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「えっ?」
その刹那、エロお嬢様エロお嬢様の光の巨鳥が吸血公女に当たる寸前に砕け散って消えた。そして吸血公女を拘束していた光の十字架もガラスのように砕け散った。
『なんと四週間目で……エロお嬢様のアカウント停止!? エロお嬢様の作品《スープを覗き込んだら擬人化食品少女の異世界だった》も削除!? よってエロお嬢様失格!』
「ええっ!? そんなのってないですわあああっ!?」
エロお嬢様がさらに何かの強い力で引っ張られるように舞台の照明より上に上昇し、見えなくなると、強烈な閃光と共に光の粒子となって、消え去った。
『なんと吸血公女が押されるも、エロお嬢様の失格で幕を閉じたああっ!』
観客席は寒い空気と共に小さな拍手がわずかに起こった。
「エロお嬢様……エロ描写にこだわりすぎて、まともな勝負もできないとは!」
吸血公女は怒りを露にし、右腕を震わし続ける。
『やはり……私の指摘した部分を修正しなかったという事か……』
教子先生は頭を痛めたようにおでこを押さえ、思わず顔をしかめた。
エレベーター内にワープするように戻って来たエロスの女神アバターは燃え尽きた灰のように白くなっており、頬と腕は痩せこけ、まるで干物のようだった。そんなアバターのリアクション芸よりも、書也は愛がマンケンに取られる可能性を増やしてしまった先輩を思わず睨み、声を上げてしまう。
「何やってんですかエロス先輩!?」
「言わないでくださいまし……私も頑張ったんですのよ……ただ、表紙絵と挿絵にこだわりすぎて、修正が間に合わなかっただけですわ」
「エロスは頑張った。だけど、エロ描写にこだわりすぎて、負けただけ。みんなはいつものエロスだと、笑って水に流してくれるはず……多分」
なんのフォローにもなってない幽美の幽霊アバターの言葉にエロスは散りとなって消えていく。
「はう……」
「大丈夫よ。エロス先輩の負けはわたしが取り返すから!」
サラマンダー娘のアバターの友美は右の拳にぐっと力を入れ、左の掌を叩いた。
「でも、友美の出した短編作品って確か……長編だった確蟹VⅤを短編にした作品だろ? 大丈夫なのか?」
「ええ、わたしだってページ数の調整ぐらいできるわ。それにあんたが見てくれたおかげで、だいぶ良い作品に仕上がったわ」
「本当かよ!? だって俺の批評なんてまともに聞きもしなかっただろ!?」
「そうね。でも、20%ぐらいは参考になったわ」
「ほとんど役に立ってねえじゃねぇか!?」
「とりあえず見てなさい。わたしが成長したってところをね」
エレベーターが開き、サラマンダー娘のアバターの友美は振り向かずに舞台に向かった。その身体と瞳からは炎のエフェクトが揺らめき、まるで闘志を燃やしているようであった。
『初戦で負けてしまったラノケンだが、次の戦いで負けを取り戻せるか? 次のラノケンの次鋒はツンデレだ! 学校新聞の連載小説以外の経歴に特に目立った部分は無いが……そこは努力でカバーするのがツンデレだ!』
舞台で鼠耳のアバターの口姫が手を向けると、スポットライトが灯り、友美のアバターのサラマンダー娘が照らされる。
『マンケンの次鋒の相手はロボ太。同人誌の人気漫画家でもあるロボ太に対し、あまり実績の無いツンデレはやや不利か?』
口姫のアバターが手を向けると、祭防具炉保の小学生ぐらいの背丈の刑事ロボのアバターがスポットライトに照らされる。
八雲瑠月
3,936
『教子先生、ツンデレはネット投稿がほぼ初めてとお聞きしましたが……』
バニーガールのアバターの聞姫が解説席の花魁衣装の教子先生のアバターに質問する。
『部活ではネット小説の投稿を推奨し、その小説を批評する形式はとっているが、ツンデレは機械が苦手で何度か消去してしまったり、小説のアップロードを失敗している事もあってか、ネット小説事態は苦手な人間だ。しかもずさんなデーター管理で、小説のデーターを保存したUSBメモリなどを紛失したり、壊したりする為に過去に印刷した原稿を私の所に持ってくるぐらいだ』
思わずおでこを押さえる教子先生のツンデレの評価に聞姫は思わず呆れ顔になる。
『それは困った問題ですね。では、実際のツンデレの小説はどんな感じなんでしょうか?』
『ツンデレは巨大ロボット、ヒーロー、魔法少女、変身ヒロインなんかの小説も書いたりしているが、設定部分が少し難ありといったところだが、今回の確蟹VⅤはシュールな部分を除けば、設定もしっかりできていて、変身ヒーローでありながら、コミカルな話となっていて、面白かった。人気同人作家でも対抗できる作品となっているだろう』
『今回のツンデレの作品は力作という事ですね。ツンデレには期待したいところだが……ロボ太の作品はどうでしょうか素描先生?』
聞姫の質問に同じく解説席のアルラウネ娘の素描先生が口を開く。
『ロボ太はツンデレとは真逆で、設定が得意の漫画家です。巨大ロボットの設定資料を同人誌で売り出した時には二千部を売り上げた事もあったそうです。しかし、絵や設定だけで、シナリオは得意ではなく、漫画事態もあまり出していない状況です。漫画が面白いかは人によるかと思いますので、ここでは控えさせていただきます』
『なるほど……イラストや設定に特化した漫画という事ですね。なかなか期待できそうだ。さて、口姫。準備の方を頼むぜ!』
『では、バトルスタートだ! まずは一週間目だ! ツンデレとロボ太のバトルエフェクトに注目だ!』
「くく。お前も巨大ロボットが得意なのか? どんなロボットの物語を書く? リアル系か? スーパーロボットか?」
舞台に立つ宇宙刑事風なロボットアバターのロボ太が、サラマンダー娘の友美をあざ笑う。
「生憎、今回は巨大ロボットじゃないわ。変身ヒロインよ」
「変身ヒロイン? 同じ巨大ロボを作品にしてくるかと思ったのに……残残念だよツンデレ。まあ、いいさ。どっちにしろボクの巨大ロボには敵わない。すぐにペチャンコにしてやるよ」
「楽しみにしてるわ人気同人漫画家さん」
くすりと笑うサラマンダー娘アバターの友美にロボ太はすぐに不機嫌になる」
「何が可笑しい! 実績の無い君にボクを笑う資格はない! ボクの漫画の成績を見ろ!」
ロボ太のアバターの左右の腰部分が開き、銃のような物が飛び出したかと思えば、神速でそれを抜き放ち、トリガーを引いていた、二丁の銃からは銃弾ではなく、光線が放たれ、友美のサラマンダー娘の右肩や左足を貫き、鮮血が舞った。