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続き
瑠璃人「よし!雨花!オレと水泳競走しようぜ!」
雨花「別に良いよん〜」
雨花は瑠璃人に誘われて、水泳をすることにした。瑠璃人は準備体操をしてやる気満々である。
桃時「無謀としか言いようがないけど……」
橙「誰が勝つか想像つきますね」
兎白「分からないぞ。勝負は最後まで分からないって言うだろ?」
桃時「まぁ確かに」
橙「瑠璃人さん!応援してますよ!」
瑠璃人「おう!」
雨花と瑠璃人もそれぞれ位置に着いた。
瑠璃人「あそこの海の家の近くまで泳ぐぞ!雨花!手抜くなよ!」
雨花「はいはい」
瑠璃人「じゃあ桃時!スタートって言ってくれ!」
桃時「じゃあ位置に着いて……よーいスタート!」
ジャポン!
瑠璃人は懸命にクロールで泳いでいく。
桃時「あら?雨花まだスタートしてないわよ?」
橙「ずっと顔だけ水面から出して、じっとしてますね……?」
兎白「一体何してるんだ?」
雨花はじっと水中で動かずにいる。
瑠璃人「(何だ?あいつ手加減してるのか?!手抜くなって言ったのに!?それでもやめる訳にはいかない!)」
瑠璃人はスピードを上げて泳ぎ続ける。
兎白「もう少しで瑠璃人ゴールに着くぞ?」
橙「雨花さーん!!何してるんですかーー?」
桃時「早く泳がないと負け……」
バッッッッシャーーーーン!!!!
橙・桃時・兎白「!?」
次の瞬間、四方八方に水しぶきと水柱が立ち、一瞬雨が降ったかのような大量の水が、海から跳ね上がった。そして……
桃時「ゴールにいるのって……」
橙「雨花さんですね……」
兎白「水しぶきが起こって十秒ぐらいしか経ってないのに、もうあんな遠い場所まで移動したのか?すごいな」
雨花と瑠璃人が戻ってきた。瑠璃人は泣きながらしくしくと、雨花は特に何ともない顔で。
瑠璃人「また負けた……とほほ……」
雨花「でも、瑠璃くんはわたしが動かなくても油断せず泳ぎ続けたんだから。わたしから言われても嬉しくないかもしれないけどすごいと想うよ」
橙「そうですよ。瑠璃人さんとってもかっこよかったですよ!」
瑠璃人「そ、そうか?////なら良いんだけどよ」
桃時「それにしても、雨花。あんたどうやって十秒でゴールまで行ったの?」
兎白「確かに気になるな」
雨花「え?別に下に珊瑚があったから、それを蹴っただけだよ?全身の力を抜いて、足だけに力を入れて蹴ったの。だからわたし泳ぎらしい泳ぎはしてないんだよね」
瑠璃人「そもそも水泳じゃねぇじゃねぇか」
雨花「水の中で移動してるんだから水泳じゃないとはっきりは言えないんじゃない?」
雨花は鼻を伸ばして屁理屈を捏ねている。
瑠璃人「くっそぉぉ!また負けた!!」
兎白「まぁとりあえず勝負はこれでおしまいだな」
桃時「じゃあ次はバレーボールでもやる?」
橙「良いですね!やりましょう!」
その後、雨花たちはバレーボールや砂浜遊びなと海の遊びを行った。
橙「そろそろお腹が空いてきましたね」
桃時「じゃああそこの海の家で何か買いに行きましょ」
瑠璃人「オレかき氷にしようかな〜」
兎白「俺は焼きそばが良いな」
雨花「兎白くんと瑠璃くんは食べたいもの決めてるんだね。わたしも決めなきゃ」
雨花たちは海の家に向かった。
雨花「すみませーん。とりあえずメニュー表を……って。おぉマジか」
橙「え?!」
桃時「何であんたがここにいるの?!」
兎白「少し久しぶりですね」
瑠璃人「まさかここで会えるなんて……」
「「紅蓮先生」」
雨花たちが海の家に入ると、「紅蓮先生」がいたのだった。
紅蓮「おぉ!雨花さんたち!海エンジョイしてるか?」
兎白「焼きそば置いてますか?」
紅蓮「あぁ置いてあるぞ!」
橙「いやいや話すことそれじゃないでしょ!」
桃時「あんた本当に何でもやってるのね……」
瑠璃人「オレかき氷!」
雨花「わたしもかき氷!あっチョコ味なんてあるんだ!じゃあチョコ味で!」
