リドル母の場合
「急に呼び出してごめんなさいね。リドルがオーバーブロットしたそうじゃない。迷惑掛けた様で申し訳ないわ。リドルには再度教育し直しますので」
「……あの、失礼かもしれませんが、リドル先輩のお母さんはリドル先輩の事が大切なんですよね?」
「当たり前じゃない。大切だからこそ厳しくしているのよ。立派な大人になる為にね」
「人の家庭に口出しできる程偉くは無いけれど、これだけは言わせて。確かに厳しくするのは大切だと思います。けれど、限度ってものがある。そんなギチギチに縛って本人は幸せなのでしょうか。リドル先輩言ってましたよ。友達と遊びたい、いちごタルトも食べたかったって。リドル先輩はオーバーブロットする程苦しんだんですよ。」
「それと、私がリドル先輩と出会った頃、リドル先輩が笑っている所を見たこと無かったですよ。」
「っ……!」
「リドル先輩は、オーバーブロットした後から良く笑うようになったんです。まるで何かから解き放たれたみたいに。リドル先輩は自分の為という事が分かっていても、苦しかったんじゃないでしょうか。」
リドルが、私に弱音を言う所なんてあったかしら。リドルが笑っている所なんてあったかしら。リドルが泣いている所なんてあったかしら。……リドルをこんなに心配してくれるお友達なんて居たのかしら。
今まで自分のやってきたことは間違っているのではないか、息子の事を考えずにいたと事実を言われ考え込む。リドルの為にやってきた事がリドルにとっては苦でしか無かった事、私には見えなかった笑顔を友達に見せている事、私の知らないリドルをこの人、ユウが知っている事にリーベはなんて言っていいのか分からず、ただユウの言葉を聞くしか無かった。
「…1度、ちゃんと話し合ってみては如何でしょうか。リドル先輩とちゃんと向き合ってみましょう?」
「……そ、そうね…そうするわ。…私は、ちゃんとリドルの事を見てなかったのね」
「そうですね。丁度リドル先輩が居るようですし。おーいリドルせんぱーい!」
「!?き、気付いてたのかい…?失礼します、お母様」
「え、ええ。」
「「………」」
「えーと…私邪魔な様なので失礼し「ま、待ってくれ!」へ?」
「いや、あの…い、一緒に居てくれないかい…?」
「え、いや、2人っきりで話した方がいいんじゃ…」
「私も…居て欲しいわ。2人きりだと、何を話したらいいか分からないんだもの…ダメかしら…?けれど、私達のゴタゴタに巻き込まれたくないわよね、ごめんなさい」
「っは〜〜顔が良い。じゃなくて、本当に良いんですか?別に私は大丈夫ですけど…」
「!いいわ!ありがとう」
「(オア…顔が良い…可゛愛゛い゛ぃ゙…)分かりました、じゃあ私はここにいますね」
リーベが恐る恐る、という風にリドルに今までの事の謝罪と、そう簡単に許してはくれないだろうが、こんな私だけれどこれからも母親と思ってくれるのか言ったところ、当たり前じゃないか!とリドルが言い、そんなリドルに対してありがとう、と涙をぼろぼろと流しながら言った。そんな感動的な中、ユウはどうしていいか分からず内心であわあわしていた
「あっリドル先輩のお母さん!そんな目ぇ擦ったら腫れますよ!ほら、ハンカチ使って下さい」
「ありがとう…ふふ、泣いたのなんて初めてだわ。けどすっきりしたわ。これからは、ちゃんとした立派な母親になる様に頑張るわ。今までごめんなさいね、リドル」
「……その、お母様は、今でも十分立派なお母様ですよ。」
「ふふ、ありがとう、リドル。」
「…1件落着、かな。リドル先輩とお母さん、良かったですね。私は邪魔者でしょうし失礼しまs「ま、待ってくれ!」うーんデジャブ」
「その、引き止めてすまない…ありがとう、監督生。君はやっぱり凄いな」
「凄くないですよ、リドル先輩の方が凄いです」
「ぼ、僕かい?」
「はい!だって、これまで頑張って来てたんだから偉いじゃないですか。良く頑張りました〜…ってすみません調子乗りました!」
リドルの頭に手を置き、ぽんぽん、なでなでと頭を撫でる。ハッとしてリドルの方を見るユウの視界には、顔を真っ赤にしたリドルがいた。それを怒ったと勘違いしたユウはとして慌てて手を離し謝った。
「い、いや、大丈夫だよ…」
頭から離れた慣れない温もりに、少し寂しそうにしゅんとしたリドルは、少しもじもじして、何かをユウに伝えようとした。そんなリドルの様子を見て、どうしたんですか?と首を傾げながら言うユウ。リドルは意を決して、恥ずかしそうにユウの耳に口を近ずけこう言う。
「も、もう少し、撫でていてくれないかい…?」
ユウは死んだ。何この人本当に先輩か???可愛すぎない????
「私なんかで良ければ良いですよ。でも、お母さんじゃなくて良いんですか?」
「…お母様に甘えた事が無いから分からなくて…でも、今度頼んでみるよ」
「そうですか…ってリドル先輩のお母さんここに居るじゃないですか目の前で何やってんだ私ぃ!!」
「いや、いいのよ、むしろそのままで居て欲しいわ!」
少しくすぐったそうな、けれど嬉しそうな柔らかい表情をしたリドルと、微笑んだ顔のユウ。そんな2人をリーベは手で口を覆い、目をキラキラとさせて見ていた。視線に気付いたユウは手を離していいかどうか分からずあわあわとしていた。そんな平和な時間が過ぎ、気付けば帰る時間になっていた。
(リドルの初恋…!応援するわ…!!)
「また是非来てちょうだいね。ユウさんともっと話したいの」
「良いんですか!?やった!その時はトレイ先輩も連れて来たりしたら楽しくなりそうですね、リドル先輩!」
「うん、そうだね。…じゃあね、お母様。行ってきます」
「…!ええ、行ってらっしゃい」
昔書いたシリーズ第2段( ᐛ )相も変わらず文才なしワロリン
リドルの母親→名前:リーベ・ローズハート
性格:改心前は冷酷、とまでは行かないが少し冷たい人。改心後はキラキラとした可愛い感じのお母様。
*レーベは外国語で愛という意味*
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