じもするが、きっと注意してくれているのだろう。
(なんだかんだ優しいんだよなー・・・)
体育館に戻ろうと歩き出す月島くんを後ろから呼び止める。
『月島くん!ありがと!』
月島「・・・ん」
『えへへー!』月島「迷わないでよね」
『さすがに迷いません!!』
なんだか今日は前よりもっと月島くんと仲良くなれた感じがして、嬉しかった。
終わり.