※この物語はフィクションです。
実在の人物及び団体、事件などとは一切関係ありません。
〈File32:勝者は誰か〉
「あなた、最初から藤丸くんの身元がわかってたんじゃないの?」
冴島はまるでお酒でも飲むように、ウーロン茶のグラスを静かに傾けた。
気になったのは、藤丸君をお父さんに会わせに行ったときのこと。
「冴島、あなたは藤丸君を2人に任せたわよね。けどあの場合、父親が息子を拒絶する可能性や、犯罪に利用されることも想定できた。たとえば虐待や誘拐とかね。あなたがそのことを想定しないはずないわ」
この男は懐に入れた人間に対しては格別に情に厚く、義理堅いことを、私はよく知ってる。
姪のカグヤちゃんを信頼して任せていた――それだけでは、説明がつかない気がしていた。
「せめて自分の目で父親がどんな人間か確かめるくらいするはずよ、あなたならね。それに心配だからって理由だけで****************
************
*******
*****************************
**********************
******************
*****************
***********************
コメント
1件