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柔らかな髪に指を沈ませ、その心地よさに身を委ねていた私の耳に、よく知った声が飛び込んできた。
「何で会議が始まる前に用意しておかないんですかぁ、もう!」
「ごめん、ごめんっ」
「資料室から探すの大変なんですからね!」
可愛い後輩三人娘の 奥村(おくむら)だ。
瞬時に覚醒した意識が、私の身体を飛び退かせた。
「んもー! ……って、あれ?」
ドアを開けた奥村がきょとん、とした顔をした。
「何してるんですか、堂本(どうもと)リーダー?」
それは私が聞きたい。
彼から飛び退いたのはいいが、勢い余って棚に膝を強打した。
これは絶対、青痣になる。
というか、痛い。
うっすら涙目になったところで、 蹲(うずくま)る私の腕が力強く引かれた。
「……俺がちょっとした怪談話したから驚いたんだ。……な?」
彼が首だけで奥村に振り向いた。
「え!」
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