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Σ(・□・;)ビクビクソワソワ
昼。
シェアハウスのリビング。
らんとみことがゲームをしている。
「よし勝った!」
「うわ、また負けた」
すちはソファでスマホを見ている。
こさめはキッチンで飲み物を作っていた。
いるまは窓の近くに立っている。
そのとき。
玄関のドアが開く。
ガチャ
入ってきたのは、なつ。
服が少し汚れている。
ゆうがすぐに気づく。
「……どこ行ってた」
なつは普通の顔で言う。
「ちょっと外」
でも。
腕に少し傷がある。
ゆうの目が鋭くなる。
「それ」
なつは袖で隠す。
「たいしたことない」
らんが聞く。
「ケンカ?」
なつが肩をすくめる。
「まあ」
軽い声。
でも。
ゆうは立ち上がる。
「なんで行った」
なつが少しイラッとする。
「別にいいだろ」
ゆうは言う。
「昨日あんなことあったばっかだぞ」
なつの目が少し暗くなる。
「だからだろ」
リビングが静かになる。
なつが続ける。
「弱いままじゃいられない」
ゆうが言葉を失う。
なつは笑う。
でもその笑いは少し壊れている。
「助けられる側とか」
「ださい」
その言葉。
ゆうの胸に刺さる。
「なつ」
ゆうが言う。
「それ違う」
なつがゆうを見る。
ゆうは真剣な目。
「助けられることは弱さじゃない」
少し間。
なつが小さく笑う。
「優しいな」
でも。
その目は冷たい。
「お前は」
「助けられなかったくせに」
その言葉。
ゆうの体が固まる。
過去。
すちのこと。
静かな空気。
なつは少し後悔した顔をする。
でも。
もう止まらない。
「……悪い」
小さく言う。
「でも」
「俺は弱くなりたくない」
そう言って。
なつは自分の部屋へ行く。
ドアが閉まる。
バタン
リビングは静まり返る。
すちが小さく言う。
「……あれ」
らんが答える。
「無理してるな」
ゆうは何も言えない。
ただ。
なつの部屋のドアを見ていた。
その頃。
キッチン。
こさめが静かにコップを洗っている。
いるまが隣に来る。
「こさめ」
こさめが振り向く。
「なに?」
いるまは少し迷う。
でも言う。
「さっき」
「転びそうになったとき」
こさめが赤くなる。
「それ今言う!?」
いるまは少し笑う。
「びっくりした」
こさめが小さく笑う。
でも。
すぐに表情が少し曇る。
「なつ」
小さく言う。
「大丈夫かな」
いるまもドアの方を見る。
「……わからない」
でも。
静かに言う。
「でも」
「今は」
こさめを見る。
「俺らが崩れるわけにはいかない」
こさめは少し驚く。
でも。
ゆっくり頷く。
「うん」
二人は並んで立つ。
同じ方向を見る。
でも。
シェアハウスの中で。
少しずつ。
バランスが崩れ始めていた。