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少女戦姫

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少女戦姫

37 - 弐章 準決勝(リナ&カナ編)➁

2025年01月15日

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さて、リナが盛大に煽ったおかげで私が頑張らないといけなくなったわけだが、どうしたものかな……。時間無制限でマップ変わらずシティマップ、相手の武装はどうかな?

「初期型のビームライフルのレベル5くらいとバックパックは鳥の羽のような見た目の推進力が比較的高いフェザーブースターで腰部についてるサブブースターはデフォルトスラスターのレベル5、か。盾も少し大きめのラージシールド。機動力はまだ私の方が高いが、サブウェポンで恐らくENタンクを増やしたりスラスターの強化をしていたりする可能性が高い感じかな。なるほど?確かに持久戦は向いてないかも」

「第一試合見させてもらったけど、あんたとんでもなく速いのね?」

「そういう調整にしてるからね?」

「けど、そんなに速くともここはシティマップ。障害物はたんとある。入り組んでいては動きにくいでしょう?」

「建物は破壊できるんだけどその点についてはどうお考えで?」

「あなたの武装では建物の破壊は不向きのはずでしょ?それに私だってむやみやたらに破壊するほど馬鹿じゃない。」

「まぁ、直剣にサブマシンガンだからね?建物壊すのにはミサイルとか積んでたらよかったんだけど残念。今回は積んでこなかったんだよね。だから代わりにあなたが壊してくれればと思ったんだけど?」

「言ったでしょう?目的は貴女のガス欠なの。だからそんな簡単に建物は壊さないし、貴女自身も壊せない。貴女が壊せな理由は武器のほかに私が近づくための壁がなくなるから。違うかしら?」

「うーん、ご名答!真っすぐ突っ込んで楽に勝てるとは私も思ってないさ。障害物があれば楽に近づけるしあるに越したことはない。でも、なくても私の速さなら行けるね。」

「そう?それじゃあ今ここでそれを証明してよ!」

その瞬間カカルナは煙幕を発生させる。

(私から逃げるための目くらましか、はたまたガス欠狙いと言いつつ奇襲してくるのか……。どっちかな?まぁ、どっちだとしてもやることは変わらない。相手を見つけて斬り捨てるだけ。とりあえずはそうだね……。見晴らしのいい高台にでも行ってみようかな?相手の攻撃を誘う意味も兼ねてね。)

煙幕を気にせずブースターで上昇しビルの上に立つ。マップ全体を確認したところそれらしい人影は見えず、恐らく建物内に隠れているのだろう。残念ながら今の私の武装では建物破壊は難しい。サブマシンガンでは建物破壊もできず、レンジ的にも相手のビームライフルにも負ける。代わりに得意レンジに入れば高威力を出せる言ってしまえばロマン砲のような立ち位置ではあるが、これをロマンで済まさず、地形を利用した距離の詰め方など工夫すれば何とでもなるため今回に関してはロマン砲のような賭け技ではない。もちろんこの話は相手が建物を壊さない前提の話ではあるが、相手の狙いは私のガス欠。なら、建物破壊は避けるはず……。

「まだまだ戦姫大戦の知識が浅いみたいね貴女も、そのマスターも……。」

瞬間、背後からビームライフルによる射撃音が聞こえ振り返る間もなく被弾し再び煙幕の中にと落とされる。

(なに!?ビームライフルの射程圏内だったのか!?いや、ビームライフルの射程はアサルトライフルとほとんど変わらないはず……。確かに長距離特化のビームスナイパーライフルなら射程も長く弾速に影響はないが、あいつが使っていたのは初期型のビームライフルだった。それなら射程的に足りないし、仮にあったとしてもここまでここまでノックバックはないはず……。となるとある可能性は相手の積んでるスキルによって射程と威力が上がる何かがあったのか?幸いなことに体力はそれほど削れてはいないところを見るともう一回くらいは体で検証を出来そうだ。)

