俺は|武田《たけだ》|悠馬《ゆうま》、しがない男子高校生だ
成績普通、運動神経もそこそこ
女の子にモテるとかもないが
そんな俺には誰にも言っていない秘密がある。
それは、俺がΩだということ
この世界には男女のほかに
α (アルファ)
β (ベータ)
Q (オメガ)
の3つの性があり、男女関係なく妊娠できる世界
その中でも俺は、社会的階級の低いΩ
こんなこと、周りの友達に知られる訳にもいかなくて、ずっとβだと嘘をついて過ごしてきた。
発情期というものが3ヶ月に1回来るわけで、俺の場合薬で抑えられるのにも限界があった。
恋人もいない俺には、欲求を満たせるのは自分しかいなかった。
だから俺は、それを誤魔化すように
毎日のように教室の机の角を使って自慰行為をしていた───。
角張った部分で自分の局部を擦ると、痛いのと同時にそれ以上の快楽を感じた。
誰にもバレないように、こっそりと机の角に股間を押し付け
人の目を盗み
誰もいない放課後の教室で
俺は適当に選んだ机に目を向けると
机の角を使って股間を刺激し始める。
これがたまらなく気持ちいいのだ。
最初は痛い感じがするのに、徐々に気持ちよくなってくる。
そのうちだんだんと頭が真っ白になってきて
そのまま絶頂を迎えそうになり、擦る力を強めるように上下に腰を振る。
周りには誰もおらず、俺の行為は誰にも見られなかった。
しかし俺の頭の中ではいろいろな妄想が広がっていった。
気付くと机を撫でるように触って、誰もいないのを確認すると
好奇心から局部を机の角に押し付けては
気持ちよくなれる部分を探しながら、上下に擦って自慰行為に及んでしまっていた。
しかしそんなとき、突然廊下の方から誰かが走ってくる足音が聞こえ
ピタッと体を反射的に止めると
そのままの状態で顔だけ廊下に振り向く。
忘れ物忘れ物〜っと!と声を上げながら
扉を開けて教室に入ってきた人物と目がバッチリ合う。
慌てて机から離れて苦笑いをして誤魔化したときにはもう手遅れで
「あれ、なにしてんの?」
と聞かれ、パニックになりかける。
良い言い訳が思いつかず、口をもごつかせていると更にトドメの一撃を刺された。
「てか、今俺の机乗ってなかった?」
「あ、いや…え?の、乗ってないけど」
(いや待て!この机こいつの?!…うそ、席替えしたからか自分のと間違えたのか……っ!あぁ…っく
そ!!俺のバカ野郎!!)
「へえ?」
男の名前は|木山《きやま》|栞《しお》
俺のクラスの中心的存在なので、全く知らない訳では無い。
目を細めて近付いてくるので思わず後退りをすると、ガタッと腰が机にぶつかり
彼は俺をそのまま机に押し倒すと、囁くように言った。
「ナニ、してたの?」
低くて甘ったるい声が鼓膜を震わせると
ゾクッとした感覚が身体中を駆った。
思わず力が抜けてしまい、その場にへたり込む。
彼は決してそれを見逃してはくれなかった
「お前…オメガ?」
「……っ」
図星を突かれて固まる俺を見て、彼は耳元で囁いてきた。
「人の机の角使ってナニしての?発情期のサルが」
「あっ……」
その声に力が抜けてしまい、まともに言葉を発せなくなる。
そんな俺に気を良くしたのか、悪くしたのか
喜山は更に俺を追い詰めるように言った。
「言えないことしてたの?」
そう言うと彼は片手で俺の両手の自由を奪って
もう片方の手で脇腹や太腿の内側など際どい部分を指先でなぞる。
「それとも相手がいなくて自分で気持ちよくなろうとしてたとか?」
「っ……!」
図星を突かれて、言葉が出なくなった俺をニヤニヤとしながら見つめてくる。
それに苛立ちを覚えながらも、言い返すことができない自分に腹が立った。
「ほら、黙ってないで正直に言ったらどう?」
そう言って俺の股間に自分の膝を押し当ててきた
「……っ!」
突然の刺激にビクンッと反応すると
そのままグリグリと膝を動かされ、俺は声にならない悲鳴を上げた。
その反応を見て、満足そうな笑みを浮かべると
今度は制服越しから乳首を摘み上げられ思わず声を上げてしまう
「はぅ…!」
「ふっ…言わないともっと酷いことするけど?」
それでもなお、執拗に責めてくる喜山はいつもと雰囲気が180度違い
(本当にあの可愛いで評判のイケメンか…?)
