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三文小説
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#Snow Man
桃紫 さく🌸
10,209
(渡辺視点)
「………モエモエキュン…」
「翔太!お前、カタコトになってんじゃねぇか!!笑」
佐久間に後ろから叩かれる。
俺は最初からこんなことする気なかったし、こうやって表に立ってやってるだけありがたいと思えよ。
それに、客たちはこんなところが可愛いって思うんじゃねぇの?
だって、俺が可愛いことは知ってるし。
「阿部ちゃん早くこないかな〜?」
「お前こそ、さっきからそればっかじゃん」
「え〜?ちゃんと仕事はしてるじゃん!ほら、美味しくなる魔法をかけますよ〜!それでは一緒に、萌え萌えきゅ〜ん♡」
「キッツ!!!」
「これが仕事だろ!?」
佐久間はなんでこんなノリノリなわけ?
高校3年生の男子だぞ?羞恥心とかねぇの?
……って思ったけど、佐久間以外の男もみんなノリノリじゃねぇかよ!?
え?待って、このテンションについていけてないのって俺だけ?
それに……
「………」
やっぱり、来ないのか…
いやいや!俺的にはこんな恥ずかしい格好見られたくないし!!!
それに、また何言われるかわかんないし…
「……翔太?」
「なんでもねぇよ」
佐久間に顔を覗き込まれる。
こいつ、感情の変化とかに敏感なんだよな。
さっきまで俺のことからかってたくせに、急にマジな目になる。
結構長く一緒にいるけど、その瞬間だけはやっぱり慣れねぇな。
「あんま言いたくないんだけどさ……もしかして、涼太?」
「……っ…」
やっぱ、佐久間には敵わねぇのかな。
涼太、見回りでもいいからここに来て欲しいって思っちゃう。
でも、また周りの連中から何か言われるかもしんねぇよな…
せっかく、あの噂も薄まってきたってのに…
「俺はな〜んも言えないけどさ、あんま気にしすぎんなよ」
「……わかってるよ」
気にしすぎるっていうのは、涼太のことなのか、噂のことなのか…
ほんと、言葉の濁し方もうまいな。
『ねえ、あの2人、知ってる?』
『渡辺くんと宮舘くんでしょ?』
『あの2人、いつも一緒にいるよね』
『同じ風紀委員だしね』
『なんか怪しいよな?』
『こっそり授業抜けて、保健室行ってるとか…』
『やば…もしかして、できてるんじゃない?w』
『え?男同士でってこと?やばぁ…』
『他にもさ……』
「………」
頭を軽く振る。
こんな噂、もう無くなったものだろ。
風紀委員だってやめた。
学校の中で涼太と一緒に過ごすのもやめた。
一緒に登下校も周りに人がいない場所だけ。
それで、噂は薄まってんだ…
これで、いいんだろ?
これが正しい選択なんだろ?
周りの目なんて気にするななんて言うけど、それができる奴こそ少数派だろ。
周りに何を言われようが好きなことを貫け?それが将来役に立つ?
ふざけんなよ、そんなわけねぇだろ。
今苦しいってのに、なんでそんな思いのまま続けなくちゃいけないんだよ。
そんな思いするくらいだったら、やめた方がマシだろ。
俺は、常に正しいものを選ぶ。
自分自身が、苦しくならないように…行き辛くならないように。
それが、俺の生き方だ。
(阿部視点)
「男女逆転メイドカフェ……?」
佐久間のクラス、こんなことしてるの…?
来てみたはいいけど、想像以上のクラス企画だなぁ…
ということは、佐久間はメイド服着てるってこと?
うーん……確かに似合いそうだけど、どうなんだろう?
今は空いてるみたいで、列に並ばずに教室に入れた。
ラッキーだな、なんて思いながら教室に入ってったら…
「……!?か、会長!?」
「ちょ、生徒会長来たんだけど!!」
「え!?マジで!?」
「笑顔の貴公子きちゃったんだけど!!!!」
わ〜、先輩たちからのすごい歓声だ〜
笑顔の貴公子って……初めてそんな呼び方聞いたんだけど。
えっと…佐久間は……ん?いない?
