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羽良野先生は酷い形相だけど、じんわりとした悲しそうな目をしていた。
ぼくは大声を張り上げたい衝動に駆られた。
「歩君。まずは看護婦さんを、安全なところへ隠しましょう。辛いでしょうけど、優先は優先」
そういうと、羽良野先生は背筋をピンとした。
ぼくは地団駄を数分すると、頬を何度も叩いた。
ぼくはエレベーターまで戻って、健やかな寝息をたてている優しい看護婦さんをみると、心が落ち着いてきた。
外は大振りの雨になっていた。
稲光の後、大音響の雷が近くの森林に落ちた。
「診療室の一つに寝かせましょう。その後、この病院から不死の儀の村へ案内するわ……。ご両親がいるかも知れないわ……」
ぼくは羽良野先生の乗ってきた。軽自動車で不死の儀の村へ行くことになった。
正直、怖い。
でも、優先は優先。