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ルスベスタン「このまま徹夜すれば、櫻雨町に着きますが…今回は一晩休みましょうか。」
ジーク「分かった。」
アリィ「えっ、それなら徹夜して行った方が…ここより絶対安全だし…」
ノア「アリィ、自分が体調悪いの忘れたの?」
ノアはそう言いながら、アリィの頬を伸ばす。
アリィ「ほ、ほおらへほ…1日くらいなら…」
ルスベスタン「悪化した時が怖いので、休みましょうね。ジーク君大丈夫です?」
ジーク「無理、今にも吐きそうだからもう休む。悪いけど、もう横になるから任せた。」
ルスベスタン「わかりました。ついさっき、あった水場で匂いを落としてきましたけど…鼻が匂い覚えちゃってるんですよね…。」
ノア「ルスベスタンも匂いダメだったよね?見張りボクがやろうか?」
ルスベスタン「確かに少し気持ち悪さはありますけど、ジーク君程じゃないですよ。大丈夫です。今日は自分に見張りをやらせてください。…今回再び追跡されないよう、本来ヒトがいかないような道を選んでハイペースに移動しています。今のところ、あの花でヒトも悪魔も来ていませんが…気がかりなので。」
ノア「それなら…ジークご飯は?」
ジーク「今食べたら吐くから要らない。」
ノアは困った顔でアリィを見る。
アリィ「大丈夫だよ。1食抜くくらいで、死ぬ訳じゃないから。元気になったら勝手に起きて食べるよ。だから多めに作っておこう。」
ルスベスタン「火、起こし…あ。あ〜…。」
ノア「どうしたの?」
ルスベスタン「やばい、火ってどうやって起こすんでしたっけ…あーだめだ全然思い出せない。」
ノア「記憶を覗いた時から、思ったんけどさ…ルスベスタンってもしかして…」
ルスベスタン「…多分歳のせいなんですよね。」
そう言いながら、ルスベスタンは自身の荷物袋の中から手帳を出し、パラパラとめくる。
アリィ「待ってノア、それ言ってよかったの!?」
ノア「…あっ!ごめん言い忘れてた!このヒトボクのこと気づいてるよ。」
アリィ「ちょっと!遅い!」
ルスベスタン「あ、あった。火の起こし方。ハピィおじさんに相談して正解でしたね。忘れても見返せる。」
ジーク(…この集団…マイペースが多いな。)
ルスベスタン「あれ、ノアさん。起こしましたか?」
ノア「ううん。アリィに抱き枕にされて、身動きが取れないせいで、自然と起きたんだよ。」
ルスベスタン「それはまぁ…。」
ノア「もう体がバキバキだよ…。」
ルスベスタン「ストレッチ…あでも、体動かしたら、覚醒しちゃいますね。」
ノア「あ、そういえば聞きたいことあったんだよね。」
ルスベスタン「奇遇ですね。自分もです。」
ノア「記憶を覗いたことも、ボクが悪魔ってことも知ってるでしょ?」
ルスベスタン「ですね。」
ノア「なんで襲ってこないのかなって。ジハードに味方したのもそうだけど… 」
ルスベスタン「依頼の対象に悪魔は入っていません。」
ノア「…それだけ?」
あっさりとした答えにノアは拍子抜けした顔をする。
ルスベスタン「そうですよ。こちらを先に襲ってきたなら別ですけど。ジハードさんは自分から襲ってきましたけど、脅迫されてたみたいですし…。言ったでしょう?戦闘はする側にも、見る側にも負荷が強い。 」
ノア「へぇ…。」
ルスベスタン「戦いたかったんですか?」
ノア「そんなことは無いかな。」
ルスベスタン「次自分がいいですか?」
ノア「どーぞー。」
ルスベスタン「距離近すぎませんか?皆さん。」
ノア「そう?」
