「ねぇ、翔太…ちょっと痩せた?」
それからまた1週間後…しばらく個人仕事が続いたせいで、全く会えなかった渡辺に
久しぶりに会って、ふと思う
元々、食の細い渡辺は…放っておくと食べない日も多々あって
それに気が付くと岩本が、お菓子やパン等を手渡して…無理にでも食べさせていた時期もある
「ん…ちょっと今、食欲が全く無くて…」
「でも、食べないと身が持たないよ?」
岩本は、持っていた個包装のチョコを手渡して…渡辺が食べるかジッと見張って待っている
「これ…後で食べるから…」
「駄目!そう言って翔太、絶対食べないでしょ?」
「だって、お腹減ってないし…」
「もう15時だけど、今日は朝から何食べた?順番に言ってみてよ…」
「ん…と…朝、コーヒーと…」
「コーヒーと?」
「昼に、コーヒー…」
「えっ!それだけ?」
岩本は、驚いて言葉も出ない…
「翔太、今日…終わるの早いよね?俺も上がり一緒だから、2人でご飯食べに行くぞ!」
このままでは埒が開かない…
岩本は、強硬手段に出る事にした
「はい、肉焼けたよ…。ほら、こっちも…」
今、仕事を終えて個室焼肉に来ている2人…
岩本が焼いた肉を、次から次に…渡辺の皿に入れていく
「こんなに食べられないって…。焼いてばっかりいないで、照も食べてよ」
そう言った渡辺は…自分の皿の3分の2の肉を、岩本の皿に移し替える…
「翔太…こっちに入れ過ぎだって…」
岩本は半分ずつになる様に、肉を取り分け食べ始めた
「俺、こんなに食えるかなぁ…」
渡辺も渋々食べ始めたが…すぐに箸を置いてしまう
「ちょっと休憩…」
「ほとんど減ってない気がするけど?」
「だから、ちょっと休憩!」
渡辺が少し感情的になって来たので…
大人しく引いて様子を見ている
「翔太の食欲ないのって…。例の、共演者のせいなの?」
食が細いと言っても、少し前まで…こんなに酷くはなかったはずだ…
「最近…また、当たりが強くなった…」
話を聞くと、例の共演者の渡辺への風当たりが…以前にも増して強くなって来たらしい…
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