テラーノベル
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セミが静かに鳴いている。太陽は眩しく光っているーー
「眩しい…。」
その一言が自然と口からこぼれた。
窓際の席の私、三上夏目(みかみなつめ)は今日も浮いている。
分厚いめがね、伸ばしっぱなしの髪、そばかす。The地味子って感じの見た目の私。
周りには陽キャがたくさん。特に望月さんはあの枠で一番輝いている。アイドル級に可愛い顔、モデルみたいにスタイルがいいし、やんちゃ男子も望月さんに怒られるとすぐに静まる。
(ダサくて、周りの子に注意どころか喋りかけることもできない。そんな私とは正反対…。)
「…次、移動教室か。」
はぁ…。落ち込む。自分でも、変わらなきゃってわかってる。でも…どうすれば…。
ドンッー
「…っ!ごめんなさい…!」
誰かとぶつかった。散らばった教科書を拾い集め、即座に謝った。
「前見て歩けよっ!うわっ陰キャの三上!最悪〜。」
…最悪なのはこっちだよ。問題児のやんちゃ男子、橋本くんとぶつかってしまったなんて…!
「三上だって、あの子地味だよね〜。」「橋本くんかわいそー…。」
ざわざわするみんなを見て傷ついた私に追い打ちをかけるように
「望月とは正反対w!大体、前髪切れば?顔なんてよく見えないじゃん。」
橋本くんが私の前髪に触れようとした瞬間ー
「あんただって前見てなかったクセになにえらそーにしてんの?」
誰かが橋本くんの手に蹴りを入れた。
「も、望月さん!?」
〘2話に続く〙
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