テラーノベル
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空なんか見なかった 。
空なんて見ていたくなかった 。
生きる理由なんて要らなかった 。
裏切られたくなかった 。
愛されたいと思っていた 。
信じたいと願っていた 。
それでも
私の心はいつも 平行線を辿って行く 。
気持ちとは真反対の
交わることのない線に沿ってゆく。
だから
僕はまだ生かされているんだ 。
空を見る理由がなかった 。
綺麗なまま写真に撮れないから
直ぐに忘れてしまうから
綺麗すぎて怖いから
理由は五万とあるのに 。
空を見る度に
太陽の眩しさに
月の模様の美しさに
空の雄大さに
心を惹かれていたのもまた事実 。
どうすれば時が止まるんだろう 。
本気でそう願った 。
どうすれば 貴方みたいに
なれるんだろう 。
何度も何度も 悩んでは
馬鹿らしい考えに涙を落とした 。
『 ほんとに泣きそう 』
君なら信じることが出来た 。
「 なんで 」
私に信じる勇気がないのに
君に信じてもらえるわけがなかった 。
だから 信じてみよう 。
明日 、 また明日 、
ちゃんと 、 信じてみよう 。
なにを ?
なにを 信じるの ?
あれだけ 裏切られて
嫌になって 自分を殺し続けて
そんな日々の後になにを信じるの ?
なになら信じられるの ?
どうすれば この世界で
普通に息が出来るようになるの ?
早く大人になってしまいたい 。
時間が戻れば 、
こんなに馬鹿なことしなかった ?
ハイボールで掠れた声で 、 なんて
夢見たことばっかりほざいて 。
私は何がしたいんだ 。
早く 、 早く
自分のために時間を使え 。
自分のしたいように時間を使え 。
捻った手首がずっと痛くても
膝にできた痣がずっと治らなくても
慣れない視界に目がチクチクしても
罵られても バカにされても
ちゃんと 、 生きろ 。
比べてしんどくなるくらいなら
世界のことなんて見なくていい 。
わざわざ目を向けなくていい 。
その代わり 、
ちゃんと 自分に目を向けるんだ 。
都合のいい事だけを受け入れ続けて
ちょっぴり 泣いてみて
都合の悪いことに目を向けてみて
ちょっぴり 泣かされてみて
それから 、 人生を語るんだ 。
きっと 夢を叶えるんだ 。
色んな人を救うんだ 。
たくさんの人を助けるんだ 。
10数年の夢を叶えるんだ 。
諦めろと言われた夢も叶えるんだ 。
たくさん本を書いて
有名になってやるんだ 。
赤に光るサイレンを鳴らしながら
きっと 、 人を助けるんだ 。
褒めてよ 。
撫でてよ 。
ずっと願ってても
叶わないことばっかり 。
助けて 。
聞いて 。
喉につっかえて出てこない言葉ばかり 。
つまらないことばかり 、
言葉に表して 君に向けてみる 。
それでも 君が愛してくれるなら
こんな僕を心の隅に置いてくれるなら
まだ 、 生きられるのかな 。
ありがとう
生きる理由をくれて 。
ありがとう
死ぬ理由を忘れさせてくれて 。
ありがとう
僕のことを好きだと言ってくれて
夢を褒めて 、 肯定してくれて
ありがとう 。
コメント
1件
〈赤に光るサイレンを鳴らしながらきっと人を助けるんだ〉っていう文章は2つの解釈ができるよね。将来の夢が警察官でいろんな人を助けたいっていう解釈と好きに生きすぎて人を助けたいけど世の理に触れてしまうから警察官に捕まってしまうという解釈。両方さいこーだね。