ルスベスタン「あのそれで思ったんですけど…ローズ殿下達の処遇を決めた際のあのお借りしたお部屋なんですが、あれもしかしてジークさんのみの部屋ではなかったんですか? 」
ノア「3人一緒にあの部屋借りてたね。基本いつもこうだよ。お金の節約にもなるし。大丈夫だよ、ジークは君が想像するような奴じゃないから。ボクはそういう欲求無いし…むしろガードマンかな。まぁ1箇所に固まってた方がすぐに、逃げられるからなんだけど。」
ルスベスタン「ならいいんですが…うわあれ全員の部屋だったんですね。だから壁にもたれ掛からせて…うわほんとすみません。休みたかったでしょうに…」
ノア「いいよいいよ。過ぎたことだし。」
ジーク「…ぅ…」
ノア「ちょっと喋りすぎちゃったかな。うるさくしてごめんね。…帰り1人でしょ?やっぱり変わろうか?」
声を落とし、ノアはルスベスタンにそう聞く。
ルスベスタン「実は帰りひとりじゃないんですよ。だから大丈夫です。」
ノア「ならいいけど…おやすみ。」
ルスベスタン「おやすみなさい。」
ジーク「おはよう。」
ルスベスタン「おはようございます。」
ルスベスタンは鍋の蓋を開けながら、挨拶を返す。
ジーク「あ、悪い。朝の分でもあると思わなくて食べすぎた…。」
ルスベスタン「いや、大丈夫ですよ。でも昨日自分ずっと起きてましたけど、一体いつ…」
ジーク「なんか居なかった。火を燃やす薪とか、小便かなって思ってたけど…。」
ルスベスタン「…あの時かな。とにかく元気になって良かったです。 」
ジーク「あれもう嫌だ。」
ルスベスタン「ですね。やめておきましょう。他にいい方法、いつか見つからないかな…。」
アリィ「おはよーう。」
アリィは欠伸をしながら、2人に挨拶する。
ジーク「おはよう。」
ルスベスタン「おはようございます。 」
ジーク「ノアは?」
アリィ「暫く起きないかもね。」
そう言いながら、アリィは自分の寝ていた所けら、何かを抱き抱える。
アリィ「ほら。」
ジーク「あれ人型じゃないな。」
ポルポル「ギギギ…。」
ルスベスタン「…ノアさんですか?」
ジーク「よく分かったな!?」
ルスベスタン「寝息が独特すぎる…!」
アリィ「あ、そこ!?」
ゆらゆらと心地よい振動が伝わる。
目を開く。柔らかい日差しが、目に入る。
ポルポル「ギィ。」
アリィ「あ、おはよう。ふふ。」
ポルポル「ギ?」
アリィ「んふふ。やっぱり気付いてないんだ。今私が名付けた時の姿だよ?ポールポル。」
そうニヤッとアリィは悪戯っぽく笑う。
ポルポル「ギ!?」
慌ててアリィの腕を抜け出し、元の姿に戻る。
ノア「えなに!?なんで!?」
ジーク「それはこっちが聞きてぇよ…。」
ルスベスタン「夜更かししたからでは?」
ノア「夜更かしって程じゃないし、あれは不可抗力!というかごめんね。運んでもらって…重たくなかった?」
アリィ「…あのね、多分ノアも気づいてないと思うんだけど…ポルポルの姿のときって…本当に内蔵あるのかな、綿だけなんじゃ…みたいな軽さだよ。いやまぁ綿は入ってないだろうけど…。 」
ノア「綿…まぁとにかく重たかったならいいよ。起こしてくれればよかったのに。」
ジーク「でもポルポルの姿って生命エネルギーの節約するための姿だろ?なら起こしたくは無いな。」
アリィ「そーそー。」
ノア「あ、ありがとう…。でも体調も悪くもないのになんで…。」
ルスベスタン「何か普段と違うことはありました?」
ノア「んー…夢を見たかな。普段滅多に見ないんだけど…。」
