テラーノベル
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佐久間side
おれはメンバー共通のスケジュールアプリを開き、心の中でガッツポーズをした。
阿部ちゃんがオフだったからだ。
最近はありがたいことに仕事続きで休みがなかったもので、一緒に過ごせる日が少なく流石に寂しい、阿部ちゃん不足。
「…うーん」
上記の通りおれも阿部ちゃん もオフであり、デートにでも行こうかと考えているうち、早速の休みに阿部ちゃんに突撃するのはどうなんだ?
と思い始めていた。
「やっぱり辞めようかなぁあっ…」
「……会いたい…」
「誰に?」
「阿部ちゃーん…、は!え?!」
「ふふっ」
後ろからヌルッと現れた阿部ちゃんにあわあわしているとクスッと笑われた。
…そういえば付き合って直ぐ合鍵渡したんだった。
冷静になって、阿部ちゃんを睨んだ。
こういうとこずるい、 しかもあざとっ…。
今直ぐにでもあざとい警察を出動させたいところだけど、今は阿部ちゃんを堪能したい。
立ちあがっておれを見下ろしている阿部ちゃんに手を伸ばした。
「阿部ちゃ、ぎゅー」
「はーい」
「にゃふ、会いたかった」
「うん、おれも会いたかった」
─────
「ねぇ阿部ちゃん、もうお昼ご飯食べた?」
「なに、作ってくれんの」
「いや出前、笑」
俺が料理得意じゃないの知ってるでしょー、と2人で笑って、阿部ちゃんのスマホに表示された画面を覗いた。
「ね、これ美味しそうじゃない」
「うぉ、ピザ?!うまそぉ…」
「じゃぁこれにしちゃう?」
「待って待って!まだ見る」
阿部ちゃんからスマホを受け取って、保留のものもいくつか候補として入れていたらすごい量になっていた。
にもかかわらず、後ろで時々声をかけながら見守ってくれる、お母さんのような阿部ちゃんを見て恥ずかしくなった。
「待って…ごめん、阿部ちゃんも選んで」
「いいよいいよ、佐久間の食べたいもの食べよ?」
「優男だわ… 」
お言葉に甘えて、と引き続きスマホと睨めっこしていると、阿部ちゃんが言った。
「もう全部たのみなよ」
「はい?」
「メンバー呼ぼう?笑」
「んへ、賛成!」
にひっと白い歯を見せ微笑んだ阿部ちゃんは、誰かに電話をかけ始めた。
最初に電話を掛けためめは、ラウールと一緒にイチャイチャしながら食べていたみたいで、断られていた。
次に電話した相手は翔太。
いつも涼太の極上の料理を味わっている翔太が出前の飯でいいのかと思ったが、快くOKしてくれたらしく、涼太と一緒に来るようだ。
電話を切ったと同時に、阿部ちゃんはベッドに寝転がった。
「え?!ちょ、阿部ちゃん?」
「はぁああゆり組来ちゃうってばよ」
「あぁ…」
「ゔぁああ尊い」
「にゃは!俺も嫁の新ビジュ公開の時そんな感じ!笑」
ピンポーン。
あっという間にインターホンが鳴り、おれはまだ悶えている阿部ちゃんを横目に玄関へと向かった。
「はいはーい!」
「Snow Eatsです」
「あ、はーい、ありがとうございまーす、!」
「ありがとう佐久間」
「いーえ!」
起き上がった阿部ちゃんは、リビングのテーブルに料理を並べた。
やっぱり結構な量で、 おれらは顔を見合わせ、笑った。
「阿部ー、佐久間ー?お邪魔しまーす」
「まーす…」
「ゔ」
「あ!ごめん阿部ちゃん死んでるけど…いらっしゃい笑」
「え?俺らのせい?」
「うははぁっ、笑」
「えへへっ、起きて阿部ちゃん」
「うーん…」
阿部ちゃんを引っ張り起こして、ゆり組2人には座ってもらった。
テーブルに並べられたご飯を見て目を輝かす2人を見て笑う阿部ちゃんは、完全にオタクの表情だった。
「すげー!これ全部頼んだの?」
「うん、美味しそうなの多くて」
「「いただきまーす」」
4人で談笑しながらご飯を食べた。
久しぶりにゆっくり話すことが出来て楽しい。
でも、阿部ちゃんが見ているのは向かいに座るゆり組2人。
おれがいくら阿部ちゃんに視線を送っても、阿部ちゃんの目は完全にオタクの目で、額に尊いという文字が浮かんでいるようだ。
おれはもごもごと言葉を探した。
2人を睨むおれの視線に気づき、やべっという顔で気まずそうに視線を逸らした涼太。
もう無駄だと感じたおれは、阿部ちゃんの腕を引っ張った。
阿部side
「翔太、あーん」
「はぁ?そんなのいいし…っもごっ、」
「はははっ、可愛い」
「うるせぇ」
尊い。
さっきからなんですか?
イチャイチャしちゃって…えへへぇ、
天国かも。
そんなことを思いながら2人を眺めていると、舘様が何かに気づいたように青くなった。
え?なに?
おれが困惑しつつも視線を動かすことなくゆり組を眺めていると、突然グイッと腕を引かれた。
「え」
「…」
視線を下げると、大きな瞳に涙にうっすらと涙を浮かべた佐久間がおれの腕を抱いていた。
きゅっと唇を噛んでいる佐久間。
「佐久間……ぃ゙っ、」
おれが声を掛けると、おれの腕を抱く佐久間の手に力がこもった。
しん、となる空気。
その沈黙を破ったのは佐久間だった。
おれの耳に顔を寄せて、 聞こえるか聞こえないかくらいの声で。
「寂しかった」
「、ごめん、!」
「…ばか」
服が濡れていくのを感じた。
佐久間がおれの服の裾を掴み、胸に顔を埋めている。
「ごめん、 」
こめかみにキスを落とすと、佐久間の耳が赤くなった。
「なんだよぉ、イチャイチャして」
翔太が声を上げた。
「やってあげようか?ほら、ちゅー」
「は!?うるせぇっ! 」
うん。やっぱゆり組尊いわ。
1番は佐久間だけどね
「好きだよ?佐久間」
「…おれも、阿部ちゃんのことすき」
コメント
6件
めっちゃ好きです … 🙈💗 寝る前に1話だけ見ようと思ったら全話見ちゃいました … 😭 でも見て悔いはなかったです ☺️👍
ゆり組に焼いちゃうんだ🩷かわいー
きゃー!!!😖💞