橙「だからツッコむところそこじゃないでしょうに!」
桃時「残念だけど、紅蓮先生はいつもおかしいから教師が海の家で働いてるって言うコーヒーを炭酸で割るみたいな組み合わせじゃあ誰も驚かないのよ」
雨花「例えが全然分からないですよ」
瑠璃人「早く席着こうぜ!」
兎白「そうだな」
雨花「……ん?これって」
桃時「行くわよ雨花」
雨花「はぁーい」
雨花たちは席に着いた。
橙「じゃあ私はカレーライスで、お願いします」
桃時「アタシはラーメンで」
紅蓮「はぁーい!少々お待ちを〜」
瑠璃人「……紅蓮先生が作るんだろうか……」
雨花「そうなんじゃない?」
兎白「何か心配なのか?」
桃時「どうなのかしら……」
橙「何だか心配ですね……」
数分後
紅蓮「はーいお待ち!」
雨花「美味しそうな匂いがする!」
兎白「美味そうだな」
瑠璃人「普通に大丈夫そうだな」
橙「良かったです……ふぅ」
桃時「アタシのラーメンも無事ね」
雨花「ていうか紅蓮先生、喫茶店が実家なんだからお料理は得意とは言わずともできなくはないんじゃない?」
橙・桃時・瑠璃人「あ」
紅蓮「失礼だな〜特に橙さんと桃時さんは俺の料理雨花さんと一緒に食べに来たことあったじゃねぇか」
橙「すみません。あまりにもいつもの奇行が激しすぎて……」
桃時「そうよね。紅蓮先生は奇行だけが取り柄じゃないものね!」
橙・桃時「はははははははははは」
紅蓮「何だその乾いた笑い声は?!?!」
雨花「まぁまぁ早く食べよ!」
瑠璃人「いっただきます!」
兎白「いただきます」
雨花たちは食事を楽しんだ。
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桃時「ふぅ〜食べた食べた」
橙「とても美味しかったですね!」
兎白「焼きそばの紅しょうがも美味しかったな」
瑠璃人「かき氷もキーンと来たけど美味かったす」
橙、桃時、兎白、瑠璃人が歩いていると……
桃時「あれ?そういえば雨花は?」
橙「いませんね……」
瑠璃人「なぁ二人とも……」
桃時「とりあえず元来た道を戻って……」
瑠璃人「おいなぁ……」
橙「雨花さん迷子でしょうか」
瑠璃人「おい……」
桃時「何よ!!」
瑠璃人「前みろ前」
橙・桃時「え?」
橙たちの目の前には能面を付けた”何か”がいた。
橙「きゃああああ!!!!」
桃時「な、何よ……?あれ」
瑠璃人「何だお前!」
兎白「いやどうみても雨……」
能面は、海風に揺れて静かに立っていた。そして……
橙「ヒィィィ追いかけてきますよ!!」
桃時「何あいつ不審者!?!?」
瑠璃人「何なんだ何なんだ!!」
兎白「面白いこと考えるなぁ。雨花」
能面を被っている”何か”……雨花は、橙、桃時、瑠璃人を追いかけ回した。
それを静かに笑いながらみ守る兎白。
「くぁw背drftgyふじこlp;@:」「やばいやばいやばいやばい」「勘弁してくれぇぇ!!やめろぉぉ!!!!」
雨花はひたすら無言で追いかけ回したという。
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雨花「……ん?これって」
桃時「行くわよ雨花」
雨花「はぁーい」
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雨花たちは帰り支度をしながら話す。
雨花「この時発見して後から買ったんだよ」
桃時「ていうか回想短っ!」
橙「なんでそんなもん売ってるんですか!?」
雨花「紅蓮先生が売ってたよ」
桃時「何で能面なんて持ってんのよ」
瑠璃人「いやぁ……びっくりした」
兎白「俺は面白かった」
紅蓮「俺が売った能面で追いかけ回されてるお前ら……ひぃぃ!めっちゃ面白かった!腹抱えて笑っちまったよ……ひゃはは!」
桃時「まぁ結果的には面白かったわね」
橙「まぁ……ふふっ」
瑠璃人「良い想い出にはなったかな」
雨花「じゃあ帰ろう!」
雨花たちの海への想い出は熱を帯びて綺麗に煌めいていた。