これは私がみんなとお別れするまでのお話。
私は親に愛されたことが無かった。
こう言うと絶対に「虐待されてたの??」と聞かれる。
別に虐待をされていた訳では無い、 むしろ怪我なんかしたらすぐに手当をしてくれた。
それに毎日ご飯も作ってくれた。
だけど他の子みたいに褒められたことは1度もない。
母からはテストで100点を取っても「喋りかけないで」と冷たくあしらわれ挙げ句の果てには「あんたなんか見た目がいいから育ててあげただけ、一度も娘と思ったことは無いから」と言われた。
あの人から見たら私はただの人形でただ見た目がいいから自慢するために育てられた子。
父はそもそも家に帰ってこない。
父は社長をしており忙しく海外を転々としている。
それをいいことに母は顔のいい男を見つけては懐に入り体の関係にする。
そんな毎日に慣れた頃母親が急に「事務所に入ってアイドルになれ」と言い出した。
この人は何を言っているんだと思った。
その時母の顔を見たらすごく嬉しそうだった。
あぁ〜この人は“アイドルの母親“という肩書きが欲しいだけなんだ。
ここで嫌だと否定すれば母の機嫌が悪くなる。
だから私はアイドルになることに決めた。
レッスン室に入った時に思ったことは、私以外みんな男。
そしてみんな私を見ている。
その目は私の見た目に対して惚れている目だ。
でも1人だけ違う目をしてる子が居た。
まさか後にあの子と同じグループになり、デビューすることになるとは誰も予測していなかっただろう。
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