とも思ったが、そう考えているうちに
「へぇ、考え事するヒマあるんだ~」
そう言い、膝の動きを激しくしてきた。
同時に両方の乳首をカーディガンとシャツの上から強く引っ張られたり
弾かれたりする度にビクビクと体が痙攣し
次第に頭の中が真っ白になっていき、何も考えられなくなる。
やめろと言っても離れる気配など無く
「そっちが正直に話すなら、やめてあげるよ?」
ついに限界を迎えた時
俺は無意識のうちに口から言葉を発していた
「お、お前の机でしてたのは勘違い……で、お、お願いだから誰にも」
言わないでくれ、と言い終わる前に
喜山は再び俺の股間に膝を当て
ぐりっと押し込むようにして擦りつけて来た。
「んっ、あ…!」
その強烈な刺激に背中を反らすと、彼は小悪魔のような笑みをして口を動かす。
「お前呼ばわりしてないで名前で呼べよ」
「き、きやま……」
「はっ…必死だね~、しかもお前みたいな普通のオタクがΩとか驚きだなぁ。ちゃっかり興奮して顔真っ赤にしちゃってさ?」
彼はそう言うと、今度は片方の靴を脱ぎ捨て
白猫の刺繍が入っているソックスを見せた。
いきなり靴を脱いで何をするんだ…?と思いきや
その足先で俺の局部を先程のように擦ってきた。
「んっ…や、言わ、ない…で、それ、他のやつに言ったら、許さない……っ」
思わず反論してしまうと
眉間に皺を寄せて
逞しげにはっきりとした目鼻立ちの喜山が、靴下の生地で俺の局部を激しく刺激してくる。
「そんなに苦しいなら、俺が気持ちよくしたげよっか?」
そのせいでコントロール不可能な腰が小さく揺れる
「やめ、ろ……っ、変態…」
先端からは先走りが溢れていた
それを見た喜山は
俺が絶頂に達しそうなところで急に動きを止め
そしてニヤニヤしながら言った。
「変態なことしてるのそっちでしょ…でもま、条件次第では黙っててあげるよ?」
「…だ、だったらなんでもする…!だから…!」
「じゃあさっさと裸になってこっちに自分の穴見せろよ」
「は…っ?」
「セックスしよってこと~、理解できない?」
「?!ふ、ふざけんな!そんなことできるわけ…」
「んじゃ、これなーんだ?」
喜山はそう言いながらポケットからスマホを取り出すと
画面を見せてきて、そこには机の角で自慰行為をし、服の上からでも分かるぐらいに肉棒を勃たせる俺の姿が映っていた。
「い、いつの間に……っ!!」
断ればどうなるのかわからない
こんなのがネットやクラスラインにでもばら撒かれてしまえば俺の高校生活は確実に終わる。
「で?どーすんの?俺の言うこと聞くのか聞かないのか」
「……わ、わかっ、わかり、ました。」
俺は覚悟を決めて、喜山の命令に従うことにした。
こんな偉そうな男に服従するなんて想像以上に屈辱的だったが
これも俺の名誉のため…と割り切る他なかった。
あいつは俺の反応を見ては楽しんで、俺に落ち度があったとは言えど
簡単にオモチャにされるなんて恥辱にも程がある
◆◇◆◇
ある日のこと
あいつに呼び出されると、いきなり服を脱げと言われ
一瞬戸惑ったものの、逆らう訳にもいかず
渋々羽織っていたカーディガンを脱いで、シャツのボタンを外した。
すると俺の近くの机の上に足を組みながら座っていた喜山が、机から下りて
いきなり俺の乳首を摘んできたせいで
思わず
〝んっ〟と声が出てしまい
咄嗟に口を手で抑えると、抑えている方の手をはがすように掴まれ机にガタンっと押し倒される。
手加減無しで、完全に|玩具《オモチャ》扱いだ。
「もっと抵抗するかと思ったのに拍子抜けだな~…もしかしてされるのが好きみたいな?」
静寂な教室の机の上で透き通った水のような声を出す彼に
