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14
※戦争・ドリームコア表現あり
しん、と静まりかえった、白い世界。
だれもいない、雪のうえ。
見上げると、パステルブルーの空から、真っ赤な林檎が、ゆっくり、ゆっくり、降ってくる。
地面を埋め尽くしていく、不自然に綺麗な林檎。
それを見つめながら、俺はポツンと立ち尽くしていた。
外は、みんな、ながいながいせんそう。
雪深い俺の土地も、大切な人たちも、みんな燃えた。
なのに、この場所だけは、不気味なほど白くて静か。
頭の奥で、ねぶた祭りの笛の音が、スローモーションのように引き伸ばされてずーっと鳴り響いてる。
明るい画面を、震える指で、ゆっくりと叩く。
『みんな、どこにいるの?』
送信ボタンを押そうと、指を画面に近づけた、その瞬間。
――どすっ
鈍い音と一緒に、頭を、異常な冷たさが突き抜けた。
空から降ってきた、巨大で鋭い、氷のつらら。
それが俺の頭から、容赦なく、脳を貫通していた。
「あ、……え……?」
痛みすら感じない。
ただ、視界がいっきにバグの砂嵐でグチャグチャに狂っていく。
頭の裏で鳴っていた笛の音が、ぴーーーという耳鳴りに変わる。
視界の端に、パチパチとシステム文字がバグりながら浮かびあがる。
『⚠️警告:主処理装置(脳)の破損。データ、崩、壊――』
口から溢れたのは、真っ白な雪をドロドロに溶かす、鮮やかな赤。
ちいさな画面の上に、俺の血がポタポタと落ちて、液晶を真っ赤に染めていく。
[エラー:送信元の存在が確認できません。メッセージは破棄されました。]
「あは、……つめ、てぇな……」
脳が破壊されて、自分が誰なのか、ここがどこなのか、もう何も分からない。
真っ白だった雪原が、最後は不気味な赤に染まって、完全に反転していく。
そのまま、糸が切れた人形のように雪の上に倒れ込む。
[通知:致命的なシステム破壊を検知。サーバー【青森】の全データを強制消去します。]
コメント
3件
うわ……これ、しんどすぎる🥀🩹 雪と林檎の綺麗な映像から始まったのに、読んでるこっちの体温まで下がっていくみたいだった。 「みんなどこにいるの?」って送ろうとした瞬間の、あの氷のつらら……残酷すぎて、何もできなかった。 「つめ、てぇな」って言葉、タイトルと繋がって沁みた。 システムにすら存在を消されるの、痛いとかじゃなくて、もっと根こそぎ持っていかれる感じがして、言葉にならなかった。 この世界観、すごかった……。読後、しばらく動けなかった🖤