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_翌日
御茶屋は、相変わらずメテヲの眠る病室の、椅子に腰掛けていた。
ただ静かに、心電図の音だけ聞いて、何かを話すことは全くない。
ここを包むのは静寂だ。
_酷く無機質な、静寂
ただ黙っている御茶屋は、1人で何かを考えることはせず、本当にただ、ぼうっとしていた。
「…」
その時だった。
「…あ、れ…?こ、ここは…」
「…え。」
あの日から6日。ようやく彼は、覚醒の時を迎えたのだ。
____
「…」
一面に広がる、草のような緑が視界を覆う。
ここはどこだ?
どうにも空のような色は一切なく、全てが緑に染まっている。
「…ど、どこ?」
目が覚めた彼は、思わず呟いてしまう。
だが、しばらく放心していると、誰かの声が聞こえる。
酷く呑気そうな、男の声だ
「大丈夫っすか〜?」
「能力、█████から聞いてからどんな感じなんだろう?って思ってたんすけど…」
それは、ひどく反響する。
まるで今も洞窟にいるかのようだ、からっとした空気が、声を響かせるには十分な程の空間を出している。
だが、おかしい。
「…メ██さん!!大丈夫ですか!?」
今度は、純粋な声が聞こえる。
どこか幼く、おどけた声だ。
メテヲは、必死に答えようとする。
仲間が呼びかけているくせして、答えられないなんてリーダーとしてどうなのか?
そう思い、声を、絞り出そうとする。
だが途端に、タヒにたくなるほどの頭痛と耳鳴りが、メテヲを妨害する。
「おい…言ったよな、つか█過ぎだって、いくらそれが強█とは█え…」
今度は頼りがいのある、自身よりは歳のいった男の声。
「██ヲさんのおかげで、遺物がこんなに██ですよ!!」
(…ご、め…)
(…ごめ…)
メテヲの目から、大粒の涙が溢れ出す。
それは強すぎる痛みか?言いようのない悲しみか?
涙を止めようとする、だが意思に反して、今は、今は止めることが全くできない。
わからない
わからない。
「…ぅ、うぅ、」
広がる緑に向かって、手を伸ばそうとする。
「…メテ█さん…?大丈夫ですか…?」
いつもは驚くほど冷静なくせに、遺物を前にすると子供みたいになる、そんな女の声が、メテヲに近づこうとする。
メテヲは思わずそれを取ろうとした__
__だが、途端に感覚が遠くなる。
わかっていた。
自分が、罪を犯してしまったことくらい。
空のように広がる緑は霧のようにゆっくりと晴れ、次第に色も、痛みも、全てが戻されていく。
わかっている。
今この幻覚から解放された時が、彼らとの最期だと。
「…ご、め…」
メテヲは絞り出すように、謝った。
いつもは、いつもは謝るのを止める側だった、それなのに今は、謝りたくて仕方がなかった。
「ごめんなさ…!!!」
だが、それを受け入れるのが、嫌で嫌で仕方がなかった。
もう、戻れないというのに。
_____
メテヲの声が”彼ら”に届くことはなく、ただ白い、白い天井と、孤独になった自身のみが遺されていた。
_御茶屋はそんなメテヲの様子を、目を丸くして呆然と見ていた。
落ちる夢を見たあとに身体が跳ね上がったかのような不快感が、メテヲを襲った。
「…えっと…」
「…?だ、誰ですか…?」
心底引いていそうな御茶屋の声に反応し、御茶屋の方を向きながらそう問いかける。
「あ、すみません。」
御茶屋は表情を固くすると、自己紹介を始めた。
「…ヴァゲリスタ財閥の御茶屋と申します。」
「ざ、財閥?」
「なんでメテヲになんか興味…」
「貴方、ニュースになってますよ。」
「……」
メテヲはしばらく放心する。
寝ぼけた顔をしていた彼が、だんだんと困惑を見せていく様子は、 正直少し面白かった。
だが笑ったら失礼に当たるだろう、そう思い必死にそれを堪えた。
「ま、マジですか?」
だが、腑抜けた声でそう聞く彼があまりに面白く、脳にまで達しそうだった悦がこぼれていく。
「…っふふ…っははは…」
御茶屋は静かにそっぽを向いて笑っていた。
あんなに苦しそうだったくせして、元に戻った瞬間変に人間らしい側面を見せてくるメテヲが、今の御茶屋にとってはかわいそうとも言えるのかもしれない。
だがそれを抜きにしたとて、笑ってしまうものはしょうがないと自分を言い聞かせた。
「ご、ごめんなさ…っふふ…」
「何!!?」
メテヲは声を荒らげた、何故笑っているか、彼には分からないからだ。
「…なんか、っふふ…悪夢、見てましたよね?」
「…ぁ…」
御茶屋は堪えていた笑いが一気に出てくるのを感じる 。
堪えきれない。
あれが無自覚なら、本当に一切気がついていなかったのだろう、と。
(わ、笑っちゃいけないんでしょうけど…!っふふ…あははっは……!)
彼の差のありすぎるテンションに、思わずアニメのようだと感じてしまう。
(…だ、ダメですよ御茶屋…!笑ったら本当に失れ…)
それをメテヲが言いづらそうに、困ったような顔で静止した。
「…あの〜…笑ってるのはいいんですけど…お、御茶屋さんでしたっけ?」
御茶屋ははっとなり、メテヲに向き直る。
「何が起こってるんですか?ニュースとか、というかここ、病院…? 」
「え、えぇ。」
しばらく、沈黙が流れる。
_最も、御茶屋の声はメテヲでもわかるほど震えているのだが。
「ふぅ…」
呼吸を整え、冷静な御茶屋にだんだんと戻っていく。
「…崩落事故の被害者…なんですよね。」
「…あまりに大規模なんですから、財閥の間でも色々起こってるみたいなんですよ…。」
「…あ…」
「…ひがいしゃ…かぁ。」
メテヲは御茶屋の言葉に引っ掛かりを覚えた。
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#グロテスク
観測者l!!@暑すぎて溶けた☆
38,248
#mmmr
菜津/natsu
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