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こりん
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#brfr
suzu🎲⭐️🎼⏳🪽🎺
232
✦ ─────── ✦
諦めたい。
そう思うのに。
好きな気持ちは消えてくれない。
忘れようとしても。
離れようとしても。
気付けば視線はいるまを追っていた。
◌ ───── ◌
朝。
大学へ向かう道。
💜「眠ぃ」
🩵「また夜更かし?」
💜「ゲーム」
🩵「子供じゃん」
💜「うるせぇ」
いつも通りの会話。
いつも通りの距離。
だけど。
その”いつも通り”が苦しかった。
💜「そういや」
🩵「ん?」
💜「今日の講義終わったらレポート出さなきゃだった」
🩵「今思い出したの?」
💜「今思い出した」
🩵「馬鹿だ」
💜「助けて」
🩵「嫌です」
💜「頼む」
🩵「仕方ないなぁ」
結局断れない。
昔からずっとそうだった。
💜「やっぱこさ優しいな」
何気ない一言。
だけど。
胸が少しだけ痛む。
🩵(そういうところなんだよなぁ)
優しいのは。
いるまくんの方なのに。
◌ ───── ◌
講義終了後。
💜「終わったー」
🩵「お疲れ」
💜「レポート見せて」
🩵「自分でやれ」
💜「冷たい」
🩵「毎回言ってるでしょ」
💜「こさなら助けてくれるじゃん」
当たり前みたいに言う。
何の迷いもなく。
何の疑問もなく。
💜「こさ?」
🩵「んーん」
笑って誤魔化した。
なつとらんは少し離れた場所からその様子を見ていた。
❤️「なぁ」
🩷「うん」
❤️「本当に気付いてねぇな」
🩷「気付いてたらこんなこと言わないよ」
ため息が零れる。
いるまにとって。
こさめは特別だ。
見ていれば分かる。
だけど。
本人だけが気付いていない。
◌
食堂。
💗「いるま!」
彼女がやって来る。
💜「おう」
💗「一緒食べよ!」
💜「いいよ」
自然に隣へ座る彼女。
楽しそうな二人。
その光景を見ながら。
こさめは視線を落とした。
❤️「こさ」
🩵「なに?」
❤️「今日は帰り暇か」
🩵「暇だけど」
❤️「飯食うぞ」
🩵「また?」
🩷「また」
🩵「過保護だなぁ」
🩷「知ってる」
❤️「今更」
二人が笑う。
その優しさに救われる。
本当に。
何度も。
◌ ───── ◌
放課後。
帰り支度をしていると。
💜「あ」
💜「こさ」
🩵「ん?」
💜「これ」
コンビニの袋を差し出された。
🩵「?」
中を見る。
好きなお菓子だった。
🩵「え」
💜「昨日新作出てたから」
💜「好きそうだなって」
あまりにも自然だった。
だから。
余計に困る。
🩵「……ありがと」
💜「ん」
それだけ。
本当にそれだけ。
だけど。
心臓が痛いくらい跳ねた。
❤️「……」
🩷「……」
近くで見ていた二人は無言だった。
💜「?」
💜「なんだよ」
❤️「別に」
🩷「なんでもない」
本当に。
なんでもないと思っているのは。
きっといるまだけだった。
その時。
💗「いるまー!」
教室の入口から声が響く。
💜「おう」
彼女が手を振っている。
💗「帰ろ!」
💜「今行く」
💜「じゃあな」
🩵「うん」
💜「また明日」
🩵「またね」
並んで歩いていく二人。
自然な距離。
恋人同士の背中。
胸が少しだけ痛んだ。
❤️「行くぞ」
🩵「ん」
🩷「今日はいっぱい食べな」
🩵「なんで?」
❤️「細い」
🩷「痩せた」
🩵「気のせいだって」
笑いながら教室を出る。
◌
ファミレス。
三人で他愛ない話をする。
講義の話。
高校時代の話。
最近見た動画の話。
くだらないことで笑って。
くだらないことで盛り上がる。
そんな時間は嫌いじゃなかった。
❤️「そういや」
🩷「ん?」
❤️「こさ昔から甘い物好きだったよな」
🩵「好きー」
❤️「今日も貰ってたな」
心臓が跳ねる。
🩵「……」
🩷「いるまから」
優しい声だった。
責めるでもなく。
探るでもなく。
ただ事実を言っただけ。
🩵「そうだね」
❤️「好きそうだと思ったんだろ」
🩷「そうだろうね」
二人はそれ以上言わなかった。
言わなくても分かるから。
いるまは無意識だ。
特別扱いしていることに。
全く気付いていない。
そして。
その優しさがこさめを苦しめていることにも。
◌ ───── ◌
夜。
部屋に戻る。
机の上には。
今日もらったお菓子。
袋を開ける。
一口食べる。
甘かった。
🩵(美味しい)
思わず笑う。
そして。
少しだけ泣きたくなった。
🩵(優しいなぁ)
知っている。
いるまは誰にでも優しい。
だから。
特別じゃない。
そう思おうとする。
だけど。
今日のお菓子も。
朝の会話も。
当たり前みたいに頼ってくることも。
全部。
期待してしまう。
🩵(駄目なのに)
期待した先に。
自分の望む未来はない。
分かっている。
ちゃんと。
分かっているのに。
✦
当たり前のように差し出される優しさは。
時々。
残酷なくらい甘かった。
✦
コメント
1件
読ませていただきました。いるまくんの“無自覚な優しさ”が、こさめさんにとっては本当に残酷で甘くて……。「期待してしまう自分が駄目なのに」と泣きたくなる描写に胸がぎゅっとなりました。お菓子を差し出すシーン、何気ないのに特別に見えてしまう切なさが伝わってきます。なつとらんの優しい距離感も好きです。素敵なお話をありがとうございます。