ルスベスタン「夢ですか。…どうやら熟睡したり、気が抜けると先程の愛らしい姿に戻るようですね。今までなかったのは、恐らくニェヘマ君たちを警戒してのことでしょう。 」
ジーク「お前の口から愛らしいとか出るんだ…。」
ルスベスタン「酷いヒトですねぇ。」
アリィ「あ、ノアはご飯食べてなかったよね。はい。」
アリィはルスベスタンの背負っている大きな荷物入れに手を入れ、そこから植物をノアに手渡す。
ノア「ありがとう。荷物…」
ジーク「ああ、昨日背負って俺は肩が痛いから、ルスベスタンに持って欲しいって頼んだんだ。」
ノア「なんでいつもみたいにしないの?ほら、ボクが持てばよくない?」
アリィ「いやその姿では…そもそもあれどういう仕組みで…」
ノア「何って…人間が使ってる大容量圧縮装置付きバッグと一緒だよ。あれはそもそも…魔法で出来てる。」
ルスベスタン「…魔法で?」
ノア「うん。人間にそんなこと出来るとは思えないけど。」
ルスベスタン「道理で…」
ジーク「何か心当たりでもあるのか?」
ルスベスタン「…あるにはあります。色々と。ハピィおじさんは、自分で原理を理解できないものを売りたがらないんです。どこかで、人間の技術ではないと勘づいていたんでしょう。 」
アリィ「どうやって作ってるの?」
ノア「えーとね、箱をイメージして…その中に荷物が入ってるのをイメージするんだけど…荷物の量に合わせて、箱をどんどん大きくさせる感じ。」
ジーク「魔力は? 」
ノア「結構消費量が多いね。」
ジーク「ダメだダメだ。ルスベスタンが運んでくれ。」
ノア「分かった分かった!いい方法があるよ!」
ジーク「聞こう。」
ノア「ポルポルの姿ならほっとんど魔力を消費しないんだ!荷物を持つのもそう!だから、ね?道中はさっきの姿で…」
アリィ「悪魔に近づかない保証があるならね。」
ノア「う…分かった、約束する!もし破ったら埋めてもらっても構わないよ。」
ジーク「よし。」
ジークは歩いているルスベスタンの背中から器用に、荷物入れを外し、ノアに手渡す。
ジーク「アリィ、櫻雨町で、シャベルを買おう。」
アリィ「いいよー。」
ノア「信用…!」
ルスベスタン「…もたもたしてると置いていきます。」
ポルポル「ギィー!」
アリィ「…まってこの道やめた方がいいかも。」
ルスベスタン「特に音や気配に異常はありませんが…。」
アリィ「ええと…」
ジーク「悪魔か? 」
アリィ「そんな気がするというか…」
(私…ルスベスタンに言ってないんだよね…魔法が使えるのを。ポルポルが気づいてくれれば、いいんだけど…)
ポルポル「ギ?」
アリィ(ダメそう…。)
アリィ「ええとポルポルがソワソワしてるような…。」
ルスベスタン「ふむ…。」
ルスベスタンはしばらく考え込む。
アリィ(流石に苦し紛れすぎるよね…。)
ルスベスタン「…音が一切しないのは怪しいですね。待ち伏せされている可能性が高いです。そういうことにだけは知能が働く悪魔もいますから。どうしたらよいと思いますか?」
アリィ「えっ、ええと…」
ジーク「反対側に進む訳にも行かないしな…。」
アリィ「街道は避けたい…。」
ルスベスタン「分かりました。では街道から外れて大きく回ります。少し歩くのに、日数を要するかもしれませんが。ですが…大きく外れると相手に気付かれる可能性があります。かといって相手が諦めるまで、留まり続ける訳にも行きません。少々無茶をすることになると思いますので、お覚悟を。 」
アリィ「分かった。」
(良かった…なんで分かるんだとか聞かれなくて…。)
ジーク「アリィとルスベスタンで先導を頼む。俺はあまりポルポルの様子に気づけなくてね。悪いな、アリィ。 」
