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第一章 第1話「怪物」
「起きてください。」
彼女の声で目を覚ました。
「ん。」
とりあえず何か言っておけば良いかというように俺は言う。
「…何時だと思ってます?」
「さあな?まあお前の読書タイムが増えたから良いだろ。」
「たしかにそうですね。」
彼女は如月雪。
命の恩人…というのだろうか。
まあ命の恩人と言ってもお前が居なくても生きてはいるんだけどな(笑)
「ご飯できてるのでどうぞ。私はもう食べましたので。」
「りょ。」
俺は階段を降り、一階のリビングに向かう。
「は…? 」
「なんで家の中入ってきてんだよ…!?」
そこにいる。
怪物が。
「お、おい如月!!」
俺はギリギリ2階に届くぐらいの声で言う。
「急にどうしたんですか…。」
「あの、怪物が家の中に!!」
「それならさっさ倒してください…。戦えないやつを呼んでも意味はありませんよ。」
「でも戦えないわけじゃないだろ!?」
「…うるさい。」
「…ごめん」
彼女に正論…かは分からないがぶちかまされ、おとなしく俺が普通に倒すことになった。
俺の能力は、【ブレイズストーム】。
近距離にある物体を全て燃やし尽くす…というもの。
なので外の何もないところで使う必要がある。
代償は、【不老不死】。
一瞬得に見えるが、近い将来1人孤独で生きることになる。
不老になるのは20歳だ。
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第一章 第2話「出会い」
「オギャァァァ!!オギャァァァ!!」
道端の段ボールに入っている小さな赤ちゃん。
なんだかとても辛そうな顔をしていた。
「お、 お母さん!赤ちゃんがいる…。」
「あら。」
「オギャァァァ!!オギャァァァ!!」
「家に持って帰りましょう?」
「やったぁ!」
「ぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙!!」
「大丈夫?」
「ぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙!!」
「…大丈夫、だよ。私がいるから!」
「…。」
その時の顔はなんとなく、嬉しそうだった。
「さ、行きましょ…。」
「うん!」
その後5分ぐらい歩いて、家についた。
「ねぇ、この子、なんで捨てられてたんだろう?」
「さあね…。」
私は何も知らないという顔でお母さんは言う。
「…。」
「…ご飯でも作りましょう。この子が食べられるような…。」
「うん…。何歳なんだろ、この子…。」
この子に対しての疑問が次から次に浮かび上がってくる。
「…まあとにかくその子を見てあげて。その間にご飯を作っておくから。」
「うん…。」
それから一ヶ月ぐらいは…何も問題なかった。
そう。本当に…。
◆◇◆◇
第一章 第3話「スクランブルエッグ」
テーブルには食パンとコーヒー、スクランブルエッグが置いてあった。
決して映えるわけではないが、味は悪くない。
「あいついい加減にしろよ…。読書しかしてねぇし…。」
さっきの件がイライラしすぎて思わず独り言を呟いてしまう。
「あ〜あ…。」
腹いせに俺は食パンを口の中に突っ込み、コーヒーで流し込む。
軽く口の中に残っている食パンを噛んで飲み込む。
…食パンは流し込んだし、コーヒーは飲み干した。
つまり後はスクランブルエッグのみ。
この中ではスクランブルエッグが一番好きだ。
俺はなんとなくスクランブルエッグの端っこをウサギみたいに噛む。
なぜかイライラが収まったような気がする。
「食べ終わったら謝りにいくか…。」と俺は思った。
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第一章 第4話「再生」
「ご飯できたわよ〜!」
「はーい!」
「ほら!ご飯だって!行こ!」
私は赤ちゃんを連れてお母さんのところへ向かう。
「美味しそう〜!」
ツヤツヤの白ご飯、焼き魚、千切りキャベツのサラダ。
どれも美味しそうでヨダレが出そう。
赤ちゃんはおかゆとヨーグルト。
色々試しておかゆとヨーグルトが食べやすかったみたいで。
「さあ、いっぱい食べてね!」
「うん!いっただっきまーす!」
あの出会った日以来赤ちゃんは一切泣かない。
当時私は少し不思議に思っていたが、特に深くは考えていなかった。
「あ、2階に忘れてた物があるの。」
「…何を忘れたの?」
「よだれかけよ。今日から使おうと思ってたの。取りに行ってくれない?」
「うん!行ってくるね!」
階段を登り、2階に着いた瞬間だった。
「ドカァァァン!!」と大きな爆発音が聞こえ、家が火に呑まれていく。
「うっ…!痛いよ…!!」
体がヒリヒリする。
でもあの痛みよりはマシと思いながら私は耐える。
いや、耐えるしかなかったんだ 。
代償が怖い。
でも、使うしかなかった。
私はテーブルに置いてある壊れかけのノートと鉛筆を手に取り、ノートに「ぜんぶなかったことにして」と書いた。
その時書いた字は汚くて、語彙力なんてなかった。
私はとにかく助かりたかった。
私はとにかく急いでいた。
私はとにかくやり直したかった。
視界が光に包まれる。
再生しよう────
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第一章 第5話「西園寺怜央」
…というのが私が西園寺に出会うきっかけ?みたいな感じ。
その後【ブレイズストーム事件】はなかったことになった。
何故かは知らない。
あんな汚い字で語彙力もないしさ。
そう考えて、私はまた読書を再開しようと思っ……
ガチャ
誰が来たかは考えなくても分かる。
西園寺怜央だ。
「…何。」
「ごめん」
「何が?」
「さっきのこと」
「あ、さっきの?別に何とも思ってないんだけど。」
「マジで?」
「マジ。時間の無駄だから帰って。」
「あ、ごめん」
「ガチャ」と音を立てて、扉が閉まる。
静かになったところで私はメガネを掛け、読書を始めた。
さあ、今日の始まりだ──────
★☆★☆
第???章 第???話「後日談的なもの」
はい、ここまで見てくれた人、さては神ですね?
…すみません、ありがとうございます!
低クオすぎた…。
あと書くの遅くなりました!すみません!!
ノベルは大体遅筆ですよ(?)
掛け持ち…。
ナ、ナンデモアリマセンヨー!!
アイコンはバグってる(?)のでエフェメラルの時と同じでオリわちゃに載せます!
「再生で始まり再生で終わる」はめちゃくちゃ不定期かもしれぬ^^
ちなみに、「再生で始まり再生で終わる」の再生の読みはリスタートじゃなくて普通に再生です!(誰得)
そろそろ語彙力が尽きてきたので終わります…。
乙です!!