これはある1人の子供が
第1話
mb)なぁちぐさ!遊ぼーぜ!
tg)お、遊ぼ!何する?
mb)うーん、サッカー?
tg)お、やろーぜ!俺幼稚園から小3まで習ってたからな!絶対勝つぞ!
mb)な!負けてたまるかぁ!
小4まで、俺は女だが男と遊んでいた。
親友も、趣味嗜好も、友達も、男だった。
俺はこの学校が、大好きだった。
常にクラスの中心で、クラスを引っ張って。
なのに小5になると同時に転校。
親友とは離れてしまった。
転校して、俺は変わった。
昔の俺とは比べ物にならないくらいに。
女と絡み、男を避け、角にいる。
そんな小物になった。
俺が苦しみ始めたのは小6の春。
周りとのズレが気になってきた。
みんな周りは可愛いものが好き。
俺と周りは話が合わない。
成長するにつれて何かが違う気がしていた。
同じ話題を持つのに必死だった。
nt)ねぇ、ちぐさ、この人知ってる?
小6の春、友達のなつが何かを進めてきた。
tg)ん?知らないわ
なんか見たことはある気がした。
でも全く知らなかった。
nt)え、知らない!?マジで人生損してるわ…
tg)え、そんなに!?
tg)どんな人なの?
友達のなつがそんなに好きなものなんて、興味が湧かないわけがなかった。
nt)すとぷり!
満面の笑みでこちらを見つめるなつ。
tg)すとぷり?名前は聞いたことあるわ…
どんな人達かは知らないけど、俺の好きだったアニメの主題歌歌ってる人達だった。
nt)え、見てみ?マジでおもろいから
tg)わかった!
なつとの共通の話題ができるチャンス!
そんなことしか俺は頭になかった。
tg)すとぷり、ねぇ…
母はすとぷりが好きではなかった。
Vオタの母はあの件ですとぷりを嫌っていた。
そんな所に生まれた俺は歌い手とは無縁だったのだ。
tg)見てみるかぁ
母の居ないタイミングでYu〇Tubeを開く。
cl)やっぱね、家具には金かけるべき!
rn)wwwwwww
rt)ちょ、ころちゃんwwww
tg)wwwwww
俺は無意識に爆笑していた。
tg)やば、好きかも…w
気づけばドップリハマっていた。
そして小6の8月。
俺は初めて
『莉犬』
という人のチャンネルを開いた。
すとぷり見て、可愛く、推しになったのだ。
俺は、莉犬くんの過去に触れた。
心の奥が震える感覚。
何かが、動いた感覚。
初めてこんな気持ちになった気がした。
気づけば俺は歌い手に憧れていた。
歌も、イラストも、何も出来ない。
俺は歌い手の才能全くがなかった。
莉犬君のようにアニメで活動したい。
なのに物語も書けない。
歌とゲームも好き…
俺は全てに全力を注ぐことを決めた。
俺は、男性歌い手になる。
俺は小6の頃、そう決意した。
この違和感や苦しみはおかしくないって気づいた。
俺は少し、光を見ることができた気がする。
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コメント
6件
なんこの作品めっちゃ最高!!!! なんでこんなにも作品を書くのが思いつくん???もうなんでなn((( 続きも楽しみにしてるよ🫶🩵✨