女王ロカは寝室の鏡の前にいた。
混濁とする意識の中、ロカは鏡の前に映る
醜いオオスズメバチの化物を見ていた。
(見てる…..?バル…….?)
肺と腹部を貫かれとっくのとうに出血量
が致死量を越えてしまったロカは、 マカロンの調理室からくすねたオリーブオイルとワインを最後の力を振り絞り寝室のベットに撒いた。
そして毒に侵されボロボロの指でマッチをこすりベットに火をつけた。
(見ててね…….。バル……。)
ロカは女王として辱しめを受けるわけには
いかなかった。
ロカの体を青い炎が覆い尽くした。
身体中を焼きつくすほどの高温、激痛。
しかしもう、ロカには身悶える力すら、
叫び声をあげる体力すら残ってなかった。
薄れ行く意識の中、ロカはやっと自分の本心に気づくことができた。
(あたしね…..バル……、ただ…..あ……なたに あいたかったの……バル…..あた….し……こんな ……みにくいばけものに ……なってたのね…… バル…….バル……….。)
そうして炎は寝室の酸素を奪い、ロカは酸欠で死んだ。
こうしてロカは自らの思惑通り、にくくてにくくてしかたのなかった復讐対象をやっとの思いで、火炙りにすることが出来たのだった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!