資料室で偶然にも水戸に会った。
ぎこちない笑みで挨拶をすると、
「無理に笑わなくていいわ」
と、言った。
引き攣った頬に手を添えたところで、水戸は疑問符をつけて私に話しかけた。
「今日は、村尾君と夕飯を一緒にするのね?」
「え? あ、うん」
「いいわね、羨ましいわ」
そう言った水戸の顔には、少しも表情が乗っていなかった。
いつから、こんな風になってしまったのだろう。
入社した頃は、何でも相談できる少し年上のお姉さん。
大切な同期だったはずなのに。
私がそう思っていることに、変わりはないはずなのに。
「水戸さ――」
悲しさが込み上げて、無意識に名前を呼びかけると、
「村尾君に悪いとは思わないの?」
と、返ってきた。
水戸から放たれた言葉には棘があって、真正面から受けたら、きっと怪我をしてしまうだろう。
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