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書類の積もった、冷たく重い会議室
カチ、カチ、と規則正しく刻まれる音だけが静まり返った部屋の中に響いていた。
淡々と1人作業を進める彼一一。国際連合、もとい国連の元へ訪ねてきた者達がいた。
控えめなノック音が二度。
声をかけようとしたそのとき
「よお国連!元気かー!!」
扉が勢いよく開かれて元気すぎる声と共に
ズカズカと入ってきては徐に専用の椅子に腰掛けた彼はアメリカ。
「礼儀がなってませんよ。そんな子に育てた覚えはないんですがね」
イギリスはため息まじりに席に着いた。
そんな彼らを見てフランスも楽しそうに笑いながら席に着いた。
「ほんっと元気アルね……」
呆れたように言いロシアの手を引き中国も静かに席についた。
「理事国様。彼等は一体どのようなご要件でいらしたのですか」
全く喋らない異例のお客さんに痺れを切らした国連は理事国たちに問いかけた。
「本人達から聞いてくれ、な。俺達も知らないもんでな。」
そういいアメリカは早く言いなと言わんばかりに客達に目配せをした。
『国連さん。ご提案があるのです。
私達だけの“証”を作りませんか?
管理とかいう目的じゃなく、生きているという“証”が欲しいんです。』
国連の目を見て日本はきっぱりと伝えた。
少し震えながらも芯のある声で。
「……“証”、ですか?」
国連は少しの間無言になり視線が泳いだ。
「…まさか、日本様からそんな提案が出るとは、思いもしていませんでした。」
そう国連はすこし苦笑いをしながら言った。
「いえ、これはイタリアさんやドイツさんも一緒に考えたことですよ。子供達を守るためのお守りであって、私たちが仲間だという目に見える“証”……なんて良くないですか?」
そうへらっと笑いかけながら日本は聞く。
……少しの無言の時間を切り裂いたのは
「いいじゃないかジャパン!俺はめっちゃいいと思うぜ!」
というアメリカの元気な声だった。
それに続くように
「そう、だね…とてもロマンチックだ。」
フランスはほんの一瞬どこか冷たい目をしてすぐにいつも通りの調子で言い放った。
「理事国様は皆様賛成…ということでいいのですか?」
国連はそう理事国達に問いかける。
「ああ。断る理由もない」
「いいものだと思うアルよ」
「そうですね…。子供達にとっても安心できる代物だと思いますし。」
そう言い、皆が各々返事をした。
「了承致しました。とりあえず日本様、イタリア様、ドイツ様お座りください。というか座ってくださってよかったのですよ」
「いや、礼儀として立っていたまでだ。」
そういいながらドイツは静かに席に着いた。
そんなドイツの横にイタリアは当然のように座り日本もそんな2人の隣に座った。
「案、いくつか考えてきました。」
日本は資料を開きながら話し始める。
「国連さんの色…水色を基調としたピンなんてどうでしょう?それぞれ州ごとに色合い分けたりしたらわかりやすいでしょう。」
「ていうか……なんで僕ばっか、2人もちゃんと喋ってよ」
日本は頬を少し膨らませる。
「悪かっただすな…。」
「えっと…あのだな。普通のピンでは喪失の可能性があったりと安全性に欠けるから国連の力で存在に結び付けてみるのはどうだ?」
ドイツが静かに言った。
「あとあと!」
イタリアが勢いよく立ち上がった。
「ちゃんと“生きてる証”としてさ、イオたちの鼓動とかに反応して色が変わるようにするのはどうかなって!」
「お前たち最高だな!!いい案だぜほんと!」
アメリカが嬉しそうに声をあげる。
「承知致しました。」
国連は壇上の書類をまとめながら言った。
「制作はEUとNATOとの話し合いで決めます。最終決定は理事国様に。
それで大丈夫ですか?」
「もちろん。だってアメリカさん達ですもん」
日本はにこっとして答えた
「では。これで失礼する。」
「よろしくなんね〜!」
「ありがとうございました。」
3人はそう言い、部屋を後にした。
残された理事国達を前に小さく息を吐いた。
「では、会議終わらせちゃいましょうか」
ー制作秘話1 おわり