違うと否定するよりも先に
黙らすようにアナルに指を2本挿れられて
ビクッとしてしまう俺に構うことなく、また彼はニヤリと笑って耳元で囁いてきた。
「ちょっと触っただけなのに、もうこんな…ははっ、やっぱ真面目な顔して淫乱な男ってわけ?」
白濁色の液の糸が引く指を俺の目の前に持ってきて見せてくるので、顔が熱くなる。
それを喜山に
まるで見物でもするように
生物の観察実験でもするように
細んだ瞳で見つめられ
緊張からなのか、胸の内が熱くなり
その行為に嫌悪感を抱いた俺は抵抗しようとしたが、力が強く逃れられずされるがままになっていた。
「あ、な、なにす…っ」
最初は抵抗していたものの
次第に快楽には勝てなくなり、段々力が抜けていき腰に手を回されてしまうと
勝手に腰が浮き沈みしていき
「腰、自分で動かしてんじゃん」
喜山の指摘によって更に顔に熱が籠り、知らぬうちに身体を痙攣させていたことに気付く。
しかし、疼く腰を止めることができないどころかどんどん熱しさを増していく。
自分の体かどうか疑うほど
ただ静かにビクビクとアクメってしまう俺を
上から見物するような眼差しの彼に
羞恥を覚えつつも
何故かもっと気持ち良くなりたいという欲求に駆られた俺は、無意識に腰を浮かしカクカクと自らの下半身を動かしていた。
彼は満足そうに微笑むと
もう一本指を増やして再び中を掻き回し始めた。
二本の指がバラバラの動きをするので
それぞれ別の動きを感じてしまい自然と声が上がり腰が浮いてしまう。
そんな俺に構わず、喜山は更に指を増やしてバラバラと動かしてきた。
「あっ……んっ、や、やめ」
「よがってるくせによく言うね」
「よがっ、てなん……かっ」
「そろそろイかせてやるよ、俺のでね?」
そういうと彼はカチャカチャとベルトを外してズボンのチャックを下ろし
下着の中から肉棒を取り出した。
思わず息を飲んでしまうほど大きいそれに視線を奪われていると
俺のアナルから指を引き抜いては、代わりに彼の肉棒を宛てがい、ゆっくりと挿入してきたので
慌てて止めるように声を上げたが、聞き入れてくれるわけもなく
そのまま一気に奥まで突かれる。
あまりの質量に息が詰まりそうになるが、彼は容赦なく腰を振り始め
その度に俺の口からは甘い声が漏れて出てしまう。
「んっ……あっ、や、やだ」
「こんなに締め付けてるのに?」
そんなはずないと思いたかったが
彼の言った通りに体は正直に反応してしまい、次第に快楽に溺れていく。
「っあ!そ、そこ……やめ、あぁっ!!」
「ここ好きなんでしょ?」
「ちがっ…んあっ!」
否定の言葉を口にするも虚しく、喜山は俺の弱いところを的確に狙ってくるため
まともに喋ることも出来ず、ただただ喘ぐことしか出来なかった。
事後、俺は放心状態になり喜山はそんな俺に構うことなくご丁寧に処理をすると
「んじゃ、また明日もよろしく~」
とだけ言い残し教室を出ていった。
これがあと一回で終わるとも思えない
あんなゲス男の言うことだ
きっと何かと理由をつけて写真を消してくれないかもしれない。
そんな思いを抱えつつも
俺は毎日、放課後や昼休みに呼び出されては彼の命令に従っていたが、一向に終わる気配はなかった。
ただこの行為はエスカレートする一方で
「今日は俺の前でオナってみせてよ」
「そっ、そんなことできるわけが……!」
「ふーん、なら写真ばら撒いちゃおっかな~」
「……っ!わ、わかったから…!それだけは…やめて、くれ」
何を言っても無駄と分かった俺は渋々了承して準備を始める。
この前のことがあったとはいえ、恥ずかしさはそう簡単に消えるものじゃない…….。
