テラーノベル
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💛💜「無理」
二人の返事は綺麗に重なった。
照の父は腕を組む。
「そう言うと思った」
辰哉の母も笑いながら頷く。
「だからもう部屋は契約してあるの」
💜「……は?」
💛「部屋?」
机の上に一枚の紙が置かれる。
賃貸契約書
住所も間取りも書いてある。
💛「ちょっと待って」
💜「本当に契約してるじゃん!」
「家具も揃えてあるわよ」
💜「行動早すぎる!」
「半年限定だから安心して」
💛「安心できる要素どこ」
────────
三十分後。
親たちの説得は終わらなかった。
「半年だけ」
「嫌なら婚約は解消」
「生活してみなきゃ分からない」
何度も同じ言葉を繰り返される。
辰哉は小さくため息をついた。
💜「……照」
💛「ん?」
💜「半年耐えれば終わるんだよね」
💛「多分」
💜「じゃあ耐える?」
照も少し考える。
半年。
たった半年。
終われば全部元通り。
💛「……分かった」
💛「半年だけ」
💛「それで終わり」
辰哉は数秒固まったあと、小さく笑う。
💜「じゃあ俺も」
こうして。
本人たちの意思とは関係なく、同居生活が決まった。
────────
一週間後。
新居。
マンションの前で二人はスーツケースを持ったまま立ち尽くしていた。
💜「……入る?」
💛「帰りたい」
💜「分かる」
どちらも動かない。
その様子を、少し離れた場所から親たちが見守っている。
「ほら!」
「早く入りなさい!」
💜「見てる!」
💛「帰って!」
親たちは満足そうに帰っていった。
静寂。
💜「……」
💛「……」
💜「入るか」
💛「そうだな」
照が玄関の鍵を開ける。
ガチャ。
扉の向こうには、新しい家具と広いリビング。
ソファもテレビも、食器棚まで揃っていた。
💜「本気じゃん……」
💛「逃げ道ないな」
────────
荷物を運び終える。
辰哉が部屋を見回す。
💜「寝室二つある」
💛「助かった」
💜「同じ部屋だったら親訴えてた」
💛「俺も」
その瞬間。
二人は思わず笑ってしまう。
「あ」
笑ったことに気付き、お互いすぐ真顔に戻る。
💜「……今のなし」
💛「ああ」
────────
夕方。
冷蔵庫を開ける。
何も入っていない。
💜「ご飯どうする?」
💛「買いに行くか」
💜「賛成」
💛「歩いて行けそうなスーパーあるかな」
💜「スマホで調べる」
辰哉が地図アプリを開く。
💜「あ、徒歩五分だって」
💛「近いな」
💜「じゃあ行こ」
💛「財布持った?」
💜「……忘れた」
💛「早速か」
💜「まだ家にも慣れてないから!」
照は少し笑いながら、自分の財布をポケットに入れた。
💛「ほら、行くぞ」
💜「はーい」
並んで玄関を出る二人。
まだぎこちない距離感。
でも、同じ家から「行ってきます」と出ていくその光景は、どこか少しだけ新婚夫婦のようにも見えた。
もちろん本人たちは、そんなことに気付くはずもない。
#めめさく
ゆんしょ
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絶対辰哉
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コメント
3件

やーん、なんですかこの話💛💜 ラブコメっぽくてめちゃくちゃ楽しみです🥰
うわー、もう同居生活が始まっちゃったんですね!「無理」って断言してたのに、親の強引さに押し切られてしまう照と辰哉、面白かったです。「今のなし」って笑いを打ち消すところとか、まだ素直になれない距離感が絶妙で好きです。ラストの「新婚夫婦のようにも見えた」って一文も、これからどう変わっていくのか期待が高まりました。