(ルスベスタンは多分気づいているが…あえて聞かないでくれている。ここは好意に甘えるとしよう。)
アリィ「大丈夫。それじゃあ行こうか。」
ジーク「…っ…ん?」
ポルポル「ギ?」
アリィ「ジーク?どうしたの、急に止まって…」
ジーク「いや…足が動かなくて…」
ルスベスタン「その足…!」
ルスベスタンがジークの足を指し、全員気づく。ジークの右足を掴んでいる、黒い影から伸びた腕に。
ジーク「足が沈んでやがる…!」
ルスベスタン「恐らく動きを変えたのに、気づかれたのでしょう。 」
ジーク「なぁ、その解説今じゃなきゃダメだったか!?」
ルスベスタン「魔法でしょうか?早いとこ引き上げませんと…」
ノア「それはダメ!!下手なことしたら引きちぎれる!」
アリィ「ひきちっ…!?」
ルスベスタン「承知いたしました。大人しく1回連れて行かれてください。」
ジーク「えぇ!?」
ノア「何か追跡出来るものとかない!?魔法を使われたせいで、魔法分しか感知出来なくて、使ってる悪魔の魔力が感知できない!」
ジーク「そんなものあるわけ…!…あ。」
ジークは思い出す。ジハードの魔法で、紅茶が完全に影響を受けていなかったのを。
ジーク「頼む…あってくれ…!」
がむしゃらにポケットに手を突っ込む。
ジーク「あった!これ持っとけ!」
ジークは大慌てでポケットにあったものを砕き、ノアに投げ渡す。直後、ジークは地面に沈み切る。
ルスベスタン「今更なんですけど…地面の中で息出来るんでしょうか…。」
ノア「あの魔法を使う悪魔をボクは知ってる。大丈夫、あれは地面に沈んだように見えてるけど、実際はもっと違うところに出ているはず…」
アリィ「娯楽小説に出てくる転移、みたいな?」
ノア「そう、それ!」
ルスベスタン「何を渡されたんですか?…石…じゃない。生物…?」
ノア「待って待ってなんか動いてる!」
アリィ「…ジークさっきこれ、砕いてたよね?」
ルスベスタン「ええ。」
アリィ「…その石、多分ジークが持ってるもう1つの砕けた石に、くっつこうとしてるんだと思う。急いで追いかけよう!」
ノア「分かった!」
ジーク「…ど、どうもぉ〜…。」
ジークはにへらと笑う。
女性らしい部位のみ集めて、出来た人型の人形のような悪魔に向かって。
悪魔「………。」
ジーク(くっそが…!さっさと降ろせよ…!逆さまに持ち上げられてるせいで、頭に血は登るし、矢筒に入れていた矢は落ちたし…!近接は苦手だが…一応ルスベスタンに叩き込まれてる。でもそれは…ヒトが相手の前提条件だ。)
ジーク「…っは…!」
どうにかこの状況を打破しようとする思考を、大きな痛みで止められる。
掴まれている足からミシミシと嫌な音が聞こえた気がする。
ジーク「っ〜!」
声にならない悲鳴が出る。
ジーク「っだぁっ!クソがっ!」
掴まれていない、まだ動く左足でがむしゃらに顎のような部位を蹴りあげる。
悪魔「…っキュエアアアァ!!」
悪魔は顎のような部位を蹴りあげられ、思わずジークを落とす。
ジーク「怒りてぇのはこっちだわ!」
ジークはそう言いながら、矢筒から落ちた矢を拾い上げ、近くの高い木に登る。
ジーク「くそ…足がいてぇ…。ん?」
ジークがふと木の幹を見ると、既視感のある黒い影から腕が伸びてきているのが見える。
ジーク「ああもう冗談じゃねぇ!」
右腕をまた影から伸びた腕に引っ張られる。
かと思えば、次の瞬間には頭が強く地面に打ち付けられる。
ジーク「いっでぇ…!」
痛みにもがく暇もなく、また悪魔は腕を振りかぶりジークを地面に打ち付けようとしている。
