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【第七話:煙の消えた屋上で】
「……ハァ」
静まり返ったビルの屋上で、松田陣平は深くため息をつき、手すりに背を預けた。
ポケットから取り出した煙草に火をつけ、紫煙を夜空へと吐き出す。風に流されて消えていく白い煙を見つめながら、松田の脳裏は、先ほど見たばかりの少年の素顔で埋め尽くされていた。
「なんであいつが……怪盗キッドなんてやってんだよ」
ぽつりと溢れた言葉は、夜風にかき消される。
あいつは、爆弾魔の卑劣な罠から自分を救うためだけに、命がけで観覧車に飛び込んできた真っ直ぐなガキのはずだ。あんな神業のようなマジックができる頭脳と技術があるなら、もっと真っ当な道がいくらでもあったはず。
なのに、なぜわざわざ世間を騒がせる大泥棒の仮面を被り、警察を敵に回すような真似をしているのか。
「あいつは一体、何を目的に動いてやがる……?」
松田は眉間に深く皺を寄せ、ポケットの中でキッドのモノクルの破片を指先で弄んだ。
キッドのこれまでの犯行を思い返してみる。確かに派手で、警察を挑発するような真似ばかりだが、不思議と「怪我人」は一人も出していない。さらに、盗み出した宝石を後日あっさりと返却したり、持ち主に送り返したりしているという奇妙な噂も耳にしていた。
ただの金目当ての泥棒じゃない。
何か、どうしても泥棒にならざるを得なかった『理由』があるはずだ。
(……あのガキの、あの必死な目……)
自分を見てトランプ銃を引けなかった、あの動揺しきった瞳。
松田への強い思い入れがあることは間違いない。だがそれ以上に、あいつの背後には、もっと大きな、それこそ命を削るような何かが隠されている気がしてならなかった。
「……チッ。勝手に死にかけといて、今度は泥棒家業かよ。どこまで人騒がせなガキだ」
松田は煙草を携帯灰皿に押し付け、小さく悪態をついた。
だが、その胸の奥にあるのは、怒りよりもむしろ、正体を知ってしまったからこその奇妙な焦燥感と、あいつをこのままにしてはおけないという、刑事ではない『一人の男』としての強い保護欲だった。
「待ってろよ、ボウズ。何があったか知らねぇが、今度は俺が、お前のメッキを剥ぎ取ってやるからな」
暗闇の向こう、少年が消えた夜空をもう一度睨みつけ、松田は静かにビルを後にした。
miけぴン
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花梨
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#一般人
유리
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コメント
2件
確かに快斗が怪盗キッドになった理由はなんだろう…
うわあああ、第7話読み終わったよおおお!!😭💕💕 松田がキッド=あの少年って気づいた後の心理描写がエモすぎて泣いた…「なんであいつが怪盗キッドなんて」っていう戸惑いと、でもあの必死な目を見て「理由があるはずだ」って信じたい気持ちが混ざってて、もうね、胸がぎゅってなったよ!! しかも最後の「今度は俺がお前のメッキを剥ぎ取ってやる」って刑事じゃなくて一人の男としての保護欲!!これだよこれ!!!🔥🔥 千導先生、尊すぎて息できん…次の話が待ちきれない~~~!!🌸✨