「その攻撃の謎確かめさせてもらう。」

再度上空に飛び上がりビルの上に立つ。射撃された方面を一応向いて構えるが恐らくすでにポイント移動をしているはず。どこに移動しているかまでは流石に把握できてはいないが……。

「さて、どこから私を狙ってくれるかな?」

「……。あれは完全誘ってるよね。そんな分かりやすい誘いに私が乗るわけないでしょう?こっちはあんたのガス欠で勝ち確みたいなもんなんだからさ。」

カナの誘いには乗らずにじっと息をひそめるカカルナと予想通り誘いに乗ってこなかったと確認するカナ。今時点ですでに時間は五分ほど経過していた。

(なるほど……。やっぱり私の誘いには乗らないよね。まぁ、乗ってきたらそれはそれでライフルの謎が分かるし居場所も特定できる。逆に出ないなら出ないで狙いが本当に私のガス欠を狙ってると推測できる。そして現状は後者のガス欠狙いだと思ってもいいだろう。が、動かなければENを消費することはないのでまだまだガス欠には程遠いがこの状態が続くのは大会として見栄えが悪いことこの上ない。なので、仕方なくこれは私の方からアクションを起こすことにしよう。)

「今私の持つ武器はサブマシンガン二丁とデュアルハンドガンという組み合わせ。あまりにも近接特化過ぎるが、機動力は恐らく今大会一番で間違いないだろう。なのでこの機動力を存分に活かした立ち回りをしてあげるのがエンターテイナーという奴だ。」

直剣を鞘に納め代わりにハンドガン二丁を取り出す。そしてビル上から飛び降り建物群を颯爽と駆け抜けていく。

(動いた!?しかも建物群を遮蔽にしてこちらに気が付かれないように奇襲を仕掛けるつもりか?しかし、こちらの方が有利なのは変わらないはず。今いるこの場所は入口が二つしかない。部屋の出入り口一つと今外の状況を確認している窓の二つのみ。なら、警戒するべきはこの二点で扉を背にしているためそこの警戒を高めるか、対策をするべきだろう。なら私は後者の対策の方をとる。と言ってもやることは至って単純で、ワイヤー式のトラップを設置するだけ。扉が開くと栓が抜けて爆発するように設置する。私も巻き沿いを喰らいそうだが窓があるため、ピンが抜けたのを確認したらすぐに外に避難すればいい。大丈夫だ。何も心配することはない。この場所に到達するころにはガス欠一歩手前だろうから落ち着いて対処すれば勝てる相手だ。)

脳内でしっかりとプランを組み立てすぐにワイヤー式のトラップを作成し設置する。その後、すぐに窓際に立ちライフルのスコープをのぞき込み周囲の警戒を始める。

(射撃特化ではないにしろ待ちの姿勢はどの型でも安定した功績が残りやすい。この策の弱点は爆発物だが、相手は爆発物は何もないためその考えは必要ない。なら、私の策を相手に押し付けるだけでいいのだ。焦るなよ私……。)

直後近場で爆発音が鳴り響く。十中八九彼女で間違いはないだろうが疑問点がいくつかある。まず一つ、今の『爆発音』は何なのか?武器構成的に爆発音がなることは極めて低い。サブマシンガンにピストルとこの二つでは仮に爆発が発生してもこんな轟音が鳴り響くはずがない。となると可能性としてあるのは何か火薬庫のようなものに引火した可能性だ。しかしここはシティマップなので火薬庫なんて存在しない。火薬庫のような役割を果たすものは……。

「……そうか!道路に止めてあった車か!あれならサブマシンガンでもピストルでも爆発を誘える!だが、銃声が聞こえなかったところを考えるにピストルはサプレッサーが付いている可能性が高い……。しかし、そうだとしてもこれに何の意味が……。」