それでもやらなければまた何かもっとヤバい要求をされるかもしれないので
仕方なくズボンを下ろしてパンツの中から自分の肉棒を取り出して握る。
そしてゆっくりと上下に擦り始めるが、やはり羞恥心のせいで上手くいかない。
そんな俺の姿を見ていた喜山はニヤニヤしながら言った。
「なにそのやる気のない手つき、全然気持ち良くなさそうじゃん」
「……う、うるさい」
思わず反論すると彼は俺に近付き、そのまま俺のペニスを掴むと、激しく擦り始めた
「ちょ、やめ……っあ!んんっ!」
突然の刺激に体が仰け反り すぐに絶頂を迎えそうになるがなんとか耐えてはいるものの
限界が近いことは自分でもわかっていた。
そんな俺に追い討ちをかけるように喜山は更にスピードを早める。
「ほら、イきたいなら早くイけば?」
「あっ、ああっ!だめ……イク、も、もう出ちゃ…ぁ!!」
結局我慢できずにそのまま喜山の手の中で果ててしまった。
肩で息をしながら呼吸を整えていると彼は俺の耳元で囁いた。
「ほんっとに声エロいな…」
でもそれは嫌じゃなかった
それどころか日に日に気持ちが良くなっていき
最近では彼にもっと触ってして欲しいと心のなかで思ってしまう自分がいた。
最近では彼にもっと触ってして欲しいと心のなかで思ってしまう自分がいた。
おかしいにもほどがある。
俺はここ最近、クラスの人気者・喜山徹に弱みを握られてからというもの…
毎週放課後に呼び出されてはえっちなことをしている。
「……んっ」
反応してしまうのも、断じて喜山が好きなわけではない。
平凡な俺とは違いカワイイ系のイケメンな彼は
男女平等に優しい性格から教師や先輩達からも一目置かれており
男女共に人気があることからファンクラブが出来るほどの陽キャ
こんなやつのことなんて大嫌いで仕方がない
腹黒だし
「き、きや…あ…っ、ぁ」
俺は喜山の指示通りに息を吐くように喜山の名前を小声で呟く。
喜山が口を開いた。
「発情期のくせに、俺の命令に素直に従ってる時点でさぁ?」
突然そんなことを言い出した彼に俺は慌てて拒む。
「喜山……喜山…っ、いいだろ、お前だって、顔、赤い」
分かり易く拒むと鼻で笑われて、喜山はお構いなしに続けた。
「自分の立場わかって言ってんの?」
俺の前では喜山の仮面が剥がれて、意地悪で俺様な本性が現れる。
その姿を知っているのは俺だけだと思うと、少しだけ優越感に浸ることが出来たが
それが恋だの愛だのといった感情ではなく
単に自分が逆らえない弱い立場であると自覚させる手段なのだから
抵抗したくてもできない状況下に唇を噛んだ。
その時、喜山が何かを取り出した。
それは……避妊具とローションだった。
俺は未知の恐怖から必死の抵抗をするが
腕を掴まれてそのまま無理やり四つん這いにさせられた状態で
ズボンと下着を下ろされてしまった
嫌だやめると言う俺の言葉など無視して
喜山は俺の尻を両手で鷲掴みにして左右に広げてきた。
「はっ…もう濡れてんじゃん」
言うと、溢れ出る液体を喜山は絡めとるように舐めてきた。
さすがに羞恥心に耐え切れず、止めようとするものの
拒むことが出来ずにいると
お尻にローションを垂らされぬるぬるとした感触にぞわぞわと腰が震えてしまう。
そして穴の皺を伸ばすように指で何度も弄られ
徐々に指を一本から二本へ、更には三本と増やされていく……
そんなことをされれば嫌でも感じてしまうし
自分が今どんな体制でどんなことをされているのか想像してしまう。
そんな状態でお尻の穴を弄られて嫌なはずなのに気持ちいいと思ってしまっている自分に気づいてしまった。
それが恥ずかしくて仕方がなかったが
