― 絶えなくその場を閉じ込めるような重苦しい雨が降っていた。 ―
そこではある2つの国が対峙していた。
米 「なぁイギリス やっぱり俺 , 自由を選ぶよ」
「もう子供でもないし君の弟でもない たった今俺は君から独立する 。」
「認め . . っ !」
英國がマスケットを抱 、 土に染み込んだ水溜まりを打ち鳴らしながら走ってくる
美國は防ごうとするが , 完全に油断してしまっていた 。
マスケットの銃口は , 紛れもなく美國の額に向いている .
初めてしっかり兄の眼を見た 。
どこか涙の底に滲む色をしていた , だが今の俺には腑に落ちないようだ .
しかし嫌な汗が滲むような気がした
引き金を引く音が聞こえる 。 そう気付いた頃には世界が歪み初めていた .
その瞬間 世界から音が消え 、時の流れが完全に止まったかのように思える 。
「 っ __ ぅ” あ … ?」
そこに崩れ落ちる . 反射的に額に手を当てた 。
雨の中でもほのかに鉄臭さを感じる。あっという間に手の間から深紅の色をしたものが滴る。
血の気が引いた。
英 「 ぁ メ “ リ . .カ__ ? 」
彼を見た。呆然と立ち尽くしている 。沢山の時間を一緒に過ごしてきた弟として、またいつものくだらない言い訳でも考えているのだろうと .
でも今回はそのようではなかった。
なんと言えばいいのだろうか . . 強いていえば 、生気のない顔だった。
絶望とはまた程遠い , 見た事のない兄の顔。
世界に見放されたような .
いつもだったら、「自分でやっといてどんな顔してるんだいキミ 。」とか、呆れて突っ込むのが平常だ。
英「 ア メリ __」
美國は頭が霧に侵略されていくように , 無力感に襲われ始める。
国だから死ぬことはないのか , だが何かが失われる , 国として 。
光が遠のく 色が喪われる 。焦点が合わなくなる .
その中でも 、 自分の兄 , 否 今はそうでは無いかもしれない。
それに対して 、静かに言い切る .
米 「 兄 ” ちゃ . .ん , 自分勝手で 、 . ご め ん な さ い _ 」
美國は天命を全うした 。
彼は目の前の信じられない光景に 、 ただ立ち尽くす 。
本能的に夢だと信じたかったが , 痛いほどに雨が体を打つ .
彷徨っている視線をどうにか目の前に _
目に濁った血痕が映る 。
「ぉ ゛ え …」