試行してる間にも周辺のビルが爆破されていく。幸か不幸か、はたまた狙ってやっているのか、カカルナがいる場所を除いて建物が崩れていく。

(くっ……。一体何が目的なんだ?私をあぶりだすための陽動?それとも本当にあてずっぽうでの行動か?何を考えてるのか分からないが相手が無駄に動いてくれるならそれに越したことはない。こちらの狙いであるガス欠を相手は理解したうえでこの行動をしてるんだ。策があるのかもしれないがそれ以上に動けないというリスクの方がデカいのにそれに目を瞑って行動している。有利なのは私に変わりない、焦るなよ私)

思案するカカルナをよそに外ではカナが大暴れしている。ビルは倒壊し、車が宙を舞う。だがしかし、そこにはカナの姿だけが見当たらない。

(一体彼女はどこに行ったんだ?外で暴れているにしても姿が見えないのは不思議ではあるが……。)

「……やっぱりここか」

その声とともに後ろの扉が開く音がし、それと同時に先ほどセットした爆弾が起動し室内が爆風に包まれる。窓辺にいたカカルナはその爆風で外に放り出されるが最低限のダメージで事なきを得る。

(まさかドアから普通に入ってくるとは思わなかったがあらかじめセットしていた爆弾のおかげで事なきを得た。が、外にこうして追い出されてしまったが外はかなり散々な状態だな。ビルも倒壊して『ビルだったもの』に変わり、車もぶっ壊れちゃって煙もそれなりに上がって視界が確保しにくい……。)

「ちっ……。一体どこにいるのよあいつは。」

「私を探してるみたいね?」

そういいながら先ほど爆破した建物から一人の戦姫がゆっくりと歩いてくる。

「……。とんだ化け物耐久してるのね?装備ランクはどっこいのはずだけど?」

「そんなもんその辺にあった瓦礫で身を防いだわよ。」

「化け物具合は耐久じゃなくてその反射速度とかだったか。」

「まぁ、そんなことはどうでもよくて今私が知りたいのは貴女のそのライフルについてかな?見たところロングライフルでもない初期型のビームライフルなのに射程が伸びてるのが不思議でね」

「なるほど……。これを知らないってことは『戦姫大戦』初心者なのは確かなようね。いいわ、それくらいなら教えてあげる。私が使っているのは貴女の言う通り初期型のビームライフル、でもこれは同じライフルを合成して武器のレベルを上げたものなの。そしてそれを行うことで武器の性能が上がるのは知ってるかな?」

「えぇ。一応知ってるわよ。」

「その強化項目の一つに射程強化というものがあってね。威力は少し落ちちゃうけどさっきみたいに奇襲したりするのに優れてるから私は愛用してるのよ。」

「なるほどね。強化って大事なんだね、これで射程問題が解決したし、いい情報が聞けた。射程が伸びれば威力が下がるなら恐れることはないって感じね。」

「さて、それはどうかしら?ビームライフルはENがあればいくらでも発射可能で実質弾は無限に近い。更にビームライフルの特徴の一つに反射というものがある。これは特定の装備についているスキルでビーム系の攻撃を弾くという特性だが、通常はこの特性は防具や盾に使われるものだが強化次第では武器にもつけることが可能。この説明の意味、分かるかな?」

「要は実弾で言う跳弾のようなことがビームでも可能になるってことか。」

「そしてこれはこちらの出力次第で反射するかどうかを決めることができる。どうかな?理不尽という言葉が似あう良いスキルだよなこの反射というスキルってさ。」

うーん。これはこれは厄介な事この上ないが、今のバトルフィールドは私が暴れたから遮蔽物はなく反射するための物はほとんどない。しかし、反射するものがないのにわざわざあいつがそれを説明するのはおかしい。てことは、まぁ確実にその反射を活かした攻撃をしてくるわけだ。時間かければ何とかなるが、私の構成ビルドは燃費が非常に悪いためそんな時間はない。だからこそこうしてバトルフィールドを荒らしたんだけど……。何はともかくここから真っ当な戦闘の開始だな。

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