ジーク(…こいつ…なんで喰らおうとしないんだ…?まるで…痛めつけることを優先してるような…。)
身体が浮くのを感じる。
地面に叩きつけられる前に、上着からナイフを出し、掴まれた腕を切りつける。
悪魔「アアアァァァァァァァァァァ!!」
ジーク「危ねぇっ…!」
痛みに驚き、悪魔はジークを放り出し、ジークは慌てて受身を取る。
ジーク「…右腕は…」
自身の右腕を見ると、ナイフによって悪魔と同じく出血していた。
ジーク「まぁあんだけがっちり掴まれてりゃな…。むしろ想定より少ない。」
弓を構えようとする。頭に大きな痛みが走り、構えるのを止める。
ノア「居た!」
頭を抑えていると、アリィの声が聞こえる。
急ぎ早に、こちらにかけてくることが分かる足音が聞こえる。
アリィ「ジーク、大丈夫!?」
ジーク「大丈夫ではねぇな…。」
突如現れたアリィとノアには目もくれず、
悪魔をルスベスタンの方を見る。
悪魔「あああぁぁぁ…あああああぁぁ!!」
ルスベスタン「威嚇ですか。」
ジーク「ソイツ…分かりにくいが知能型だ。喰らうことよりも、完全に痛めつける方を優先してた。多分…。」
ルスベスタン「ええ、自分もそう思います。どうやら、男性だけを狙っているようですから。 」
悪魔「キュエエエエエエイ!」
悪魔が空中にできた影に腕を伸ばす。
ルスベスタン「ほっ。」
ルスベスタンの足元に影から伸びた腕があったが、ルスベスタンは飛び上がって避ける。
ルスベスタン「自分が囮を引き受けます。その間に、何も無いような開けた場所に、ジークさんを避難させてください。頭部から出血してますので、早急に止血を。」
ジーク「え俺頭血ぃでてんの!?」
アリィ「わかった…!」
ノア「ボクは君を手伝うよ。この悪魔は知ってる。多分もう君は気付いたから、解説は必要ないんだろうけど…ボクが殺してあげたい。 」
ルスベスタン「承知いたしました。解説もお願いします。あくまで自分のは憶測ですから。」
ノア「…ユクニス。影を通して、転移する魔法を持ってる。 」
ルスベスタン「対策は?」
ユクニス「ヅァアアアアア! 」
ノア「後ろに大きく下がること!」
ルスベスタンが後ろに下がったと同時に、ノアに嵌めていた輪を悪魔に投げ、切りつける。
ルスベスタン「なるほど…相手はもちろん、自分も転移できると…」
ノア「対策はこんな森じゃない、障害物のない場所に出ること。でも、ボクらの影も、彼女のテリトリーだ。」
ルスベスタン「つまり?」
ノア「常に動き続けること。一定時間僅かに必要だから。」
ルスベスタン「面倒ですねっ!」
目の前に現れた影に剣を1本突き刺す。
するとユクニスは悲鳴をあげる。
ルスベスタン「こっちからも干渉できると…。ハンター協会のランクならきっと、彼女はSクラスでしょうね。厄介すぎる。」
ノア「だろうね。あの見た目も…」
ルスベスタン「ええ。これは人々にある本能的な恐怖でしょう。あの外見を拒んでいる自分がいます。」
ノア「まるで命で遊んでるような…」
(故郷にいた頃の彼女はこんなじゃなかった。誰かをいたぶるような事も…心優しくて…)
ノアは失ったものの大きさを感じる。
ルスベスタン「なにぼーっとしてるんですか!」
ルスベスタンはノアの肩を突き飛ばす。
ノア「あ、ああ…影か…ごめんよ。」
ルスベスタン「全く…なんとなく何があったのか分かりました。彼女が抱いているのは恐怖。」
その先をルスベスタンは口にしない。
ルスベスタン「…ここで殺してあげましょう。先程のようなヘマをしないでくださいね。」
ノア「ごめんってば。わかってるよ。」