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うわ、ラストやば……! お姉ちゃんが言ってた「夜におはようって言われたら答えるな」って伏線、まさかこう来るとは思わなかった。お母さんが迎えに来てホッとした矢面向こうの席に女の子が座ってるの、心臓止まるかと思ったわ。首が直角に曲がってる描写とか目が真っ黒なビジュアルもめっちゃ怖い。1話でこれだけゾワッとさせられるの、構成力あるな〜。続き読みたい🔥
「いい? みゆ、夜におはようって声をかけられても答えちゃいけないよ」
これから家を出るところなのに、お姉ちゃんはまたおかしな噂話をしはじめた。
「幽霊はね、自分の声が聞こえる人がいないか探しているんだよ。だからあえて、変なことを言うんだって」
お姉ちゃんってば中学生になっても幽霊がいるって信じてる。
「出会っても、反応しないようにね」
「お姉ちゃんの方こそ、気をつけなよ」
にやっと笑って、私は怖がりなお姉ちゃんを脅かすように言う。お姉ちゃんはムッと頬を膨らませた。
「心配してるのに!」
「わかったって! それじゃ、行ってくるね~!」
お姉ちゃんの怖い話に付き合っていたら、塾に遅れちゃう。私は急いで家を出た。
*
塾が終わると、外は暗くなっていた。いつもならお母さんが車で迎えにきているけれど、今日はいない。
まだかなぁと待っていると、私と同い年くらいの女の子がやってきた。同じ塾の子かな?
「おはよう」
聞こえてきた言葉に、目を瞬かせる。
「おはよう」
もう一度、女の子が言った。
……気味が悪いかも。私は腕時計に視線を落とす。早くお母さん来ないかな。
ふと、塾に行く前にお姉ちゃんに言われたことを思い出す。夜におはようって言ってくるのは〝幽霊〟なんだっけ。
隣に影が落ちる。はぁっとため息が耳元で聞こえた。
嫌な予感がして、横目で右側を見ると隣に女の子が立っていた。
「おはよう」
「!」
私は驚きのあまり、塾のカバンを地面に落としてしまう。ドクドクと心臓の動きが速くなって、体が震える。
う、嘘だよね。幽霊なんかいないはず。悪戯に違いない。私は急いでカバンを拾う。
「あれ? 見えているのかなぁ」
視線を上げると、にんまりとした女の子が顔を覗き込んでくる。首が直角に曲がっていて、目は真っ黒だった。
思わず声を出しそうな瞬間——。
「みゆ! 遅くなってごめんね」
「お母さん!」
私は涙目になりながら、お母さんに抱きつく。よかった。助かった!
振り返ると女の子はどこにもいなかった。
落ち着きを取り戻して、お母さんの車に乗り込む。後部座席にはお姉ちゃんが座っていた。
「お姉ちゃん、心配してきてくれたの?」
私の言葉にお母さんは首を傾げる。
「なに言ってるの。家で待ってるわよ」
「え、でも」
ミラー越しに後部座席を見ると、座っているのはお姉ちゃんではなかった。
「きゃああ!」
女の子が私を見つめながら笑う。
「おはよう」