テラーノベル
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3人は、静かな廊下を歩いていた。
道中、メイドは暗い声で聞いてみた。
「…どうしてここに来たんです?」
「…私には…わからないのですが。」
それには、八幡宮が答えた。
「…ウパパロンって人に会いたいんだよね〜。」
「…はぁ、ウパパロン様ですか?」
顔は暗いまま、メイドはため息をついた。
八幡宮は困ったように笑った。
「…そうそう、私と一緒にいる人がなんか言ってくれるんじゃない?」
「…え。」
「…貴方が…?」
少し警戒した様子でメイドはLatteを見た。
_Latteは唾を飲み込んだ。
「………私は…」
一呼吸だけ置いた。
_そして決意したように言った。
「ウパパロンさんと…多分…幼少期から関わってたんです。」
メイドはそれを聞くと、身体を跳ね上がらせて立ち止まり、ゆっくりと、Latteの方を向いた。
メイドの髪がかすかに揺れ、少しの間時が止まったかのように動かなくなる。
「……」
メイドは、何もしていないにも関わらず、突然ほろほろと涙を流し始めた。
Latteは_困惑した表情を見せた。
___
イロニア財閥とイデアリスが手を組んで何年かが経った頃、何となくウパパロンとレイラーが2人きりで食事をする機会があった。
ティーカップがふたつと、スコーンやケーキなどのお菓子がテーブルに並べられた。
レイラーは聞いた。
「…失礼な質問でしたら、申し訳ないのですが…どうしてリィン・システムを、全員が持つべきだと考えているのですか?」
そこでウパパロンは_自身の思想について、語った。
「…私は…タヒというものが憎いとは、前に話しましたよね。」
レイラーは頷いた。
ウパパロンは続けて、ゆっくりと語った。
「…私には、親友がいたんです。」
「…Latteという名前でした。」
「…でも、第2戦争の時…彼女は、タヒに直面して、私の前で血塗れになって倒れていました。」
ウパパロンの言葉に、レイラーは聞いた。
「…うん?タヒんだわけではないんですよね?」
「…その方も皇だったのですか?」
ウパパロンは首を振った。
「いえ。」
「…その方は一般人の方です、今もきっと…そうだと思います。」
「…ふふ。」
スコーンを口にしたのち、ウパパロンはどこか悲しそうに微笑んで、答えを提示した。
「私が…」
左手首を隠す袖を見せるようにまくった。
そこには_手首どころか腕にまで届くほど大きな縦に続く、あまりに拙い縫い痕があった。
レイラーは、驚いた顔をした。
「_え?」
「…もしか、して…」
ウパパロンは軽く息を吸って、言った。
「…私が、渡したんです。」
「…包丁を自分の手首に突き立てて、Latteに…タヒんで欲しくないという一心で、腕を切りました。」
___
_メイドは言った。
「私、ウパパロン様がLatteさんに何をしたのかだけ…偶然聞いてしまったんです。」
Latteと八幡宮は、心底驚いた顔をした。
「…そんな…!?」
「…ならもしかして、レイラーさんの…最大限の気遣いだったのかも…?」
「…ここまでの道は、レイラーさんが教えてくれたし…」
「…きっと、そうだと思います。」
「…そうで、あって欲しいな…」
メイドは、願うようにそう呟いた。
_3人は、ウパパロンの部屋の扉にたどり着く。
Latteの呼吸は、門の前にいた時よりも浅くなっていた。
「…私、大丈夫かな…」
不安を吐露する。
だが、そんなLatteに八幡宮は、優しく手を取ってくれた。
「ここまで歩いてきたんなら、終点の景色は…見た方がいいよ。」
「絶対…大丈夫だから。」
「…はは、医者にも言われた、大丈夫って。」
「また、言われちゃったなぁ…。」
メイドは静かな館に響くその会話を聞き届けると、扉をノックした。
「ウパパロン様!!」
「来客です!!」
_嬉しそうな声だった。
__メイドとは少し話したが、1番と言っていいほど、嬉しそうな声だ。
「…は、入ってください。」
「…失礼します!」
ギィィ、と、扉はゆっくりと開いた。
光がゆっくりと差し込み、ずっと追い続けてきた、影が見えた。
_終点の、景色が。
彼女は、静かに3人を見た。
メイド、八幡宮、そして_Latteを見た。
ゆっくり、ゆっくりと、目を見開いた。
「………ら、て…?」
「…らて、だよね?」
「…うん。」
Latteは涙ぐんでいた。
はっきりとは思い出せない、だが_
その雰囲気は、夢で何度も見た…少女とそっくりだったから。
少女_ウパパロンは、大粒の涙を流していた。
「本当に…?本当に、Latte、なの?」
「…っう、うぅ、ごめん、ごめん、Latte」
「…!ウパパロン、ごめん。」
「…っう、おもい、だせなくてごめ…」
Latteは床に倒れ込んで、ポタポタと涙を流していた。
「っ思い出したくて、たまらない、のに」
「なんで…!!」
「…なんで、なんで……」
「なんで…かすかにしか…思い出せないの…!?」
涙でぐしゃぐしゃになるLatteが、必死に、もがくように、ウパパロンの元へ向かう。
ウパパロンの居る場所にたどり着くと、ウパパロンの元へ倒れ込んだ。
ウパパロンは優しくそれを受け止める。
互いに、もうぐしゃぐしゃであった、だが、この再会がなければ、もう、一生_
Latteは、そう考えるとあまりに怖かった。
抱き合う2人を見て、八幡宮は心底安心したような顔をした。
(…ああ、良かった…)
(……よかった。本当に…)
(…最初は、面白そうって単純な理由だった、けど…あまりにもLatteさんが、強い人だから…)
(…強くなかったら、ここまで来れなかった、よね。)
(…よかった。)
_まさか、ずっと影を追っていた人が、ここに来ると思わなかったウパパロンは、心底驚いたと同時に、幸せに包まれていた。
_本当に、もう会えないのだと思っていたから。
きっと、道を違えたのだと、思っていたから。
………本当にLatteは自分のことが嫌いなのだと、思っていたから。
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虹花 ありさ @て い ふ
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うp主
48
#学パロ?