episode2 謎解きの始まり
【🐺視点】※恐らく🐺視点で固定になるので次回から表記無くします。
今日は依頼人が来る日。
ニグさんの知り合いらしいけど、どんな謎が来るのかなぁ…。
考えるだけで胸が高鳴る。
そうだ、折角ならいい紅茶を淹れようか。
扉の開く音がする。
ソファに腰掛けて、紅茶を啜っていた私は立ち上がる。
「お邪魔します…」
依頼人がそう言って入ってくる。
「いらっしゃ…」
クラッカーを手に持っている凸さんの口を塞ぐ。
「ん”っん”ッ…おどみん探偵事務所にようこそお越しくださいました。」
そう咳払いをしてから、1つお辞儀をする。
騒ぐ凸さんをみんなが押さえつける。
「どうぞ、こち…」
そう言いかけた時、後ろから大きな音と共に紙吹雪が散る。
私が振り返ると、凸さんは笑い声を上げる。
「おど…ろくさんww紙が…w髪についてるww」
「ダジャレなのだ?そういうのは滑るから辞めておいた方がいいと思うのだ。」
私は髪や服についた紙を払い落とす。
「…?」
依頼人は明らかに戸惑っている。
凸もり…あの野郎…
そう思っていると、ニグさんが依頼人に近づく。
「ごめんね…?騒がしいけど一旦ソファ座ってー」
そう言いながら依頼人を案内する。
私も依頼人の前に座る。
「えぇ…今回はどのようなご依頼でしょうか?」
「あ、えっと…実は4日程前から僕が飼っている犬が居なくなってしまって…」
「なるほど、ペット探しですね?」
「はい…」
「詳細を詳しくお聞かせください」
「僕が仕事の都合で家を空けることになったので、実家に犬を預けたんです…でも、親が少し買い物に出かけて帰ってきたら家に居なかったんらしいんです…」
まあ…よくある依頼だ。でもその先に何が待っているのか、真相に近づくほど難しくなる。
それが面白いのだが。
私は足を組んで、質問をする。
「その犬は何という名前ですか?」
「オスでリロと言います。」
「犬種や特徴を教えてもらうことは?」
「はい。犬種はコーギーで色は小麦色です。赤色の首輪をつけているはずです」
情報がやや少ないように感じるが、私にかかればこんなの一瞬で解決できる。
「ありがとうございます」
「この依頼しっかりと受けさせていただきます」
「ありがとうございます…!!」
「必ずリロくんを見つけます」
楽しい謎解きの幕開けだ。