キョロキョロ見渡しても、佐久間の目立つピンク髪が見当たらないな…
一体どこに…
「……おかえりなさいませー!!ご主人様ー!!!!」
「うわあああ!!!」
後ろからすごい勢いで突っ込まれる。
振り返ったら、予想通り、メイド姿の佐久間がいて…
「待ってたよ〜!!」
満面の笑顔で俺のことを見上げてた。
「も〜…お客様に突っ込むメイドさんなんてどこにいるの?」
「にゃっはは〜!阿部ちゃんがやっときたからついね〜」
呆れたように笑いながら、改めて佐久間を見る。
……想像以上にメイド服が似合うな。
それに、さっきから佐久間の褒めて褒めての視線がすごいなぁ、笑
耳と尻尾が生えてたら、きっとぶんぶん振ってるんだろうな。
う〜ん……なんて言ってあげようかな?
「想像以上に可愛くてびっくりしてる。すごい似合ってるよ」
「……んふふふ!でっしょ〜!?」
すごい喜んでくれたみたい。
「じゃあ、ご主人様は何頼みますか?」
「メイドさんのおすすめで!」
「は〜い!では、俺のとびっきりのおすすめ持ってきまぁす!!」
席も、佐久間が空けといてくれたみたいで、すぐに座れた。
そのことについて佐久間に少しだけ注意したら…
『で、でもでも!!人も少なかったし!すぐに阿部ちゃんのことおもてなししたかったの!』
って…
一応心配でクラスの人にも聞いてみたら、人のピークも過ぎてたらしくて、席1つ空けても問題なかったらしいね。
「お待たせしました!!“阿部ちゃん専用・佐久間の愛情ホイップマシマシパフェ“!!!」
「おー!すごいのが来たね〜」
そんな時間もかからずに来たのは、その名の通り、ホイップがたくさん乗った大きなパフェ。
「あと、これもね〜!」
「ん!ミルクティーだね」
セットで差し出されたのは、ミルクティー。
「阿部ちゃん、紅茶好きだったよね?」
「うん。ありがとう」
じゃあ、この後は…
「ではでは、ご主人様!魔法のお時間です!」
やっぱり、これこそメイドカフェだよね!
「まずは私佐久間が魔法をかけますね!」
そう言って佐久間は、パフェの上でハートを作る。
「美味しくな〜れ、萌え萌えきゅん♡」
わ〜、可愛いな。
「続いて、ご主人様も一緒に魔法をかけましょう!」
「はーい」
俺も、佐久間と一緒にハートを作って、
「「美味しくな〜れ、萌え萌えきゅん♡」」
佐久間と一緒に魔法をかける。
「あはっ!揃った!」
「こんな綺麗に揃うとはね!」
俺らは顔を見合わせて笑う。
そのまんま佐久間は客の呼び込みに戻る。
俺も、ちょっとゆっくりしてったから見回りに戻ろうかな。
「……ん!美味しい」
パフェに口をつけて、その味に感動する。
土台は別の先輩が作ったんだろうけど、この上にマシマシに乗ったホイップは佐久間なんだろうな。
「ふふ」
必死にホイップを絞ってる佐久間を想像すると、自然と笑みが溢れた。
(佐久間視点)
昔から、人と話すことが苦手だった。
家族であろうとクラスメイトであろうと、所詮みんな他人でしかないから。
俺が何かを思ってても、それを完璧に理解できる人なんていなくて…
だったら話しても無意味だなって思ってた。
そんな気難しい性格なのもあるし、誰とも関わんないようにしてたから、友達なんてできなくて。
その上、特別勉強ができるわけでも運動ができるわけでもない。
どこにでもいる普通の一般人。
アニメで言うなら、モブにもなれないキャラクター。
それが昔の俺。
誰とも関わりたくなかったし、話したくもなかった。
そんなことしなくても、人は生きていけるんだもん。
そんな俺の唯一の楽しみ。
それがアニメだった。
現実ではあり得ないことがバンバン起こって、主人公はかっこよくて、可愛くて…
どのキャラクターも、みんなキラキラしてて魅力的で…
俺にはそれが眩しくて、大好きだった。
俺はオタク気質だから、ハマるとこまでハマりまくってたな。
貯めたお金なんて、使う友達もいない俺は、とにかく好きなキャラクターのグッズに使って、好きなものに囲まれてる俺が俺は大好きで…
好きなことを全力で楽しんでることが、俺の生きてる証だった。
そんな俺を変えた出会いは……中2の時だったかなぁ?
