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主な登場人物
主人公:ウクライナ(ウクラ)
他:ベラルーシ(ベラ)
タジキスタン(タジ)
僕はリビングで少し甘めのコーヒーを飲む。…ふと、廊下の方から誰かが踏ん張っている声が聞こえる。飲みかけのコーヒーを置いて声のする方に向かうと、ベラがダンボールを運んでいた。見たところすり足で少しずつ動いており、顔が少しこわばっている。相当重いのだろう。
ウクラ(…無理してるなぁ…。こういうときは確か…)
ベラ「!?」
ベラの持っている段ボールの反対側を無言で持つ。
ウクラ(!?…これ、かなり重い…。誰か頼りなよ…)
でも、それはベラにとっては難しい。ベラは自己肯定感が低いから。一人で抱え込んでしまうから。だからこそ頼れない。そういう時は無言で手伝う。そうしたら素直に手伝わせてくれるから。
ウクラ「ここに置くの?」
ベラ「…うん」
ドスン…と鈍い音。置くときに、ベラが指を挟んでしまわないように注意して下ろす。
ウクラ(指、挟んでなさそうだ)
運ぶものはこれだけだったみたいでベラは軽く休憩を挟んでいた。ベラは今は大丈夫そうなので置きっぱなしにしていたコーヒーを飲みに戻る。と、
ベラ「…ありがと」
ウクラ「どういたしまして」
振り返りそう返して、改めてリビングへと戻った。
ベラ(…ずるい)
リビングに戻るとタジを見つけた。
ウクラ(…タジだ。なんか沈んでるな)
見ると、いつもキルの近くにいるのに今はタジ一人で、リビングの端で膝を抱え座っていた。
ウクラ(そういえば…前もこんな事があったな…。こんな時は…)
僕は自分のコーヒーを温め直しながらマグカップをもう一つ用意する。
ウクラ(自分のはできた。タジは確か…ブラックにミルク少しだっけ)
僕は自分の分ともう一つ、マグカップを持ってタジのほうに向かう。
ウクラ「一緒に飲も」
タジ用に作ったコーヒーを渡す。タジは少し驚きながらも受け取ってくれた。僕は少し離れた、それでもタジの隣に腰を下ろす。…沈黙が続く。タジはコーヒーを見つめるだけで口をつけない。僕は気にせず飲みながら言った。
ウクラ「キルは元気…笑顔だったよ。さっき庭で楽しんでいたから」
コーヒーを飲み終えてカップを直す。タジにその言葉が効いたのか、コーヒーと僕を交互に見たあとに少し戸惑ってからコーヒーを少しずつ飲む。
…タジがこうなったときはキルの様子を話してから一人にする。これ以上干渉しない。それが一番いい。タジも少しは安心したのか部屋の空気がほんの少し柔らかくなる。外ではキルやアル、ジョーの笑い声が聞こえる。
ウクラ(…大丈夫そうだ)
今日も平和に一日が動いている