喜山は手を止めるどころかより一層激しく指を動かし始め、俺のナカを広げるようにして指を押し広げてきた。
最初は異物感しか無かったはずなのに
次第にお尻をいじられるだけで甘い声が漏れ出てしまう。
それを面白がっているのか、喜山は更に指を動かし続ける。
どれくらい時間が経ったのか分からないくらい執拗に責め続けられていると
だんだん頭の中が真っ白になってきて
何も考えられなくなると同時に絶頂を迎えた。
しかしそれでもなお
喜山は手を緩めることなく、今度は俺の乳首を摘み上げてコリコリと刺激を与えてきた。
そんな快感に耐え切れず再び絶頂を迎えて俺は身体を仰け反らせたが
それでもまだ満足しなかったのか
喜山は俺のお尻の穴に指を入れたままもう片方の手で俺のモノを握って上下に動かし始めた。
まさかそんなことをされるとは思っていなかったため
驚いて身を捩って抵抗しようとしたものの
力が入らず結局されるがままになってしまう
その間にも快感の波が押し寄せてきて俺は堪らず声を上げてしまうが
構わず喜山は激しく手を動かし続けた。
そしてとうとう絶頂を迎える寸前になったとき
不意に手を離された。
突然止められてしまったことに、戸惑いつつ物足りなさを感じていた矢先だった。
「な、なん、で…ふ、ぁ…っ!!」
突然後ろに何か硬いものが当たってきて思わず固まってしまった
まさかとは思いつつも恐る恐る振り返ると、そこには自分のモノを扱いて大きくさせた喜山の肉棒があった。
「や、やめろ……これ、何時まで…ひ、ぁ」
「いいから黙って体預けとけって、欲しがってんの見え見えなんだから」
言いながら一気に奥まで肉棒で突かれると
あまりの衝撃に声にならない悲鳴を上げることしかできなかった。
「はぁ、んん…………っ!」
それと同時にお尻をぺちぺちと叩かれる、体温が伝わってきて、更に興奮してしまう。
「あ、あ”ッッ!?あっ、おしり、たたくのや…ッ」
その後も何度も激しく腰を打ち付けられ
その度に俺は絶頂を迎えてしまうが
そんなことお構い無しに何度も何度もイかされてしまう。
「た、たしゅ、け……っ」
もう呂律すら回らない
なのに気持ちよくて仕方がない
ここが何処とか
人に見られたらとか
常識とかモラルなんて考えられなくって
頭が真っ白になってしまうほどの快感に襲われる。
そしてまた絶頂を迎える寸前まできて動きが止められたかと思い
(…ふ、ぅ…はあ、はあ…)
肩で息を整えていると、今度は上体を起こされ四つん這いから正常位へと変わり
再び腰を動かされ
今度はゆっくりと出し入れが始まった。
俺の体はもう限界に達していた
このまま好き勝手にされたら壊れるに違いない
逃げたいと思うのと同時に
〝もっと気持ちよくなりたい〟と思う矛盾した感情に挟まれるも、お構いなしに続けられる行為
「ぬか、ないで……っ」
「きて……おねが、い」
それが焦れったくて
仕方がなく自分から腰を動かしてみたものの、満足のいく快楽を得られなかった
「っ……あんま煽んな」
瞬間、今までで一番強い力で突き上げられた。
「あぅ…ッやめ、あ”ぁっ!だ、っめ、おかじ
ぐなる” ッッ…」
突然のことに驚きつつも必死に声を抑えても漏れ出す、だらしないよがり声
今度はさっきとは打って変わって激しいピストン運動が始まり
俺はただされるがままに快楽に溺れていった───
◆◇◆◇
ある日のこと
いつもの放課後のように二人きりの教室で彼の命令に従っていると
俺は急に何かが物足りなくなってしまった。
もっと気持ちいいことをされたい…
そう思うようになってしまった俺は気づけば
喜山が命令する前に、喜山の前で股を広げていた。