オンラインゲームで知り合った、唯一俺のことを理解してくれた。
顔も本名も年齢も知らないのに、俺らはすごい仲良くなった。
部屋の扉を開けて外に目を向けたあの日。
あの出会いが、そんな俺を変えてくれた。
「佐久間くん!こっちもお願いできる!?」
「は〜い!!佐久間、いっきまーす!」
また人のピークがきたな。
あー、そろそろお昼の時間か。
んっと、あぁ!!阿部ちゃん、いつの間にか帰ってる!!!!
お見送りできなかった〜!!
(向井視点)
「……ぁ…」
また、別の方に行ってもうた…
シフトが終わって抜ける時、なんか一言言った方がいいよな…?
でも、みんな忙しそうやし、ど、どないしよ…
だ、誰か話しかけられそうな人……
「あれ?向井くん、あがり?」
「は、はひっ!?」
あかん、失礼な反応してもうた。
せっかく話しかけてくれたのに…!!
き、気分悪くしとらんかな?
恐る恐る、話しかけてくれたこの顔を見る。
クラスメイトの、人魚の仮装をした女の子は特に表情を変えずに立ってた。
よかった…怒ってるわけではなさそうやな…
「そ、そうです…えっと、その……」
うあああ……言葉が1つも出てこない…!!
「シフト終わったんだったら、どこか回ってきていいよ?」
「あ、ありがとう……ございます……」
結局最後は小さい声になって、女の子もすぐにどこかに行ってもうた。
不審そうな顔、しとったかな…
気分が少し下がりながら、俺は隣のクラスを見る。
目黒くんとラウールくんのお化け屋敷……
なんか、外装からめっちゃ怖そうやん。
1人で入るの、心細いんやけど…
「きゃー!!!!!!」
「こっち来んなよー!!!!!」
「いやーーー!!!!!!!!!??」
………悲鳴、めっちゃ聞こえるんやけど…
これ、めっちゃ怖いやつやん!?
俺1人は無理やって!!!!
「……君、1人?」
「ひああああ!!?」
後ろから、唐突に声をかけられる。
だ、誰や!?
まさか、教室の外にもお化けが……?
恐る恐る、後ろを振り返る。
「………え?」
その姿に、俺は思わず固まった。
この人、風紀委員の宮舘先輩…!?
な、なんで風紀委員の先輩が…!?
え?俺に話しかけとるん?あの宮舘先輩が…?
頭の中が混乱しとる!!
一体どう言うことや!?
それに、佐久間先輩たちといい、最近3年生の先輩に話しかけられ過ぎちゃう!?
「……君、向井くん、だったりするかな?」
「え?」
な、なんで名前知っとるん!?
ほんま、え?ちょっと待ってや!!
どう言うことなん!?
み、宮舘先輩に、俺の存在が認知されとんの!?
「……やっぱり、この子が翔太たちと一緒に…ボソッ」
「へ?あの、今…?」
「いや、なんでもないよ。ごめんね、急に話しかけて」
何か小さい声で言って、笑顔のままどこかに行こうとする宮舘先輩……
あ……行ってしもうた…
なんだったんやろ…?
俺の名前……
「次のお客様どうぞ〜」
「………え?」
周りを見ても、誰もいない……
……俺?
「楽しんで言ってくださいね〜」
「え?あ、まっ…!!!」
いつの間にか俺は列に並んでたらしく、強制お化け屋敷参加……
「……ひっきゃああああああああああああっっっ!!!!??」
これ、ほんまにあかんやつや……
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うっあ、そっかぁ、、そうだょね、、ゅり組、複雑だよね、、 みんな過去に縛られちゃって、不穏な空気だ、、 で、でもでも .ᐟ .ᐟ ぁべさくの特大な萌きゅん聞けたときもう口角飛びました( 最後の康二くんの叫び声、がちでありそうで笑ってしまった、、笑 毎日かな .ᐣ 更新ありがとうございます .ᐟ これからも頑張ってください𐔌՞・·・՞𐦯ฅ
ああ、第10話読み終えたよ。文化祭のメイドカフェ、めっちゃ盛り上がってるね!佐久間のノリノリっぷりと渡辺の内心の葛藤の対比がすごくリアルで、特に「噂」を気にして涼太から距離を置こうとする渡辺の苦さが胸に刺さったよ。でも阿部が来たシーンはほっこりしたし、最後に向井が宮舘先輩に話しかけられてるのも気になる!次が楽しみだね。