悪ノ娘┊︎運命
⚠初心者
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しばらくの間、静寂の間が過ぎる。
「では、失礼します。」
「待て!アレン!」
またも私の言葉を無視した。
それにしても、なぜアレンは私とあんなに似ているのだろうが。
前々から少し思っていた。
目の色も、髪色も、声も私とそっくりだ。
そして、あの後ろ姿。
ドレスを着たら私のようになるんじゃないかと思うくらい。
・・・
「おはようございます。リリアンヌ様」
「おはよう。ネイ」
今朝もアレンは姿を見せなかった。
どこを探してもいない。
『アレンは私とよく似ている』
…!
だったら“あの場所”にいるかもしれない。
アレンside
やはりここは落ち着く。
それに、隠れやすい。
今朝王宮を抜け出したのに、夕方になった今も王宮の者が誰も来ない。
もっとも、『ただの召使いだから』という理由なのかもしれないが。
…おなかすいた。
さみしい。
リリアンヌに会いたい。
どうして、隠さなきゃいけないの?
どうして、親しくしちゃダメなの?
誰か教えてよ…
〈アレーン!!
遠くから聞こえる僕を探しているであろう大好きな人の声。
返事をしようと思ったが、流石にあんなことをしたんだ、できるはずがない。
〈待ってろ!今行く!
リリアンヌ…やっぱり君がいると心強い。
民衆達からしたら、ただの悪逆非道で傲慢な彼女も、僕からしたらたった1人の心強くて、優しい家族。
だから、君を守る、その為ならば、僕は悪にだってなれるんだ。
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