彼は俺のそんな姿を見た途端
意外にも余裕無さそうに笑い、舌なめずりをすると俺を壁に押し付けて
俺の片足を自分の肩に乗せた状態で
「なんだ、やる気まんまんじゃん」
ニヤっと笑った。
そして喜山のモノが挿れられると、腰が抜けそうなほどの快感を味わった。
「あ”ッ、ん…あッ!?」
俺は今まで感じたことのない刺激に思わず大きな声を出してしまう
すると、今度は熱を持った体に畳み掛けるように
服の上からでも分かるぐらいにピンッとアンテナのように
勃ってしまっている乳首をハムっと吸われたり
舐められたりしている間に更に吐息が漏れる。
「あ”っ……んぁっ!や、やめっ……あっ!」
「乳首舐められるのも好きなんでしょ?」
「す、好きじゃないっ……あっ!だ、だめっ……」
「嘘つくなよ」
そんなやり取りをしている間に、俺の体はもう限界にきていた。
そして喜山がラストスパートをかけるように激しく腰を打ち付ける度に
俺はもう我慢出来なくなってしまい
喜山のモノを受け入れた。
「あ” ぁ” ぁ” ぁ” っ!イ、イクっ……きやあっ!」
「俺も……っ」
喜山が俺の中で果てると同時に俺も絶頂を迎えた。
しばらくしてお互いに服を着終えると、俺は思い切って喜山に聞いた。
「もうそろよくないか…写真消してくれても」
「消してもいいけど、俺のセフレなってよ」
「っ、は……?!」
「だって、俺に犯されて感じてたじゃん」
「か、感じてない……!」
「嘘つけ」
喜山はそう言うと、いきなり俺の乳首を指でギュッとつまんだ。
「んあっ♡」
「ほらやっぱり」
「そ、それやめろ……!」
俺は抵抗しようとするも、その気はすぐに失せてしまい
むしろ喜山に触れられた部分がジワジワと熱を帯びていくのが分かった。
「大体、パートナー不在のΩの悠馬とαの俺、相性がいいのは分かるじゃん?」
言われていることは確かにご最もではある
「それは……そうかもしれないけど、俺はお前みたいな強引なやつ好きじゃないし…っ」
「選り好みできる立場でしたっけー?」
喜山はそう言うと俺の顎を掴み、キスを落としてきた。
そして舌を入れられて絡められるような濃厚な口付けに頭がボーッとしてくる。
「や、やめろ…っ、俺はお前なんかの番になんてならない!」
番になるということは、一生を縛られるということだ。
オメガであることを隠して生きてきた俺にとって、それは絶対に受け入れられないことだった。
喜山は、俺の頑なな態度に
少々不満げな表情を浮かべながらも
それ以上は追及してこなかった。
だが、その瞳の奥には、諦めきれない光が宿っているように見えた。
◆◇◆◇
そんなある日、俺は発情期に苛まれていた。
いつもなら薬で抑え込めるはずのフェロモンがなぜか抑えきれない。
体が熱くて、たまらない。
なんとか学校で誰にもバレないようにと気を張っていたが
校内には俺のことをよく思っていないアルファの連中がいた。
彼らは俺がオメガだと薄々感づいていたのか、この状況を見逃すはずがなかった。
「おい、武田。ちょっと来いよ」
体育倉庫に引きずり込まれる。
複数のアルファのフェロモンが、俺を囲み込む。
体が震える。恐怖で涙が溢れそうになる。
『お前、オメガなんだろ?匂いプンプンしてたもん
な』
俺は壁に押し付けられ、逃げ場を失った。
もうダメだ。
そう思った時、体育倉庫の扉が勢いよく開け放たれた。
そこに立っていたのは、喜山だった。
「おい、何やってんのお前ら」
喜山の声は、いつものチャラついたものではなく
鋭く、低い響きを帯びていた。
アルファの連中も、喜山の豹変ぶりに気圧されたのか、一瞬怯んだ。
