チリンッチリンッ_と鈴の音が鳴り響く。
目の前には幼なじみの凛(りん)ちゃんの姿があった。
「早く行こ!陽菜(ひな)!」
笑顔で私の手を握って横断歩道を渡ろうとする。
凛ちゃんといると楽しいし落ち着く。
この子は私にとってかけがえのないない存在と強く言える。
毎日幸せな日々を送っていると実感でき…
「陽菜っ!危ない!!」
ギュッと握られていた手が突然離され、凛ちゃんに強く突き飛ばされる。
凛ちゃんの顔の表情は驚いていたようだが、すぐに微笑みを浮かべる。
その時、ドンッという音と共に視界から凛ちゃんが黒い大きな物と消え去った。
尻餅を着いた私の目の前には見覚えのある紐が切れたキーホルダーが落ちていた。
凛ちゃんとお揃いの鈴のキーホルダーだ。
周りがクラクションと悲鳴で騒ぎ始める。
状況が理解できた私は、凛ちゃんの方向を見ることができず、落ちているキーホルダーを手に取って胸の前で握りしめた。