テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
667
麗奈
111
10
注意
前回の続きかもしれません。
つまり激重です。
注意して見てって ね
留まりたかった。
長く、このままでいたかった。
だから、錨を下ろした。
もう上げられないと思っていた。
変わりたくなかった。
…いや
変わってほしくなかった。
結局、僕が止めようとしていたのは僕じゃなくて君だった。
ただの我儘だった。
受け入れたくない。
認めたくない。
分かってたはずなのにね。
変わらないなんてないって。
これがいわゆる「諸行無常」ってやつ?
よく分からないけど、これを言った人も無情だね。
不変なんて、人間にとっての理想なのに。
話が逸れた。
変わってほしくなくて、このままでいて欲しくて、ここにいて欲しかった。
変わってしまって、離れて欲しくなかった。
…だけど。
僕も僕で、変わらないとね。
蛹はいずれ羽化するし、
卵もいつかは雛になる。
離れてしまう前に、変わってしまおうか。
さあ、錨を上げて。
引き抜いて。
出発と行こうか。
過去とのさよならをしてね。
コメント
1件
うわ……重い、けど、すごく響きました。「留まりたかった」で始まる冒頭から、もう切なくて。特に「僕が止めようとしていたのは僕じゃなくて君だった」って気づきの一文、胸に刺さりました。変わらないでほしいと願うことの我儘さと、それでも変わっていくしかない矛盾。「錨を上げて」というラスト、別れと決意が静かに迫ってくるようで、余韻がすごいです。短いのに深くて、何度も読み返したくなるお話でした。