その隙に、喜山は俺の腕を掴み、自分の方へと引き寄せた。
「こいつ、俺のΩなんだけど」
喜山の言葉に、俺は驚きに目を見開いた。
喜山は俺を背後に庇うように立ち、αの連中を睨みつけていた。
αの連中も、喜山の鬼迫に恐れたのか、舌打ちしながら去っていった。
喜山は、俺の震える体を抱きしめた。
「大丈夫?!悠馬」
その声は、いつになく優しかった。
「き…..っ、きや、ま……っ」
俺は、喜山の胸の中で、初めて安心して涙を流した。
◆◇◆◇
それから数日後、発情期が終わり
体調が落ち着いた俺は、喜山に呼び出された。
放課後の人気のない屋上。
夕焼けが、二人の影を長く伸ばす。
「あのさ、修馬」
喜山は、いつもと違う真剣な表情で、俺の目を見つめた。
「俺、お前のこと脅して、最低なことした。それは謝るよ」
意外な喜山の言葉に、俺は何も言えなかった。
「でも、気づいたら、俺、お前のこと、好きになってた」
「…は?す、好き?」
「あの時体育倉庫で、お前が震えてるの見て…他の男に襲われそうになってるお前見たら…誰にも触らせたくないって本気で思った」
「つーかまぁ…ヤってるときから好きなってたかもしんないわ」
喜山は、一歩俺に近づいた。
「…あの写真ももう消した。酷いことしないって誓うから、俺のオメガなってくんない?」
これで2回目の誘いだ
今度は脅しじゃなく、本気だって嫌でもわかる。
目を逸らさずに言ってきて、声もちっともふざけてなかった。
ふざけた顔して、たまに真剣になるの、ずるいって思う。
夕陽の中、風が吹いて、制服の裾が揺れる。
その音がやけに大きく感じた。
「……はぁ、あのな」
俺は俯いたまま、絞り出すように言った。
「脅されたとき、正直、ほんとに最低だと思った。
ムカついたし、俺のこと穴扱いするし」
「そ、それは……っ、ごめんって」
「でも……お前があの日、助けに来たときの顔、今でも覚えてんだよ…っ、怖くて仕方なかったのに、喜山の顔みたら……安心、した」
言ってるうちに、自分でもよくわからなくなってくる。
情けない。だけど、隠せなかった。
「……ま、守ってくれたの、嬉しかったんだ」
やっと、顔を上げる。
少しだけ視線がぶつかった。
「だから、もう強引なことしないってんなら…喜山、が……いい」
口に出したら、ちょっとだけ胸が軽くなった気がした。
そのかわり、顔はめちゃくちゃ熱い。
「……マジ?」
「マジ、だけど…もっと…優しく抱かれたい……」
俺が羞恥を堪えてそう言うと、喜山は「わはっ」って軽く笑った。
この声、好きかもって思ってる自分が、なんかむず痒い。
喜山が手を伸ばして、俺の頬にそっと触れる。
それだけで、心臓が跳ねた。
「ちゃんと大切にする、もう乱暴にしない!だから、さ…俺と番、なってくれる?」
「わかったよ……」
返した瞬間、顔から火が出そうだった。
思わず顔を逸らすと、笑いながら喜山が抱き寄せてきた。
「マジで好きだわ、悠馬…すぐ抱きたくなってきた…あっ、それともデートのがいい?」
「……うっさい…バカ、離れろよ」
「ありゃ、照れちゃった~??」
「お、お前な!調子乗るなよ!?」
「あははっ」
でも、俺もそっと、腕を回す。
あったかい。…….なんか、安心する。
これが〝番〟ってやつの始まりなら、悪くない。
少しだけ、そう思えた。
コメント
1件
は、流石に神作品すぎます、…🤦♀️💖すべてがメロい🙀🌀なんかもう30話くらい見たくらい満足感凄いのに、ほんとにすぐ終わっちゃいました‼️💖表現とか色々好きすぎて指がとまらない…⛔️かんっぺきな新作でした‼️✨️💖ほんとうに素敵な作品をありがとうございました💖✨️🥺